【東京横丁酒場ガイド】なだ一(渋谷)|屋台時代から約70年、人間愛あふれる横丁酒場。

”せんべろ”や”ハシゴ酒”、”ネオ大衆酒場”などが昭和時代を知らない若者の間で流行っている今、「安くて旨い」横丁酒場が人気を集めている。歴史の長い横丁酒場には必ずある「物語」は料理と酒、その日をより楽しいものにしてくれる。流行の中心地に突如レトロな雰囲気を醸すのんべい横丁に店を構える「なだ一」は、ここでしか味わえない出会いが待っている。

門外不出の出汁でおでんと出汁割りが絶品。

のんべい横丁の一番奥に店を構える。少し開けている入口から、おでんの香りがただよってくる

今や外国人観光客も押し寄せる、レトロなのんべい横丁にあって、新旧が上手くない交ぜになった店だ。屋台時代から数えれば創業70年近いが、先代女将の富永千登勢さんは、20代から店を手伝い始め、その朗らかな性格も手伝い、若い女性客をも惹き付けてきた。古い常連と彼らも自然に馴染んでいた。

ところが、6年前の11月に千登勢さんは癌で逝去。跡を継いだのが甥っ子で、4代目の渡邊秀さんだ。以前から店を手伝っては、門外不出のおでんの出汁の取り方も伝授されてはきたが、今なお受け継がれた味を守るため、修業の日々を過ごしている。

味を盗みに通い詰めた客もいた、そのつゆは関東風ではない淡口醬油仕立て。昆布の甘みがしっかり感じられ、こいつで割って飲む酒や焼酎がまた絶品なのである。

宮大工が手がけたという情緒溢れる店内は、ほとんど店舗を構えた頃のまま。コの字カウンターに詰めれば10人入るかという店だが、場の一体感がうまれ、お客さん同士の会話もはずむ
男前でさっぱりした気性の渡邊さんは、この界隈のお店では最若手。若者や外国人も気軽に彼のもとを訪れている

「なだ一」の鉄板メニューがこちら!

なだ一の主役はやはりおでん。しかしそれだけではなく、向かいで叔父が経営するまぐろ処から、新鮮な刺身が注文できるのもウリだ。

【DATA】
なだ一
東京都渋谷区渋谷1-25-10
TEL03-3409-8773
営業/18時~24時
休み/日曜・祝日

※値段など情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.209「TOKYOノスタルジック横丁」)

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