書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

どこでもスキャン! を叶えるPFUの新型ScanSnap iX2500登場!

PFUが、新型ScanSnap iX2500を発表した。本日、6月24日発表で同時に発売となる。ボディカラーはホワイトとブラックの2種類。価格はオープン価格だが、PFUダイレクトで5万9400円(税込)。iX1600の後継機種だが、ハード面でもソフト面でもかなり大幅なモデルチェンジを受けている。自分のスキャン設定が、どのScanSnap iX2500と接続しても使えるなど、新しい時代の働き方にフィットした製品となっている。

PFU ScanSnap iX2500
https://www.pfu.ricoh.com/scansnap/

PCやスマホをつなげば、どのスキャナーでも“自分仕様”

iX2500最大の特徴は、スキャナーにPCやスマートフォンをUSBケーブルまたはWi-Fiで接続するだけで、ユーザーがカスタマイズしているカラーモードや画質、読み取り面などの設定がその場でスキャナー本体に即座に反映される点にある。つまり、会社にあるiX2500でも、出張先のコワーキングスペースにあるiX2500でも、自宅と同じ設定でスキャンができる。「どのScanSnapを使っても、自分のScanSnapになる」——それが、iX2500の核心的な価値だ。

ソフトウエア的にも大きく刷新されており、新しい時代にフィットした使い勝手を実現している。

さらに今後、スマートフォンをスキャナーにかざすだけでMy ScanSnapの設定を同期できる機能も提供される予定だ。

新世代SoC「iiGA」搭載で、性能が大幅に進化

ハードウェア面でも、iX2500は従来モデルからの大きな進化を遂げている。中でも注目すべきは、自社開発の次世代SoC「iiGA(イーガ)」の搭載だ。

これまで搭載していたGIプロセッサは2012年登場のiX500から搭載されている。2018年のiX1500、2021年のiX1600と、なんと13年もの長きに渡って、フラッグシップモデルの処理能力を支えてきた。13年ぶりに、処理能力の根本を支えるチップセットを更新したことで、スキャン速度・起動速度・画質、PCレスでの画像処理性能等が向上することが期待できるという。今現在の処理能力はもちろん、今後のアップデートによる性能向上も期待できる。

iiGAによって、毎分45枚(A4カラー両面/300dpi)の高速スキャンを実現。起動速度も2.9秒(USB接続時、クイックモード)と非常に速く、スキャン作業に入るまでの待ち時間が非常に短くなった。

最大100枚の原稿を一度にセットできる大容量ホッパーも備え、名刺やレシート専用ガイドを装着すれば50枚の連続読み取りも可能。この専用ガイド、旧モデルの時には付け外しに少々気を遣う部分もあったが、構造が変更されてストレスなく容易に付け外しできるようになっている。

また、安定給紙技術と傾き検知機能により、原稿の破損を防ぐ配慮もなされている。このあたりはiX1300より、フラッグシップモデルが優れているポイントだ。

タッチパネルはより直感的に、画質も大幅アップ

操作面では、5インチの静電容量式タッチパネルを新たに搭載。従来機(iX1600)の4.3インチから拡大され、レスポンスも向上。従来はTFTタッチパネルだったが、あらたにスマホのような静電容量式になったことで、非常 にキビキビ動くようになった。また、お気に入り設定や保存先をアイコン登録して、タッチ操作で直感的に呼び出せる。

さらに、iX500以来のハードウェアスキャンボタンを搭載。タッチパネル操作を経ず、とにかくすぐにスキャンしたい……という時に役に立ちそうだ。

また、業務用スキャナーで採用されてきた光学技術「クリアイメージキャプチャ」により、スキャン画質も向上。色ずれやモアレの発生を低減し、写真やポスターのような繊細な原稿にも対応できる。

さらに、Wi-Fi 6やWPA3、TLS1.3といった最新のセキュリティ規格にも対応。ビジネス用途でも安心して導入できる。

そして、なんといっても嬉しいのが、コネクターがUSB-Cになっていること。とはいえ、このケーブルの反対側がUSB-Aなのは少々謎。一気にUSB-C to USB-Cにしてくれた方が良かったのだが。まだ、オフィス用途などではUSB-Aの方が便利なんていうシーンがあるのだろうか?

ソフト面でも、クラウドとの連携が深化

ScanSnap iX2500の発売に合わせて、専用ソフトウェア『ScanSnap Home』も進化を遂げる。

PC版ではクイックメニューが刷新され、『Microsoft Teams』『SharePoint』『OneNote』『Notion』『iCloud』との連携が新たに追加。これにより、スキャン後のデータ活用が格段に広がる。ScanSnap Cloud経由でのクラウド保存もスムーズになり、ユーザーはスキャンした情報を即座に必要な場所へ送れるようになる。

このあたり、AIを介したデータ活用のために必須といえる機能だろう。従来と違って、スキャンデータをすぐに生成AIに投入することで、大きな成果を挙げることができそうだ。

また、PC版とモバイル版ScanSnap Home間でデータ同期が可能になる『Data Sync』機能も搭載予定。これにより、出先でスキャンしたデータを自宅のPCで確認したり、オフィスと自宅で同じスキャンデータを扱ったりといった使い方が実現する。

今後のアップデートにも期待

今後、スマートフォンをかざすだけでスキャナーが『My ScanSnap』になる機能や、NASへの直接保存、検索可能なPDFの生成、向き補正・縦筋軽減などの新機能も続々と追加される予定だ。

単なる紙のデジタル化ではなく、『活用できるデータ』として処理されるところまでスキャン体験を高めるScanSnap iX2500。AI時代にふさわしいスキャナーとして、オフィスワークから在宅勤務、さらにはクラウド連携やペーパーレス化に取り組むすべての人にとって、心強い相棒となるだろう。

(村上タクタ)

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おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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