ジェントルマンのワードローブとは? 50〜60年代の英国スタイルは、ほどよい男の色気を感じます。

ブリティッシュトラッドのスタイルに魅せられ25年……。年齢を重ねるごとに自分なりのジェントルマン像を確立してきた、イラストレーターのソリマチアキラさん。お気に入りの50〜60年代の英国スタイルについてお話を伺った。

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ブリトラの着こなしは年齢を重ねるほど似合う。

ジェンツな着こなしが似合うナイスミドルのソリマチさんが、ブリトラに魅了されたのは30代になった頃。それまではアメトラやブラックアイビーのスタイルだったとか。

「スーツの源流を辿ると必然的に英国に行き着くのもありますが、アメリカにはないエレガントさに惹かれました。トラッドだけど、少しモダンな部分があるんですよね。なかでも50年代と60年代の英国スタイル最も好きです。映画で例えると、ショーン・コネリー時代のジェームス・ボンドの着こなしとか。実際にトラウザーのシルエットひとつ見ても、ちょっと無骨で凛々しさもあったり、ほどよく男の色気を感じます」

ソリマチアキラ|1966年、東京都生まれ。幅広い媒体で活躍するイラストレーター。独自のタッチで描かれるイラスト同様、本人もトラッドなスタイルを追求している

ゆえに数あるワードローブもクラシックなアイテムが中心。しかし、着こなすときに意識することは、あくまで日常着という視点。

「トレンドに左右されない普遍性や伝統には迫力があると思います。とはいえ自分は英国紳士ではないし、全身をブリトラで固め過ぎても、東京の街並みに合わない部分もありますよね。そのあたりのTPOのバランスを考慮して、自分なりのアレンジを楽しみながら、普段着として取り入れています」

自身の愛用品がアンティークになっていくほど、長く付き合えるのも魅力のひとつだとか。

「オーセンティックだけど、どこかエキセントリックな雰囲気があるのがブリトラ。そんな伝統的なアイテムを長年愛用し続けることが、独特の迫力に繋がっていく気がします。そういう意味では、年齢を重ねるほど似合っていくと思うので、これからますます楽しみ。もちろん、そのためには立ち振る舞いも重要。トラッドな服が似合う所作を心掛けていきたいですね」

【ジェントルマンのワードローブ①】コート

(左)アクアスキュータム

英国軍も採用した歴史あるブランドのトレンチコート。「70年代のヴィンテージのキングスゲートです。アクアファイブという独自の生地により、撥水性にも優れています」

(中)グレンフェル

老舗コートメーカー、グレンフェルのバルマカーンコート。「スーツやセーターの上からざっくり羽織れる、秋冬の定番。ボリュームのあるロング丈がお気に入りです」

(右)マッキントッシュ

英国を代表するアウターウエアブランド、マッキントッシュのシングルコート。「薄手だけど丈夫な、ロロ・ピアーナの生地を採用。定番のゴム引きより使いやすいです」

【ジェントルマンのワードローブ②】シャツ

英国の ヴィンテージシャツ

英国専門のヴィンテージショップで入手したシャツ。「20年ほど前に集めていた時期があり、その頃から愛用し続けているのがこの3着。滑らかなブロード生地だけど肉厚な質感は、旧い英国製ならでは。タイドアップスタイルに欠かせません」

【ジェントルマンのワードローブ③】パンツ

(左)オールドハット

英国発のヴィンテージショップ、オールドハットの1本。「フレンチの定番素材のイメージがあるモールスキンですが、英国のカントリースタイルにも欠かせない生地です」

(右)コーディングス

ハンティングをルーツに持つブランド、コーディングス。「カントリーサイドで着用できるアイテムが多く、このパンツもそんな1本。ブレイシスで吊るす仕様も英国的」

【ジェントルマンのワードローブ④】スカーフ

(左)ジョンストンズ オブ エルガン

200年以上の歴史を持つブランド、ジョンストンズ オブ エルガンのカシミアのマフラー。「高級素材のウール系のアイテムに定評があるブランドだけど、特にカシミアは質感がすごく上質。このマフラーも色違いで何本か所有しています」

(中)ドレイクス

英国スタイルの小物を多くリリースするドレイクス。「2000年代初頭に入手した1枚で、現行モデルとは違う旧タグが付いています。落ち着いたブラウンカラーの千鳥格子は、秋冬のトラッドコーデと相性がいいので重宝しています」

(右)トゥータル

洗練されたドット柄が印象的な、50~60年代のヴィンテージのストール。「レーヨン素材なのでシワになりにくく、薄手だけど柔らかくて温かい。おかげで冬はマフラー感覚で愛用しています。セーターと合わせることが多いかも」

【ジェントルマンのワードローブ⑤】ニット

(左)アラン ペイン

英国のスポーツカルチャーをルーツに持つチルデンセーター。「いろんなアイテムと重ね着しやすいが、ベーシックにネイビーのジャケットに合わせることが多いです」

(中)ジョン スメドレー

ニットアイテムの定番ブランド、ジョンスメドレーのタートルネックとポロシャツ。「タイドアップしないスタイルのインナーの定番。リラックスできる質感もいいですね」

(右)シェットランドセーター

伝統的なフェアアイル柄で編み込まれた一着。「ジャミーソンズニットウェアが日本で出回る前の、20数年前にビームスで入手。以来、スタイルのアクセントとして必須」

【ジェントルマンのワードローブ⑥】ハット

(左)ジェームスロック

同じく老舗ハットブランドながら、こちらは300年以上の歴史を誇る。「ジェームスロックの定番のトリルビーハットは、芯がないためコンパクトに折り畳んで収納できる機能的なアイテム。ウサギの毛を使ったフェルトの質感もいい」

(右)クリスティーズ

創業200年以上を誇るハットブランド、クリスティーズのツイードキャップ。「チェック柄のツイードキャップは、実はありそうでないアイテム。同素材のジャケットはもちろん、ステンカラーコートのアクセントとしても活躍しています」

【ジェントルマンのワードローブ⑦】グローブ

デンツ

老舗グローブブランド、デンツの定番アイテム。「ブリトラのペッカリーグローブといばデンツ。肉厚で保温性にも優れているため、裏地も必要なし。丈夫なのでラフに扱えます。長年愛用するブラウンに加え、最近グレーを入手したばかり」

【ジェントルマンのワードローブ⑧】眼鏡

(上)オリバー ゴールドスミス

60年代にピーター・セラーズが愛用していたモデルを再現。「ピーター・セラーズに憧れて入手。アメリカのウェリントンに近いシルエットだけど、モダンな印象もあります」

(左の2本)サヴィルロウ

88年創業のアイウエアブランド、サヴィルロウのセル巻きフレームを色違いで所有。「クラシックな雰囲気がお気に入り。画家のデイヴィッド・ホックニーも愛用していたはず」

(右下)カトラー&グロス

69年のロンドンで誕生したカトラー&グロス。「40~50年代くらいのデザインを踏襲したシルエットが特徴。その年代を意識したクラシックな格好に合わせることが多いです」

【ジェントルマンのワードローブ⑨】シューズ

(上段左)ジョージクレバリー

ジョージクレバリーはチャッカーブーツも所有。こちらも20年以上愛用。「クレープソールをレザーソールに変えてドレスアップしました。カントリー系のスタイルならこの一足」

(上段中央)チャーチ

チャーチを代表するウイングチップシューズ、バーウッド。「ガラス革でソールもラバーを貼ったので雨の日に活躍しています。カジュアルなデニムやチノパンと合わせることも」

(上段右)エドワードグリーン

乗馬をルーツに持つジョッパーブーツは、エドワードグリーンの1足を10年ほど愛用。「こうしたブーツはサイドゴアも好きだけど、ブリトラならジョッパーの方が気分ですね」

(中段左)エドワードグリーン

ベーシックな内羽根のプレーントゥ。「控えめでモダンなデザインがお気に入り。細部のステッチワークも印象的です。フォーマル系のソリッドなスーツスタイルで活躍します」

(中段中央)チャーチ

同じくチャーチのモンクストラップシューズ。こちらは20年以上愛用する1足。「季節を問わず幅広いスタイルで活躍しますが、秋冬はツイード系の着こなしにフィットするかも」

(中段右)チャーチ

“外交官”の意味を持つモデル名のディプロマット。「セミブローグのオーソドックスなデザインがお気に入り。少しカジュアルなフランネルスーツに合わせることが多いです」

(下段左)ジョンロブ

ジョンロブの定番モデル、セイムール。「ジョンロブのなかでもクラシックな一足で、個人的にはそれが1番のお気に入りのポイント。カジュアルな着こなしにも合います」

(下段中央)トリッカーズ

トリッカーズの定番ルームシューズ、チャーチル。「ゴールドの刺繍がラグジュアリーなので、ブラックウォッチのジャケットに合わせたり。室内より室外で使うことが多いです」

(下段右)ジョージクレバリー

名門ビスポークブランドのジョージクレバリー。「ショーン・コネリーが映画で履いていたようなダービーシューズ。ブリトラのスタイル的には意外性があって、お気に入り」

(出典/「2nd 2023年1月号 Vol.190」)

この記事を書いた人
パピー高野
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パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
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