雑誌「2nd」の看板スタイリスト・吉村祥吾の「撮影前夜、事務所にて」

『セカンド』の看板スタイリスト吉村祥吾さんが一体のコーディネイトを組むまでの、理論と感覚入り混じる紆余曲折を、文字化するスタイリングドキュメンタリー。

スタイリスト・吉村祥吾さん|1986年生まれ。2016年より『セカンド』で継続的にスタイリン グを担当。普段着のマイルールは「TPOに合わせて、靴から決める」

プレッピーのお手本的コーデを組む

今号の特集で組んでもらったコーディネイトのひとつ。「J.プレス オリジナルス」のアイテムで、 お手本のプレッピースタイルを表現。「J.プ レス」のアイビースタイルと対比した

編集部 今回は、「J.プレス オリジナルス」のアイテムを使って、プレッピーのお手本的なスタイルを作ってほしいというお題でした。

吉村 最初は新作のスキージャケット(❶)がキャッチーで気になったんですけど、プレッピーというお題に対して、ちょっとアウトドアすぎて主題がぼやけるかなと。

編集部 まずはお題に対しての、吉村さんなりの合否の判断があったわけですね。

吉村 スタイリングは全体像から決めるんですが、今回は主題がハッキリしていたので、アウターから決めていきました。

編集部 選んだのはグレーのハリントンジャケットでしたね。

吉村 デザイン自体は定番ですが、生地はスラックスに使われるようなドレッシーな生地。このひねくれ具合が“オリジナルス”っぽいし、プレッピー的だなと思ったんです。

編集部 次はインナーですか?

吉村 はい。シャツは3択(❷)。個人的にはストライプが好みなんだけど、ブロード生地だし、先ほどのアウターに合わせるとドレッシーすぎるかなと思ってやめました。アウターがドレッシーな分、プレッピーに近づけるためにカジュアルなものを組み合わせていくほうがいいんじゃないかと思ったんです。それでマドラスを選んだ。もしこのジャケットが、例えばデニムなどカジュアルな素材感だったら、バランスをとってブロードを選んでいたかな。逆にマドラスは合わなかったでしょうね。

編集部 同じマドラスでも2色ありますが?

吉村 最近の気分もあって、全体のトーンを淡くしたかったんですよ。そっちのほうがキャッチーだし、春っぽいし。ピンクと緑って王道のプレッピー配色ですしね。

編集部 しかしシャツのボタンが4つも空いてますね。

吉村 ハリントンジャケットにトラッドなシャツって、ちょっとオールドすぎて苦手で。シャツを合わせるんだったら真面目に着せたくないんで、今回はボタンを多めに開けました。そうすることでカジュアル感が増していまっぽくなります。他にもタックアウトしたり、襟のボタンを外したり……。シャツの素材感にもよるので、一概には言えないんですけどね。

編集部 パンツはどうですか?

吉村 今季の新作で好きなベージュのチノパンツを見つけて。普通のミリタリーチノのベージュはもっと濃いじゃないですか(❸)。この薄さも“オリジナルス”っぽくてよかったので、使いたいなと。太めのパンツにはボリュームのある靴が合うので、〈パラブーツ〉の[ランス]を合わせました。

編集部 最後に、小物周りは?

吉村 ハリントンジャケットなので、キャップだとスポーティすぎるかなと思って、バケットハットにしました。バケハは本当になんにでも合う最強の帽子です。あとは、プレッピー定番の“肩になにかを巻く”。スポーティなジャケットに合わせて、セーターではなくスウェットにしました。ハットもスウェットも、全体を淡くしたいという今の気分に合わせて、白でワントーンにまとめています。

❶プレッピーらしさを重視し、惜しくも断念。6万4900円(J.プレス&サンズ 青山TEL03-6805-0315)

❷春夏らしさを色濃く感じさせる名作揃い。左2万6400円、中右ともに2万4200円(J.プレス&サンズ 青山)

❸通常のミリタリーチノ(写真右)のベージュに比べて、「J.プレス オリジナルス」(写真左)はひと際薄い

(出典/「2nd 2025年5月号 Vol.211」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

Pick Up おすすめ記事

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...