2ページ目 - 【ファッション用語辞典】チェック 柄の種類・名称

代表的なチェック柄のデザインや由来を知ろう

糸と糸が織り合わさるパターンによって作りあげられるチェック柄の数々。織り方や、そのルーツを知ることで、お気に入りのあの服が、いままで以上に誇らしく見えてくるだろう。

ハウンドトゥース

白場が猟犬の歯に見えることに由来する白×黒の格子柄。大柄のものはシェパードチェックと呼ばれ、和名では千鳥格子

ガンクラブチェック

狩猟そのものの文化はイギリスから伝えられたものだが、1874年に結成されたアメリカ東部の猟銃クラブの制服に採用されたのが発祥とされる柄多色使いのハウンドトゥース

オーバーチェック

チェックの上にチェックを重ねて構成される。ベースとなるチェックが小柄で、その上に重ねるチェックが大柄になっていることが多い

グレンチェック

細かいチェックと大きいチェックを縦・横に組み合わせた柄。発祥であるスコットランドの地名グレン・アーカートに由来する

バスケットウィーブ

「パジャマチェック」とも呼ばれる、カゴの目のような状態になった織り。織りの手法だが、格子状の表情を成す

ウィンドウペーン

日本語では窓枠格子と呼ばれる単色・単線で構成される格子の柄。ひと枠3~4センチ程度のものがベーシック

タッタソール

日本語では乗馬格子とも呼ばれるチェック柄で、白地に2色の線が交互に入っている。シャツ地によくみられるパターン。発祥は、18世紀にイギリスの騎手リチャード・タッタソールがロンドンに創設した馬市で、馬に掛けられた布のチェックに由来する

シャドーチェック

影格子とも呼ばれる。一見無地に見えるほどに近しい2色で構成されるチェック。光線の具合によって浮きたって見えるのが特徴

ブロックチェック

縦・横同じ幅の線で構成される格子模様。日本では市松格子と呼ばれるもの。狩猟に使われるハンティングウエアにも多く見られるパターン

バッファローチェック

赤×黒、黄×黒のブロックチェック。イギリス文化が色濃く反映されるアメリカ北東部において狩猟の際の誤射からの防衛、相手への威嚇の意図を持たせた柄といわれる

グループドチェック

群格子。数本の線がグループになって格子を形成。色を混ぜて使ったものはファンシーグループドチェックとも呼ばれる

サッカーチェック

糸を張った部分とたるませた部分を交互に織ることで凹凸が現れるサッカー(しじら織り)のチェック柄。夏の清涼素材として知られるシアサッカーは、この凹凸によって、肌との設置面積を減らすことで、べたつきや通気性を高めている

ギンガムチェック

白と異なる色との2色を組み合わせて作る格子柄。語源はマレー語「gingan」(縦縞の布の意)といわれている

ピンヘッドチェック

針先のように細かなチェックを指す。遠めにはほぼ無地に等しく、白との掛け合わせで淡い色味を表現することが可能だ

マドラスチェック

本来は草木染によって染められ、にじみの効果とその持続が特徴の織物。名前の由来は発祥の地、インドの港町マドラスより

氏族を表すタータンチェックの役割

言葉としても馴染み深く、普段の生活から気軽に用いられているタータンチェックだが、この言葉はクラン(氏族)が擁した独自の格子模様の総称であり、特定のチェック柄を指し示すものではない。

その発祥はスコットランドに定住したケルト民族によるもので、血縁関係の団結を重視する独自の社会システム「氏族制度(クランシップ)」と密接に結びついている。部族間の争いも絶えず、常に隣接する強国イングランドの脅威にさらされたスコットランドではタータンが、戦場では敵と味方を見分ける役割を果たした。また、ひとつのクランのなかでも、シチュエーションによりタータンを使い分けていたそうだ。

日常的にはクラン・タータン、正装用のドレス・タータン、狩猟用のハンティング・タータン、喪に服する際のモーニング・タータンなど種類も豊富だ。

使用できる色の数にも規約があり、農民や兵士は1色、将校で2色、族長で3色、貴族は4~5色、王族は7色を使用している。

タータンチェックは16世紀に一度、その使用が禁じられたことがある。1745年にスコットランドのスチュアート一族がイングランドに対して王位奪還の反乱を起こし、その争いが鎮圧され使用を禁止されることとなったのだ。

しかし19世紀に入りタータン禁止令が解除され、再び使用が許可された後には、タータンはファッションブランドとしても再評価を受けるようになった。

やがて、こうしたファッションブランドを象徴するチェックはハウスチェックと呼ばれるようになり、バラクータなどウエアのライニングにも使用されている。

タータンチェックの代表的なパターン

フレイザー

ノルマンディー出身とされるフレイザー家のタータン。英国を代表するウエアブランド「バラクータ」がジャケットのライナーに用いているのはこのチェック柄

ブキャナン

スコットランド最古のクラン(スコットランドの氏族のこと)と呼ばれるブキャナン家のタータン。赤×青×黄×緑×白で構成されている

ブラックスチュアート

12世紀にスコットランドに渡ってきたノルマン人を先祖に持つ、スチュワート家のタータンチェック模様

ロイヤルスチュアート

本家イギリスでも最も由緒ある家柄として知られるスチュワート家には、数十種類のタータンが存在する。その最高峰に君臨するのがこの柄

ブラックウォッチ

18世紀に警察機能を担っていたハイランド連隊のために生まれた濃紺×緑×黒のチェック。闇に紛れる色味とされる

ローズハンティング

数あるローズ家のタータンのなかでハンティングの際に用いられた柄。ハンティングタータンは目立たない色味で構成されている

ドレスゴードン

ゴードン家の正装用として用いられるタータンチェック柄。黄×緑×青×白×黒で構成されている

アーガイルチェック

アーガイルとはスコットランド西部の地域の旧名。この地の名家、キャンベル家のタータンとして生まれたチェック柄を指す菱型格子の一種。ダイヤモンド柄をモチーフに、細いラインと菱型を組み合わせた格子模様。セーターや靴下によくみられる

プリンスエドワード

18世紀中頃から始まるイギリス人の移住の際、タータンチェックと同様に島のアイデンティティを表す柄として生まれた

アメリカでの別称は、プラッド。

格子柄をチェックと呼ぶことが日本では一般的だが、アメリカでは[plaid]と書いてプラッドやプレードとも呼ばれている。また米語のためアメリカ発祥のブロックやガンクラブといったチェック柄に用いられることが多い。

厳密にはプラッドは線で、チェックは碁盤縞のものを指すが、今日ではその区別はほとんどなくなっている。他に大柄のチェックを表現する際に使われることもある。

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

Pick Up おすすめ記事

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

労働者やアウトドアマンに愛された実用服。「ウエアハウス」のフランネルシャツ

  • 2026.10.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 糸そのものから再現し旧式の織り機を用いて製作 フラン...