Swift Student Challenge 2024入賞者の3人が講演
Today at Appleを行ったのは、Swift Student Challenge 2024に入賞した尾崎正和さん、秋岡菜々子さん、河原慶太郎さんの3人。
Swift Student Challengeとは、アップルが世界規模で行っているプログラミングコンテスト。SwiftはiPhone、iPad、Macなどのプログラムを作るために開発された先進的な言語。初心者でも比較的たやすく学べて、効率的に動作する洗練されたアプリを作ることができる。
世界から350人が受賞者として選ばれ、Apple Developer Programの1年間のメンバーシップ、App Development with Swift認定試験を無料で受けられるバウチャー、Appleからの名前入りの認定証、およびAirPods Maxが贈られる。
さらに50人の優秀受賞者には、クパティーノのAppleキャンパスにて開催される3日間の対面形式のプログラムに招待されるという。
それぞれ、受賞したのは大学生/大学院生の時だが、現在は3人ともエンジニア、もしくはその能力を活かした職業に就いていたり、就く予定だったりするという。
特に、尾崎正和さんはすでに起業もされており、日経新聞をVision Proで読める日経空間版の開発を主導するなど、すでにプロの開発者として活躍中だ。
その彼らが、「なぜアプリを開発するか?」「どう考えてアプリを開発すればいいか?」とレクチャーするのが今回のToday at Appleのテーマ。集まった十数人の大学生も熱心に耳を傾ける。
アプリを開発するって、コードが書ければいいというものではない。
「まずは自分のことを知ろう」というわけで、尾崎さんらのチームが開発した『Be You Sheet』を使うワークショップを行った。
このシートには、『Me(自分)』に続いて、『Family(家族)』、『Friends(友達)』、『Community(コミュニティ)』、『Local(地元)』、『Country(国)』、『Earth(地球)』と書かれており、それぞれに、自分にとってどんなものがイメージされるか書き込んで行く。
もちろん、プライバシーにかかわる部分もあるので、他人に見せる必要はないが、これに書き込むことで自分を形作る要素を再発見できるというわけだ。
アプリはただ、作れるものを作ればいいというものではない。多くの人に受け入れられ、使ってもらうためには、自分を見つめ直し、アプリを使ってくれる人に対して、どう貢献すればいいかを見つめ直さなければならないということである。
続いて、どんなアプリが多くの人に受け入れられるかを考える。
1.理解しやすく面白い
2.クリエイティビティが高い
3.面白くする仕掛けがある
4.ストーリー、メッセージがある
ということが重要なのだそうだ。
たしかに、アプリのインストールは簡単だが、それでもインストールの手間をかけ、時間を使ってそれを使うにはそれなりのハードルがある。そのためには、そのハードルを乗り越えさせる必要があるのだ。
また「『誰』に『何』を『どう』してもらう」という部分を明確にすることも大切なのだそうだ。
逆に言うと、これがはっきりしてるアプリは人気を博するということだ。
たとえば、秋岡さんの作った『Life with Flowers』というアプリは、「『花が身近でない人』に『フラワーアレンジメント』を『体験して』もらう」というアプリだから、開発中も迷いが出た時に、それに立ち戻って開発を継続できたそうだ。もちろん、ユーザーにも何のアプリか伝わりやすい。
……というところで、Apple銀座から、京都の小学校経由で大阪に向かったティム・クックCEOが登場。
クックCEOは「アップルはこれからも、クリエイティブのためのツールを作り、みなさんを支援します。自分が興味を持てること、自分がしたいことを追求して、周りの人の役に立つものを作る。これが素晴らしいクリエイティブにつながります」とコメント。
登場が予想されていたApple銀座と違って、サプライズでの登場となったApple梅田は騒然。
Swift Student Challengeの受賞者の方々は、授賞式でアメリカに行った時に、ティム・クックに会う機会はあったようだが、それでもこんなに近くで言葉を交わすのは始めてとのこと。
学生の参加者にとってはまさにサプライズ。今後の創作活動に、大きな影響を与える忘れられない出来事になったはずだ。
(村上タクタ)
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