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『主体的な学び』ってどういうこと? 新潟市立大野小学校に見るiPadを使ったアクティブラーニング

我々が若い頃と、子どもたちの『学び』を取り巻く環境は大きく変わっている。iPadを使ったアクティブラーニングで、大きな成果を挙げているという新潟市の大野小学校の授業を取材させてもらった。

子どもたちが『自分から主体的に学び取ろうとする』

文部科学省のいう『主体的・対話的で深い学び』とは何だろうか?

我々が子どもの頃は本から学び、先生の言うことを聞いて覚えた。

しかし、今や検索すれば多くの知識にすぐに触れることができる。

ICT機器を使いこなす子どもはどんどん無制限に知識を吸収することができるし、そうでない子ども、知識を吸収するつもりのない子どもは、何も学ばないままになってしまう。どんどん格差がついてしまう。

すべての子どもに、自分で知識を学び取り、他の人とそれについて対話して、より深い学びを得られるようになって欲しい……それが文部科学省の言う『主体的・対話的で深い学び』だ。

新潟市は、早期からこのアクティブラーニングに取り組み成功しているということで、新潟市立大野小学校に取材にうかがった。

最近の授業は、じっと座って先生の話を聞くだけではない

同校は、新潟市の郊外の住宅地、信濃川のふところに位置する創立150周年の歴史を持つ小学校だ。

最初に拝見したのが、5年生の算数の授業。

こちらの課題を考えて、プレゼンテーションするという課題。

『ひとりでじっくり』考えてもいいし、『友達と一緒に』考えてもいいらしい。

子どもたちは、教室の中で自由に動き回って、ある子はひとりで、ある子どもたちは複数人でグループを作って、この課題に取り組んでいる。

我々の若い頃は、賢い子だけが手を挙げて答えて、他の子はただ先生の言うことを聞くだけ……という感じだったが、すべての子どもたちがお互いに議論に参加して、回答を考えているのに驚いた。

その後、指名された子どもたちがプレゼンテーションを始める。

iPadの画面を、教壇に置かれたディスプレイにミラーリングし、プレゼンテーションする。プレゼンの中に、ライブビデオというカタチで自分の姿を投映したら、テレビのニュースのように自分の姿がスライドの前に表示される。子どもたちはちゃんと分かっていて、スライドに自分が表示される部分を設けてある。こうすれば教壇の方に出向く必要もない。

大人にも分かっていない人が多いが、話している本人の姿が映っていると、聞き手は飽きることなくプレゼンを注視し続ける。人が存在して語る、ジェスチャーをしたりするって大事なのだ(スライドだけを表示して長いオンライン会議をする人は、この子どもたちを見習って欲しい)。

『人に説明する』というのは、自分が理解していないとできない。

『説明しよう』とすることで、子どもたちは『主体的に深く』学ぶことができるのだ。

郷土の魅力をロゴで表現する

さて、次は4年生の社会の授業を見学。

ここで使われていたのはフリーボードというアプリ。

iOS16、iPadOS 16、macOS Venturaから搭載されているアップル純正の非常に便利なアプリだが、ご存知だろうか?

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2025年10月27日

※英語版はFreeformと呼ばれる。

簡単にいえば無限に広がるホワイトボードアプリ。写真やテキストを貼り付けたり、手書きしたりできるのだが、iCloud経由で共有もできる。このフリーボードを使って、成果物を共有しているのだ。

課題は、郷土である新潟県の魅力を表現するというもの。

新潟県の市町村のロゴを作って、その市町村の魅力を伝えるのだ。

たとえば、こちらの五泉市。五泉市は村松公園という桜の名所で知られるのだが、それを絵柄で表現している。

こちらは弥彦村。満点の星空に、『日本夜景遺産』『日本百名月』のロゴがあしらわれ、弥彦神社の巨大な大鳥居と、弥彦山が描かれている。見ただけで行ってみたくなるロゴだ。

それぞれに、プレゼンテーションして『おばあちゃんの家がある』とか、『家族で旅行に行った』などと紹介していた。

フリーボードに貼られたそれぞれの作品には、付箋を付けて感想を書き込む仕組み。発表したり意見する時間がなかった子どもたちも、こういう手段でコミュニケーションできる。

「コメントが付かなくて辛い思いをする子どもはいないのか?」と先生に聞いて見たところ、子どもたちにはなるべくそういうことがないように指導しているし、先生もそういうところにコメントするようにしているとのこと。ある意味ネットリテラシー的なものを養う教育になっていると感じた。

制限は少ない方がいい

大野小学校は創立150周年。それを記念して、子どもたちから公募してロゴを作ったり、校門近くにある池に鯉を放したり(新潟は錦鯉の産地でもあり、業者の方に提供してもらったのだそうだ)、池で子どもたちがAR表現を行ったりしたそうだ。

大野小学校150周年式典で見た小学校の驚きのアクティブラーニング
https://note.com/mirapuro/n/ndf203f0e2e61

実際、上手に導けば、子どもたちは大人よりもずっと上手にデジタルデバイスを活用する。可能な限り制限は少ない方がいい。

大野小学校でも端末やアカウントへの制限は最小限にする……という方針だった。

これまで多くの学校を取材してきているが、子どもたち、生徒を信頼して、最低限の制限にしている学校ほど上手くいっているように感じている。大野小学校もその例に漏れない学校だった。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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