大戦モデルって何? 知っておきたいデニムの基礎知識

戦争と非常に深い関わりのあるデニム。例えば第二次世界大戦時にはアメリカの戦況悪化に伴って軍需のための部材確保を目的に、ワークウエアなどの仕様の簡素化がなされた。つまり作りは雑になったわけだが、この数年間だけの特徴的な仕様から希少性が高く人気があるのだ。そんな大戦モデルを早速見ていこう。

通常モデルと大戦モデルの違いとは?

通常モデル

1940年代のPAYDAYのLot.10-910というモデル。ブランドのロゴ入りボタンを使い、バックポケットには当て布があるため、それを縫製した横2本ステッチもしっかり施されている。大戦後の1947年モデル。

大戦モデル

上の通常モデルと同じ品番だが、フラッシャーには「S-10-910」と印字された大戦モデル。ボタンは月桂樹ドーナツ型、ポケットの当て布はなくステッチもなし。サイドのボタン、ラベルtもに1つにされた。1941年モデル。

大戦モデルは時期によって様々な仕様がある!

リーバイスのS501XX。1937年モデルと呼ばれる、赤タブ付きのシンチバックモデルは1941年後半からシンチの廃止、ポケットの飾りステッチの廃止、コインポケットのリベット廃止などを余儀なくされた。

リーバイスのS506XXで、フロントボタン4つ、ポケットフラップの廃止がなされたモデル。これはボタンも月桂樹のドーナツ型だが、時期によってはリーバイスのロゴ入りが使われているものも存在する。

Carharttの大戦モデルのカバーオール。チンストラップが廃止され、胸2つ、裾2つの計4つポケットを2つに変更。一般的には裾2つポケットになるが、稀に胸1つ、裾1つのガチャ仕様が存在。これはLeeも同様。

Leeを代表するカバーオール「91-J」の大戦モデル「S91-J」で、胸ポケット2つを廃止し、裾ポケットのみ残した1着。もちろん当て布はなく2本ステッチも入らない。胸のラベルもなく、カフスも1つボタンだ。

Leeの代表モデル「91-J」の大戦モデル「S91-J」。ポケットは4つあるが、右胸のフラップ廃止、フロント4つボタン、カフス1つボタン、胸ラベル廃止、トリプルステッチはダブルステッチに変更と大戦仕様だ。

※ここで紹介する古着はLightning Archives『VINTAGE WORKWEAR』、別冊Lightning『ヴィンテージデニムの教科書』からの出典。

(記事出典/「Lightning 2024年6月号 Vol.362」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
この記事を書いた人

ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

FINE CREEKを世界でいちばん熱く語る男。

  • 2026.10.07

この男恐るべし、である。北海道・帯広にあるセレクトショップ、...Dannyオーナー、河合裕介さん。彼のセレクトスタイルは一貫している。自分の愛せるものしか、ショップに置かないのだ。「売れるモノ」をセレクトするのではなく、「自分の売りたいモノ」のみを並べる。この時代にあって、その姿勢はまさに「愚直」...

「Wrangler(ラングラー)」の名作、スタッズを纏う。レザーラバー垂涎スウェードモデルも登場!

  • 2026.10.19

ワークウエアとしての機能だけでなく、ファッション的視点を取り入れることで独自の立ち位置を築いてきた3大ブランドのひとつでありデニム界の異端児・Wrangler。そんな彼らの受け継がれし不朽の名作に“スタッズ”が施された特別モデルが登場した。 “スタッズ”で作るネオ・ウエスタンスタイル ラングラーとい...

武骨な男服に効かす超繊細なメタルフレーム。「ディグナクラシック」の新作に注目

  • 2026.10.09

フライトジャケットやデニムなどの武骨な服に合うメガネで王道として挙がるのはプラフレームの場合が多い。だが、そんな武骨さのなかに繊細さを潜ませギャップを楽しむという意味ではメタルフレームも有用だ。 細かな彫金が施されたディグナクラシックの新作 今季展開されるメタルの新作は計6型で、それぞれにシルバーと...

55周年を迎えた「MOTO」。周年を祝うスペシャルなレザー&シルバープロダクツを紹介

  • 2026.10.11

レザーやシルバーを駆使した製品を手がけるMOTO。1971年の創業より半世紀を超えて55年。ここでは、周年を祝うスペシャルプロダクツを紹介する。MOTOや本池秀夫さんが纏う唯一無二の世界観にも注目だ。(写真は「本池美術館」の隣にあるアトリエにて。周年限定のライダースジャケットにコンチョを装着する本池...

Pick Up おすすめ記事

「Wrangler(ラングラー)」の名作、スタッズを纏う。レザーラバー垂涎スウェードモデルも登場!

  • 2026.10.19

ワークウエアとしての機能だけでなく、ファッション的視点を取り入れることで独自の立ち位置を築いてきた3大ブランドのひとつでありデニム界の異端児・Wrangler。そんな彼らの受け継がれし不朽の名作に“スタッズ”が施された特別モデルが登場した。 “スタッズ”で作るネオ・ウエスタンスタイル ラングラーとい...

ネイティブアメリカンの美しき手仕事。伝統を守りながらもモダンな表現を得意とする現代作家を紹介!

  • 2026.10.08

ネイティブアメリカンのヴィンテージや工芸品を通して、彼らのカルチャーを伝えるCORNERS。今回は伝統的な手法を守りながらも、モダンな表現を得意とする現代作家をピックアップ。もの作りが乏しくなった今の米国だからこそ、余計に強く輝いているのだ。 Pamela Brown 1868年から続くナバホ族の織...

武骨な男服に効かす超繊細なメタルフレーム。「ディグナクラシック」の新作に注目

  • 2026.10.09

フライトジャケットやデニムなどの武骨な服に合うメガネで王道として挙がるのはプラフレームの場合が多い。だが、そんな武骨さのなかに繊細さを潜ませギャップを楽しむという意味ではメタルフレームも有用だ。 細かな彫金が施されたディグナクラシックの新作 今季展開されるメタルの新作は計6型で、それぞれにシルバーと...

55周年を迎えた「MOTO」。周年を祝うスペシャルなレザー&シルバープロダクツを紹介

  • 2026.10.11

レザーやシルバーを駆使した製品を手がけるMOTO。1971年の創業より半世紀を超えて55年。ここでは、周年を祝うスペシャルプロダクツを紹介する。MOTOや本池秀夫さんが纏う唯一無二の世界観にも注目だ。(写真は「本池美術館」の隣にあるアトリエにて。周年限定のライダースジャケットにコンチョを装着する本池...

世界中で探し求める最上の素材。「THE FAT HATTER」秋冬コレクションをクローズアップ!

  • 2026.10.07

日本が世界に誇るハッターであるTHE FAT HATTERの秋冬コレクションをクローズアップ。今回のシューティングでは、それぞれの正義や美学をぶつけ合う場に向かう男たちを表現。彼らの強い決意と威厳を表現したような力強いハットが、精悍な雰囲気を醸し出している。ハットの良し悪しを大きく左右するフェルトは...