4ドアにRBを搭載した、「羊の皮を被った狼」。

羊の皮を被った狼──。あまりに有名なスカイラインGTのコンセプト。このコンセプトを現代的に解釈したのが、ロッキーオートが手掛けた4ドアのスカイラン。見た目からは想像できないパフォーマンスをもつこの一台を余すところなく紹介していこう。

現代的解釈で蘇った「羊の皮を被った狼」。

リアフェンダーをGT-R仕様にし、テールはこの年のみの通称「45テール」を装着。ちなみにGT-Rにも備わるガーニッシュはあえて外してシンプルに。マフラーは定番ともいえる50mmのデュアル出しを採用

ハコスカのパワーアップ手法としてすっかりポピュラーとなったRBスワップだが、数多くのRBスワップを経験してきたロッキーオート渡辺氏がもっとも楽しい仕様とオススメするのがNA仕様のRB252.8リッター化した通称「RB28」と呼ばれる仕様だ。

エンジンの制御は純正のままでもよいが、今回のように6連スロットルでスポーツインジェクション化するのもいいし、キャブレターを装着する方法もある。いずれにせよ、多連スロットル化することで、L型のフィーリングをそのまま進化させたようなパワーフィールを手に入れることができ、L型を搭載したスカイ ラインの「らしさ」をどこかに感じることができるからだ。

2ドアハードトップよりもホイールベースが長く、4気筒モデルよりもボンネットが長い4ドアのGTは全長もかなり長い。ホイールベースは2620mmと現代のミドルセダン並みの数値となる

ここに紹介するのは、ハコスカの中でもあえて4ドアのGTをベースにRBスワップを敢行。まさにスカイラインGT誕生のコンセプトである「羊の皮を被った狼」を現代的解釈によって、さらなるアップデートを施した一台だ。

ボディは’70年式の2000GTをベースに、リアフェンダーをR仕様にしていた個体。テールはこの年のみとなる通称「45テール」だが、フロント周りは3分割が特徴の通称「44グリル」をあえてチョイスしたいいとこ取り仕様。さらに前後ともにGTRエンブレムが備わらない独特のスタイルとなっている。

本来’70年式、つまりS45年式だが、フロントグリルは3分割グリルが特徴的な通称44グリルを装着している

搭載されるエンジンは、RB2.8リッターで、これにRB6連スロットルを装着したスポーツインジェクション仕様。エンジン制御はFcon V Proで行なっている。これをRB搭載のスカイラインに使用されているC5速マニュアルを組み合わせることで、300馬力近いパワーを発生するエンジンを気兼ねなくマニュアルで楽しめる一台となっている。

ちなみにこの頃のL型の最高出力は115馬力、GTRですら1 60馬力であることを考えると、この数値はエンジンスワップ以外で達成することは不可能。快適に、かつ誰にでも乗りやすいパワフルな狼となっている。

ホイールはブロンズカラーにペイントした14インチのワタナベの8スポーク。フロントにはスミトモのMK63キャリパーを装着する

1970 SKYLINE 2000GT with RB25|今では定番ともいえる、RBエンジンへの載せ替え。

RB25をベースに2.8リッターまで 排気量をアップした通称RB28ユニット。6連スロットルを装着したスポーツインジェクション仕様。

ラジエターはHPI製の大容量アルミ製で、大型電動ファンを二基搭載する。

美しいカーブを描くタコ足はステンレス製で等長の手曲げ管。排気管は50mmのデュアルマフラー。

ファンネルを装着した6連スロットルはRB26用。純正を流用するとこで信頼性の高いユニットとなっている。

3本スポークのブラックステアリングは、小径だが油圧パワステ化されており非常に軽快。5速マニュアルのシフトレバーはノーマルと同じ位置に収まっている。

シートは4ドアGT系の純正ローバックタイプ。トランスミッションはスカイライン用の日産71C5速マニュアルを移植している。シフトレバーはR32スカイライン用を使用している。

フロントはピロアッパー付きのフルタップ車高調を装着。適度にロワードされ、乗り心地もいい。

バッテリーはエンジンルームからリアのトランクに移設。その後ろにはインジェクション用に追加されたアウトタンク燃料ポンプなのだ。

ガソリンタンクはサビの心配がないステンレス製の大容量タイプ。固定用ストラップもステンレス製となる。

SPEC
エンジン:RB25型改 排気量:2800cc トランスミッション:5速マニュアル サスペンション:フルタップ車高調 ホイール:ワタナベ8スポーク タイヤ:(F)185/60-14(R) 205/60-14

DATA
ロッキーオート
444-0003 愛知県岡崎市小美町字殿街道153
TEL0564-66-5488(商談予約・問い合わせ)
営業時間:10:0019:00

※情報は取材当時のものです。

(出典/別冊Lightning Vol.231VINTAGE AUTO 快適旧車のススメ。」

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

Pick Up おすすめ記事

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...