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自由を知る人のブラウザ『Vivaldi(ビバルディ)』にiOS版登場!!

「インターネットが始まって以来、我々は常にビッグテックの動向に左右されてきた」と語るのは、Vivaldi(ビバルディ)の共同創業者でCEOであるヨン・フォン・テッツナー(Jon von Tetzchner)さん。

Vivaldiは、そんなビッグテックのくびきから我々を解放するブラウザだ。Vivaldiは『Powerful、Personal、Private』をモットーにしている。つまりは、パワフルで、自分好みにカスタマイズ可能で、プライバシーを守ってくれる。

Vivaldiは広告ビジネスに左右されないので、広告を押し付けようとしないし、多くのウェブサービスと違って我々の行動履歴を取得しようとしない。Vivaldiは社員が株式を持っているので、株主の意向に沿うためにビジネスを不必要に急成長させる必要がない。Vivaldiは検索エンジンとのパートナー契約や、寄付により運営されている。

Google Chromeは便利だが、世界にはVivaldiのようなウェブブラウザも必要なのだ。

アイスランド大使館でのVivaldiの発表会

なんと、発表会会場はアイスランド大使館!

アイスランド大使館で発表会が行われるという事自体、Vivaldiのユニークさを表現している。

Vivaldiを開発したヨン・フォン・テッツナーさんは、おそらく現代の社会について深く考えていらっしゃる。

たとえば、上位1%の人が世界の個人資産の37%を持ち、下位50%の人が2%の資産しか持たないという猛烈な経済格差、GAFAなどビッグテックの寡占、SNSによる極端な情報の流通、エネルギー問題。Vivaldiのスタンスは、そういう問題を少しでも解決しようとしているように感じる。詳しくは以下の記事を読んで感じていただければと思う。

サステナブルな環境下で開発されるVivaldi

アイスランド大使館を会場にしたのは、アイスランドがVivaldiの拠点のひとつであり、共同創業者兼CEOであるヨン・フォン・テッツナーさんの故郷だから。ノルウェーのオスロ、アイスランドのレイキャビク、アメリカのマグノリアの3カ所にオフィスがあり、計25カ国の国籍を持つメンバーが計7カ国から働いているという。多様性を重んじる企業なのだ。

Vivaldi社ウェブサイトより。

最初に挨拶をされたのは、アイスランドのステファン・ホイクル・ヨハネソン大使。

大使は、アイスランドについて説明して下さった。

筆者も知らなかったのだが、メルカトル図法では大きく見えるが、アイスランドは九州と四国を足したぐらいのサイズで、人口はわずか40万人の小さな国なのだそうだ。

冬になると1日のほとんどが夜に閉ざされる厳しい環境ではあるが、暖流のおかげで寒さはさほど厳しくない(北海道と同じぐらいだそうだ)。サステナブルな漁業が営まれており、金融立国。

地熱利用の技術が進んでおり、国の電力の3/4を地熱、1/4を水力から得ており、火力、原子力発電所は一切ない。再生可能エネルギー先進国である。そのため、多くのテック企業がデータセンターを置きたがっているという。

寡占ウェブブラウザに、頼らざるを得ないのは危険

続いてVivaldiの共同創業者兼CEOのヨン・フォン・テッツナーさんが登壇された。

通訳は、同社共同創業者兼COOである冨田龍起さんが務められた。冨田さんは現在カリフォルニア在住なのだという。

ヨン・フォン・テッツナーさんは、ウェブブラウザOperaを開発したオペラ・ソフトウエアの元CEO。

古くはInternet Explorerや、現在のChromeなどブラウザが寡占状態になっているのは良くない。多くの人々にとって世界への窓であるブラウザを特定の企業が掌握するというのは、危険なことだからだ。また、ブラウザビジネスは広告ビジネスの影響を大きく受けやすい。

今、我々はひたすらマーケティングの対象にされ、広告を見続け、履歴を取られ続けることになっている。

対抗軸として、古くはNetscapeや、現在のFirefoxもあるが劣勢だし、常にさまざまなビジネスに翻弄されがちだ。アップルのSafariもあり、彼らは個人情報を大切にしてくれているとは思うが、とはいえアップルとて一企業だし、今後も永遠にアップルがEvilでないかは誰も断言できない。

ちなみに、Vivaldiのマーケットシェアは現在のところ極めて少ないが、Vivaldiユーザーの中で日本人ユーザーは15%を占めるそうで、実は日本はVivaldiにとって非常に重要なマーケットなのだそうだ。

タブスタックや、タブタイリングなど非常に高機能なVivaldi

また、ヨン・フォン・テッツナーさんや、冨田さんが求めるのは、『パワフル』で『カスタマイズ可能』なブラウザなのだそうだ。タブ機能が非常に充実しており、複数タブを取りまとめられる『タブスタック』や、複数タブを同一画面内で開く『タブタイリング』などを利用可能。

ブラウザのデザインや機能など、さまざまな部分をカスタマイズ可能なのが最大の魅力。旧Operaのようなマウスジェスチャーにも対応しているが、レンダリングエンジンにChromiumを使っているので、Google Chrome用の機能拡張も使えるのだそうだ。

また、メーラーや、カレンダーを内包しており、Vivaldi上で多くの仕事をこなすことができる。Vivaldiを手放せないという人がいるのもうなずける。


一方、多くの人は現在の仕事環境に多くの部分を委ねているだろうから、ブラウザ、メーラー、カレンダーを全部引っ越すとなるとかなり大変だ。特定の機能が使えないだけで、自分の仕事のルーチンにフィットしない可能性もあるから、チャレンジしてみるのもリスキー。

かくいう筆者も、半年ほど前からVivaldiをインストールしているが、環境移行が面倒で使えていない。便利そうではあるのだが……。

VivaldiのiOS版開発発表! ベータ版を公開!

そして、今回の発表会の目玉は、iOS版の開発発表である。

アップルの制限的にChromiumベースの開発が難しく、それが開発が遅れた理由。やむなくiOS版はWebKitをベースに開発されたとのことだが、今後、状況が変われば、他のプラットフォーム用と同じくChromiumのレンダリングエンジンを搭載する可能性もあるとのこと。

現在、TestFlightでベータ版が公開されているとのことで、興味ある方は試してみてもいいかもしれない。

ただし、あくまでベータ版なので、動作は補償されないし、大切なデータは扱わないことをお勧めする。

筆者も早速、インストールしてみたが、軽快に動作する。今のところ、Vivaldiのメリットを引き出すほど使いこなしてはいないが……。iPad Proにもインストールしたが、そちらでも動作した。

実際に、おふたりのお話を聞いて、Vivaldiの高い理想と、優れた機能、デザインに感心した。筆者もなんとかして、少しでも使ってみたいと思っている。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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