オリジナルに忠実なリメイクしてみる、ふるぎの新しい楽しみ方【ふるぎ道第3回】

古着好きならば、究極の一点物であるリメイクに興味を持つ人も多いのでは。お気に入りの古着だからこそ、より魅力的にしたい。そこで、三軒茶屋にあるヴィンテージ専門のリペアショップ「ヴィジティングオールド」の代表・岩城リョージさんにリメイクのコツを教えてもらう。好評連載の第3回は「ジェリー」のダウンとヴィンテージのカシミアニットを使って大胆なリメイクに挑戦!

岩城リョージ|古着専門のお直し屋「ヴィジティングオールド」のオーナー。今回作ってみて、「エディー・バウアー」のこだわりを感じました

オリジナルに忠実に存在していたかのようなリメイクがモットーなり。

現代の日本において、実用性があるといったら、ちょっと嘘になるようなオーバースペックなダウンマスク。使用した、生地の日焼けがパッチワークのようで可愛く仕上がった。オリジナルよりもダウン多めのエクスペディションモデル

岩城さん 今回はいつもお世話になっているエバーグリーンの中島さんに提供していただいたダウンジャケットとカシミアのニットからダウンマスクを作りました! 結構大変な作業でした(笑)。

中島さん ダウンをバラしてそこから縫製していくというのはかなり大変だと思うよ。しかもマスクって立体的だしね。

「エバーグリーン」オーナー・中島康史さん|中目黒の古着店エバーグリーンのオーナー。日本各地の古着イベントに精力的に参加している。イベント情報については中島さんのインスタグラムをチェック!(@bentfork69)

岩城さん パターンの技術も必要だし、縫製も含めて今までやってきたことをフルに使うリメイクでした。中島さんとは10年ほど前からのお付き合いになりますが、割と早い段階からリメイクをお願いしてくれていて感謝しています!

中島さん 元々お客さんとしてお店にきてくれていてね。古いアウトドア系の古着がすきという共通点もあるから今回はダウンマスクということで。仕上がりはどう?

岩城さん こちらになります! どうでしょうか?

中島さん なるほど。後ろがカシミアになっているということね。岩城くんに提供した「ジェリー」のダウンは物自体良かったんだけど、 ちょっと焼けが出てたり、背面の裾に穴が空いていたから、直すならアイテム自体変えてしまう方がいいかなと思ったんだよね。もう一個作れる?

岩城さん 作れます! これは自分用で、これから作る中島さんのものにはニット部分にジッパーをつけようと思っています!

中島さん 本来は寒冷地で作業する人たちのアイテムだからね。日本で被ってたらただの怪しい人になっちゃうけど、「エディー・バウアー」のダウンマスクはコレクタブルなアイテム。黒という色もあって、かなり珍しいものになったんじゃないかな。ちなみにこれってお金取られるんでしたっけ(笑)?

岩城さん いえいえ! 今回の出演料ということで(笑)。

【今回リメイクするアイテム】

今回、リメイクしたのは70年代「ジェリー」のダウンにヴィンテージのカシミアニット。生地が破けていたり、落ちない汚れがついていたりと、売り物にも、自分で着用するにも難しいということで岩城さんの元へ。

【リメイクのデザインソース】

上のベージュ色のマスクが、「エディー・バウアー」のオリジナルで、下が岩城さんが製作したダウンマスク。目や鼻の形、縫製の仕方などオリジナルを忠実に再現したが、黒色になって怪しさが増した。

【リメイクのポイント】

はじめにダウンの縫い目を解き、中に詰まったダウンを掃除機(こまめちゃん)で吸い取っていく。どれだけ気をつけても部屋中を舞うのでマスクは必須。

ジャケットをバラしたら、マスクに使えるように生地をカット。

切り出した生地を縫い合わせていき(立体なので調整しながら)、ジャケットから抜いたダウンを縫い合わせた生地に詰めていく。

詰め終わったら漏れないように縫製、後頭部のカシミアを縫い付ければ完成。

「エディー・バウアー」の名作[カラコラム]と合わせれば、当時のアウトドアズマンそのもの。実はこの撮影、背景は見えないのですが、雪が降っていたんです。実用性のテストも済んでいます。

(出典/「2nd 2024年2月・3月合併号 Vol.202」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

Pick Up おすすめ記事

メイド・イン・ノーサンプトンを貫く英国靴の筆頭「Crockett & Jones」のモノづくり

  • 2026.10.21

革靴の聖地であるノーサンプトンにて1879年に初声をあげた〈クロケット&ジョーンズ〉。英国靴を語る上で欠かすことのできない同ブランドのモノづくりの現場に足を運んだ。 一足の革靴に宿る147年の歴史と誇り 革靴産業の一大拠点として名を馳せる英国・ノーサンプトン。中世から靴職人が集まり、17世紀には軍用...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...