2ページ目 - いまが買いドキ!? ちょい旧ハーレー調査隊が、今月は「ファットボブ」を調査!

【調査報告③】後期型ダイナをもとに「ファットボブ」が誕生

2006年のモデルチェンジでダイナは走行性能とともにスタイリングが大きく進化した。この変更を受け、2007年モデルを最後に「FXDWGダイナ ワイドグライド」が絶版となり、それと入れ替わるように2008年に登場した新たなファクトリーカスタムが「FXDFダイナ ファットボブ」だ。ショベルヘッド時代のファットボブと名前こそ同じだが、デュアルヘッドライトをはじめ、前後16インチのディッシュホイールにゴツいパターンのタイヤを組み合わせるなど、既存のモデルにはない新しいコンセプトとスタイルで注目を集めた。どちらかといえば「ソフテイル ファミリー」でいうところの「FLSTFファットボーイ」に近いといえる。好みが分かれるところだが、2014年に若干スタイリングが変更されたものの、ダイナファミリーが絶版になる2017年までラインアップされ続けた。現代版モデルのルーツがコレだ。

目指したのはダイナ版のファットボーイ!?

1991年にデビューしたFLSTFファットボーイは、当時はまだ珍しかったディッシュホイールにはじまりショットガンスタイルのマフラー、さらにフレームと外装をシルバー1色で仕上げるなど、伝統的なFLHのシルエットでありながらも、未来的なテイストを違和感なく落とし込んだモデル。ダイナ ファットボブのデザインとどこか通じるものがある。

2008 FXDFダイナ ファットボブ ※写真はアメリカ仕様

【2014~2017 後期型】斬新なリアまわりでさらにモダンな印象に!

テールカウル的なデザインとなったリアフェンダーには、フロントのヘッドライトに合わせてデュアル化したLEDテールランプを装備。これによってファットボブの個性がさらに際立ったといえるだろう。

搭載エンジン【2014~16モデル】ツインカム96(1585㏄)【2017モデル】ツインカム103(1689㏄)

【2008~2013 前期型】ハーレーらしさも残したデザイン

前期型最大の特徴は、ファットボブリアフェンダーを採用している点。これは歴代ファクトリーカスタムモデルに用いられてきた伝統的なデザインであり、これを採用することでハーレーらしいディテールを盛り込んだといえる。

搭載エンジン【2008~13モデル】ツインカム96(1585㏄)

【調査報告④】ダイナ絶版に伴い、新たなシャシーで登場!!

それまでのダイナとソフテイルを統合し、まったく新しいシリーズとして誕生したのが現行型のソフテイルだ。そのため、モデル名こそ踏襲しているものの、エンジンはもちろんフレームも、まったく新しいモデルとして生まれ変わっている。前後16インチホイールにデュアルパーパス風の溝の深いタイヤを装備することで、以前のモデルの雰囲気を引き継ぎつつも、角型のLEDライトや倒立式のフロントフォークなどで、さらにモダンに、そしてスタイリッシュな印象となった。腰高なシートによるスポーティなライディングポジションなど、旧型ソフテイルとも違った乗り味で、外観と操縦性ともに個性的になったといえるだろう。デビュー以降、大きな変更はないが、登場当初に存在した107エンジン仕様は2019年で販売を終了。2020年からは114エンジン仕様のみが販売されている。

2018 ファットボブ

排気量の異なるエンジンを用意

現行型ソフテイルがデビューした2018年、ファットボブには107ciと114ciの2種類のエンジンが用意された。114には楕円形状のハイフローエアクリーナーを装備するなど見た目にも違いが与えられたほか、価格も30万円近く114のほうが高かった。107エンジン仕様は2019年も販売されたが、その年を最後にカタログ落ちしている

107エンジン

排気量:1745㏄
ボア×ストローク:100㎜×111㎜
圧縮比:10.0:1
最大トルク:145Nm/3000rpm

114エンジン

排気量:1868㏄
ボア×ストローク:102㎜×114㎜
圧縮比:10.5:1
最大トルク:155Nm/3500rpm

新設計のソフテイルフレームで走りを一新!!

ユーザーから寄せられたさまざまな要望を実現するべくフレームを新設計。いろいろなスタイルに対応できる懐の深さとパフォーマンスを高める性能を追求し、旧型ソフテイルと比べて剛性は65%も向上。さらに、溶接箇所やパーツ数を減らすことで15~20%の軽量化を実現している。またバンク角も深くなり、操縦性に優れていることも特徴だ。

ソフテイルの特徴でもあるトライアングル形状のスイングアームは主に下側をスリム化して深いバンク角を確保。軽いのでバネ下重量の軽量化にも貢献。

旧型では車体下に2本装備されていたリアショックを1本にしてシート下に配置。重量マスの集中にも貢献し、軽快に操れるようになった。

調査結果

販売期間が7年と短く、新車販売台数も少なかったためタマ数は多くないものの、プレミア価格になっていないことはもちろん、カタログ落ちになってからまだ日の浅い新しいモデルなのでコンディション良好な個体が多く、ビギナーでも安心して購入できる。現在の中古市場では150~280万円の価格帯で推移。200万円前後やそれ以下は少し旧いノーマル車、230万円前後でスピードクルーザー仕様のカスタム、それ以上の価格は、新車同様のコンディションや、新しい年式の個体をベースにカスタムしているケースが多い。

プレミア度:★☆☆☆☆
お買い得度:★★★★☆
審美眼必要度:★☆☆☆☆

(出典/「CLUB HARLEY 2025年12月号」)

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
この記事を書いた人

ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

Pick Up おすすめ記事

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...