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L.A.で開催されたApp Store Awards Winner Showcaseの取材に行ってきた

毎年、アップルがその1年に発売されたアプリで、もっとも注目すべきアプリを選ぶ『App Store Awards』のWinner Showcaseに行ってきた。いつものクパチーノのアップル本社ではなく、L.A.のカルバーシティだったのも新鮮。イベントの様子と、興味深かったアプリをご紹介する。

Apple、2025年のApp Store Awardsのファイナリストを発表
https://www.apple.com/jp/newsroom/2025/11/apple-announces-finalists-for-the-2025-app-store-awards/

App Store Awards Winner Showcaseはこんな場所で開催

App Store Awardsといえば、アップルが恣意的に選ぶということであまり注目が集まっていない気もするが、今年取材して思ったのは、さまざまな選定基準でアップルがしっかり選んだアプリは、やっぱり体験する価値があるということだ。

今回、Winner Showcaseが開催されたのは、クパチーノのアップル本社ではなく、L.A.のカルバーシティの特設会場。カルバーシティというのは、L.A.のハリウッドやビバリーヒルズと、海辺のサンタモニカの間ぐらいにあって、『映画の街』と呼ばれている場所らしい。元々MGMの本社があった街だそうで、現在でもSony Pictures Entertainmentの本社があったりと、クリエイティブの街なのだそうだ。

L.A.といえば映画の影響で、バンバン銃弾が飛び交っていて治安が良くないような印象があるが、少なくともこのあたりは極めて治安が良くて、オシャレな店がいっぱいあった。

余談ではあるが、ご手配いただいたホテルの隣もアップルの社屋だった。風の頼りに聞いたところによると、ここはApple TVに関することをやっているオフィスらしい。ホテルの私の部屋から見える部屋にもHIROSHIMAのチェアがあった(板座ではなく革張りだった)。

先日訪れた綱島もそうだが、アップルといえばApple Parkの印象が強烈だが、社屋は世界中にあるようだ。

アプリが世界を変えてくれる

事前情報があまりないまま、現地に行った。実は、App Store Awardsを日本のメディアが取材したことはあまりなく(たぶん初だが、確証はない)、今回も日本から来たのは筆者だけで、あとは日本人ではNYから来たクリエイターの大石結花さんだけだった。というわけで、非常にレアな情報がお伝えできると思う。

会場は、場所は非公開の特設会場。このイベントのために、臨時で装飾された場所のような雰囲気だった。

冒頭の挨拶は、なんと『X-MEN:アポカリプス』や、『ザ・プレデター』に出演していたハリウッド女優のオリヴィア・マン。Apple TVの『フレンド&ネイバーズ』でも主人公の恋人役を演じている。同作は現在のApple TVのNo.1作品だ。

彼女はアプリの価値というものについて語ってくれた。彼女はアプリ開発に投資もしているそうだが、最初に投資したアプリは「そのアプリでクルマを呼べて、目的地まで運んでくれるアプリ」……つまり、後のUberだったそうだ。今やアメリカでUberやLyftのない生活は考えられない。それほどに、アプリは大きく生活を変えるということだ。

受賞アプリのリスト

選ばれたアプリは以下。

ベストiPhoneアプリ
 Tiimo

ベストiPadアプリ
 Detail

ベストMacアプリ
 Essayist

ベストApple Vision Proアプリ
 Explore POV

ベストApple Watchアプリ
 Strava

ベストApple TVアプリ
 HBO Max(日本では入手不可)

ベストiPhoneゲーム
 Pokémon TCG Pocket

ベストiPadゲーム
 DREDGE

ベストMacゲーム
 サイバーパンク2077アルティメット

ベストApple Vision Proゲーム
 ポルタヌビ:謎解き冒険

ベストApple Arcadeゲーム
 WHAT THE CLASH?

カルチャーインパクト
 Be My Eyes
 Chants of Sennaar
 despelote
 Art of Fauna
 Focus Friend
 StoryGraph

気になったアプリをいくつかご紹介

会場はこんな感じで『ステージがあって表彰式』という雰囲気ではなく(それを予期してアメリカまで望遠レンズを持って行っていたのだけど)、自由に歓談できる状況。

いくつか、気になったアプリを順不同で紹介しよう。

Pokémon TCG Pocket

まず、なんといってもベストiPhoneゲームに選出されたPokémon TCG Pocket。日本のアプリとして、App Store Awardを受賞したのは筆者が知る限りではたぶん初。そうでなくても貴重な出来事のはず。

いわゆるポケモンのカードゲームをスマホゲームにしたもので、毎日無料で2パックのカードを開封し、ポケモンを集めることができる。なんと昨年公開から約1年で、iOSだけで7000万ユーザー、Androidを合わせると1億5000万ユーザーが遊んでいるという。それは文句なく選出されるだろう。

Tiimo

使ってみたいなと思ったのはTiimo。AIを使ったToDoアプリ。Tiimoという、ちょっとエキセントリックなキャラクターと対話するカタチでタスクを入力する。製作しているのはデンマークの会社。

iPhoneにインストールしてみたが、少しクセがあって慣れるのに時間がかかりそう。サブスクは月額700円から。年額だと6000円ということだ。

Be My Eyes

素晴らしいなと思ったのは、『カルチャーインパクト』に選ばれた『Be My Eyes』。目の不自由な方のためにiPhoneのカメラで撮ったものが文字化され、音読されるというアプリ。AIを利用する方式と、遠隔地によるボランティアに見てもらう方式の両方を利用出来る。

デモしてもらったけど、精度がすごい。

会場で筆者を撮影して「赤いスパイクへアと短いヒゲのある男性が、室内の混雑したイベント会場に立っています……」って、まぁ、たしかにおっしゃる通りなのだが。そうか、『赤いスパイクへア』か……。

やけに長い説明だが、視覚に障害のある方にはこうやって多めの情報を提供した方が良いのだそうだ。それにしても、生成AIのおかげで海外取材でもこのように日本語を介したコミュニケーションが可能になっているのが素晴らしい。

エキゾチックなゲームに注目

DREDGE

ちょっとエキゾチックなグラフィックのゲームも多かった。特に面白そうだったのが、こちらもカルチャーインパクトで選ばれた『Chants of Sennaar』。

フランスのゲームで、架空の種族の架空の言語を解読していく……という謎めいたゲーム。

たとえば、このレバーを上げるとドアが開き、下げると閉じるとすれば、右側の文字がドアで、左の上が『開く』、下が『閉じる』ではないかと推測できる。そうやって、順番に文字を解読していって、最終的には異文化同士の交流を取り持つのがゲームの目的になるらしい。異国情緒あふれる雰囲気が楽しい。

DREDGE

ベストiPadゲームに選ばれた『DREDGE』も面白そう。オープンワールドのホラーフィッシングゲームなのだそうだ。

フィッシングゲームとしてプレイしていると、徐々に奇妙なモノが釣れたり、怪異の世界に巻き込まれていくらしい。単なるホラーゲームより、日常に怪異が入ってくる方が怖そう。『ホラー』部分をオフにしてプレイすることもできるとのこと。

5つの海域があり、それぞれ状況が違って異なる物語が展開するそうだ。

Vision Proの世界を広げる新しいアプリ

最後にVision Proのアプリを2つご紹介しよう。Vision Proアプリについては、内容を現場で撮影できなかったので、画面キャプチャは自宅で撮った。

Explore POV

ひとつは、ベストVision Proアプリに選ばれたExplore POV。

世界中の風景を楽しむことができる。画像は180°の3D映像。

カメラからの視点になるので自由に移動することはできないし、180°映像なので後ろ半分は真っ黒だ。しかし、あたかもそこにいるかのような光景を見ることができる。家にいながらにして、世界の風景を楽しめるのはいい気分転換になる。長い間狭い飛行機に揺られる必要もないし、暑くも、寒くもない。快適な状態でこの風景を楽しめるのは素晴らしい。

ポルタヌビ:謎解き冒険

もうひとつは、『ポルタヌビ:謎解き冒険』。

Vision Proで、どんなゲーム体験ができるのか、知るにはちょうどいい。

光をゴールまで導くというゲームなのだが、雲の中で向きを変えて、オブジェクトに邪魔されないようにゴールまで運ぶのが基本ルール。ゲームとしては体験したことのない面白みがある。

Vision Proユーザーの方はぜひお楽しみにただきたい。

App Store Awardsにもっと注目したい

これまで筆者も「アップルが恣意的に選んだアプリ」だと思って注目していなかったのだが、実はこれまでにない新鮮なアプリがちゃんと選ばれているということを今回知った。どのアプリ・ゲームも、使ってみて、これまでのものにない『価値』があると感じた。

みなさんも、ぜひ体験してみていただきたい。

(村上タクタ)

 

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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