英国の要素は強くしつつも、アイビーの『カレッジ』テイストはブラさずに
19歳の時に単身でイギリスに渡り、約1年間、毎日のように古着店に通って現地の洋服に触れてきた尾崎さんはエディフィス時代に「フレンチアイビー」を提案していたこともあり、「ブリティッシュアイビー」というテーマもしっくりきたのだという。
「アイビーに英国モノをミックスすることは普通といえば普通なのであまり考えたことがありませんでしたが、改めて考えてみると、すごく面白いなと思いました。アイビーには『カレッジ』というテイストが入ってくると思うので、英国の要素は強くしつつも、そこはブラさずに残すように意識しました」と英国の左胸の校章がついたカレッジジャケットを中心に、レジメンタルタイやグルカパンツを合わせてコーディネイト。
「アメリカのアイビースタイルと、英国のトラディショナル、どっちが好きかはとても決められませんが、当時のアイビーリーガーたちも英国モノを取り入れていたでしょうし、僕がイギリスにいた時もみんなアメリカンなスタイルが大好きでした。そういう意味では、これまでにブリティッシュアイビーという定義こそなかっただけであって、当たり前にあったものなのかもしれませんね」
ブリティッシュアイビースタイルに欠かせない愛用品
紳士の気品が感じられるイングリッシュドレープ|「ヘンリープール」のネイビーブレザー
今年の春にオーダーし、8月に届いたというサヴィルロウ最古のテーラーでビスポークした思い入れのあるブレザー。上質な生地からは高級感が漂い、着用した際のイングリッシュドレープからは紳士の余裕が感じられる。左胸のチーフもヘンリープールのもの。
腕利きの職人が編み上げた極上のカシミアニット|「インバーアラン」のケーブルニット
現在は生産されていないスコットランド製のハンドメイド。「これはカシミア100%なのですが、当時は工場で最も腕のあるニッターがカシミアを担当していたと言います。10年以上着ている超愛用品です」
どんなスタイルともマッチする圧倒的な安心感|「クラークス」のデザートブーツ
ブリティッシュスタイルだけでなくアイビースタイルにおいても定番といえる1足。「デザートブーツの王道ですね。『リーバイス』のピケパンツと合わせたり、スーツスタイルのハズしとして履くことも多いです」
大人の色気を醸し出すミッドナイトブルー|「ジョンロブ」のビスポークシューズ
4〜5年前にロンドンでビスポークした特別な1足。カラーはブラックではなくネイビーで、イギリス人は「ミッドナイトブルー」と呼ぶのだそう。「19歳の時にイギリスに行った時からジョンロブでビスポークすることが憧れで数年前にようやく実現しました」
英国の要素を取り入れつつアイビーの軸はブラさない|「グリーンスポット」のサイクリングジャケット
今はなき英国ブランドの自転車乗りのために作られたジャケットで、両手が空くようにポケットが複数ついている。「英国の1枚もののジャケットが好きで古着でよく集めています。イギリス北部のヨークシャーという街に行った際にフリマで購入しました」
(出典/「2nd 2024年1月号 Vol.201」)
Photo/Ryota Yukitake, Akira Minami, Satoshi Omura, Takuya Furusue Text/Kihiro Minami, Kazuki Imanishi
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