横浜は産業貿易センターに集まったアメリカのお宝たちを掘ってきた。

アメリカンアンティークの祭典であるジャンクショーが横浜にある産業貿易センターで開催された。ジャンクといっても「ゴミ」ではなく、ある人にとってはゴミだけど、ある人に取っては「お宝」という意味。いつしか使われなくなったり、必要が無くなったりしたものでも、巡り巡れば誰かのお宝になるというのがアメリカンアンティークの世界。そんな世界をたっぷりと楽しめるのがジャンクショーなのである。今回もそんなアメリカンカルチャーの断片を探しに多くの人が集まった。

ディグる(掘る)楽しさがある「好き者たち」の祭典。

販促用に使われていたいわゆるアドバタイジンググッズだったり、かつてアメリカで普通に使われていた日用品まで、アンティークの世界は多種多様。もちろん古着もあれば、世の中に販売されなかったレアモノが巡り巡って売り物になっていたりと神出鬼没。

多くのアンティークディーラーが「こんなのあるよ」と持ち寄った会場内は、オールドアメリカンカルチャーから和骨董、それにヨーロッパの蚤の市を感じる空間に。

今回は会場の様子だけでなく、現地で見つけたお宝をピックアップ。アンティークの世界の奥深さを知っていただく。

次回は2024年4月6日、7日の予定。入場料はたったの1000円。気になるひとは次回開催を心待ちにしていただきたい。

オープン前にはエントランスに行列ができるほど。日本中のアンティーク愛好家(とくにアメリカ系が大好きな人たち)が集まる。お目当てのアイテムは人それぞれ。こういうイベントは早起きは三文の得なのである
アメリカの公道にある一時停止の看板。こういう公共機関のアイテムが日本に行き着くというストーリーだけでもおもしろい。ガレージインテリアとしては鉄板アイテム(実際に鉄板でできてます)である。1万4000円
目がチカチカしてしまうくらい圧倒的な物量の中からお気に入りを探すのは根性も必要。一期一会の出会いを求めて多くの人が会場内を何周も歩き回る。大好きなモノをたっぷりと見て回れる楽しい時間。来場者のファッションも気になるところ
インダストリアル、あるいは男前インテリアと呼ばれるアンティークもちらほら。ただのアメリカの古道具も所変わればお宝になる。使い込まれた風合いがカッコいいのだ
何てことないプリントTシャツもアメリカ人のセンスになぜか惹かれる。アンティークといっても雑貨だけでなく、古着にもたくさん出会うことができる。2000円

で、当日見つけた目からウロコのお宝たち(いわゆる珍品、高額品)。

ジャンクといっても1000円でおつりがくるモノから、ン10万円のレアモノまであるのがジャンクショーのおもしろさ。初心者からコアなファンまで楽しめるのも魅力。今回は会場で見かけたその筋の「お宝」を調査。いわゆるコレクター垂涎ってヤツをチェックしてみる。

テキサス州ヒューストンのNASAの施設に飾られていたというスヌーピーのトロフィ。当時スヌーピーはアメリカの宇宙開発のキャラクターとして活躍していた。これは相当なレアモノで29万円
アメリカの歴史あるナッツメーカーのキャラクターであるミスター・ピーナッツの着ぐるみは当時の販促用に作られたモノ。かぶって手足を出せばミスター・ピーナッツになれるという代物。パーティグッズとして使うのはもったいないほどの逸品だが、これを置くには大きな家が必要だね。29万円
『アルビン&チップマンクス』(日本ではアルビン、シマリス3兄弟)に登場するサイモンの巨大な人形。どこかの施設か劇場に置かれていたものだろうか。好コンディションで29万円。これを日本に運んできただけでも褒めたい
スウェーデンの計算機やタイプライターなどのメーカーFACIT(ファシット)のアドバタイジング用のフィギュア。1960年代ごろのアイテムで、探してる人は喉から手が出るほどのレアモノ。7万円だけど店主は相当安いよと太鼓判。アメリカンアンティークだけでなくヨーロッパモノや和骨董もあるので、旧いモノが好きな人は訪れてみる価値あり
アメリカのマクドナルドのプライグラウンド(キッズの遊べるコーナー)に設置されていたキャラたちは各39万円。もはや清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要な価値になっている。いつかは手に入れたいというコレクターも多い逸品
泣く子も黙るリーバイス506XX(通称ファースト)のオリジナル。ファーストのなかでも後期モデルである。古着店ではショーケースの中に飾られているアイテムもその目で確認できて試着も可能なのがジャンクショーらしさ。残念ながら価格はASK。ちなみに筆者は価格を聞きましたけど
ローンスターステートとハンドペイントされていることからテキサス州の劇場で使われていたことが想像できるシアターチェア。2連タイプなので家庭でも使えそう。おそらく’30~’40年代のプロダクツ。13万8000円
スロットカーを収納するためのボックスは手作り感満載で雰囲気あり。当時のホビーショップのオリジナルアイテムらしく、前使用者がモーター系のステッカーチューンしているところにストーリーを感じる。’60年代ごろのアイテムだと推測される。3万8000円

【DATA】
Super Junk Show Yokohama
SACA TEL045-681-5856
http://www.toyshow.co.jp

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...