U.S.ARMY M-65 BLACK DYED
最近、俺の中で「軍パン熱」が爆発している。もともと軍パンは好きで、タイガーカモやODのカーゴパンツをよく穿くのだが、ここへ来て一気に熱病に侵され、急激なペースで増え続けている。
理由はすごくシンプルで「福岡のワイパーの通販サイトで会員になったから」。『モヒカン小川のレザーチャンネル』で福岡のワイパーの店舗を訪れた際、その在庫のラインナップに感動して、せっせと通販で買い漁っているというわけ。
その昔、大学生の頃は、夏になればそれこそ毎日軍パンで過ごしていた。ODは言うに及ばず、タイガーカモやリーフパターン、ダックハンターカモなど迷彩柄も好んで穿いていた。中でもウッドランドは大好きで、数本持っていた……が、時は過ぎ50代の中年になった今、なぜかウッドランドを“恥ずかしく”思うようになってしまった。
もちろんウッドランドパターンには何の罪もない。そう、俺が変わってしまったのだ。俺の中でウッドランドは、いわば「カモの代名詞」。若い時分をともに過ごした同志的な存在でもある。そんな“直球ど真ん中”の迷彩柄を穿くことに最近抵抗があるのよね……あまりに直球過ぎて、逆に野暮なんじゃね? とさえ思う(これ、いろいろ穿いてきた中年男が一周回って思うことなので誤解しないように。ウッドランドは決して悪くないですよ。俺、いまでも大好きですから)。
ちなみに「野暮」の対義語は「粋」である。で、見つけちゃったんです、粋なウッドランドを。それがM‒65を黒く染め上げたこちらのモデルで、ベースはなんと実物のデッドストック。もちろんワイパーの通販で購入した。黒の下からうっすらと見えるウッドランドが、なんとも粋でしょ?
茶芯ならぬ「ウッドランド芯」なので、穿き込んでいくうちに黒が落ち、ウッドランドが徐々にはっきりと出現してくるはず。これはいい買い物をした。まさに「一周回ってしまった中年男のためのウッドランド」。野暮と粋は、表裏一体なのである。
(出典/「Lightning 2023年7月号 Vol.351」)
Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
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