ライ麦を主原料とした軽やかなウイスキー。
カナディアンウイスキーは、世界五大ウイスキー産地の中でも、最もライトなウイスキー。一般的な製法はライ麦主体のフレーバリングウイスキーとトウロコシ主体のベースウイスキーを造り、2つをブレンドするというもの。蒸溜所によっては、3回蒸留でホワイトオーク樽で熟成させるアイリッシュ方式を用いているところもあるようだ。
カナディアンウイスキーの蒸溜所は、他の五大ウイスキー産地と比べると数が少なく印象が薄い。しかし、アメリカの禁酒法は、そんなカナダウイスキー業者にとっては、チャンスだった。カナダ政府が輸出を禁止しなかったため、あらゆる手段を使ってアメリカに輸出していたという。結果、アメリカ東部で大人気となる。
カナディアンウイスキーの特徴は、何といっても軽くてスッキリとした味わい。食事のときに飲んでも料理の味を邪魔せず、すっきりとした後味を味わえる。カクテルのベースに欠かせない存在でもある。スコッチやジャパニーズウイスキーとはまた違った飲み方を楽しめるウイスキーだ。
カナダの主要蒸溜所とは?
カナディアンウイスキーが造られはじめたのは17~18世紀。1776年にアメリカが独立宣言をし、アメリカ東部に住んでいたイギリス系住民が独立を嫌がって、国境を越えて五大湖周辺に移住。そこで穀物を栽培。大規模な商用製粉所が発展し、ウイスキーの蒸溜へと繋がっていったそうだ。主な蒸溜所は、五大湖周辺を中心に点在しているところが多い。
アルバータ蒸溜所
北米で最大規模のライウイスキー蒸溜所。ライ麦100%はカナダでも希少で“カナダの至宝”ともいわている。
ギムリ蒸溜所
カナダの一大酒造メーカー「シーグラム社」によってギムリに建設されたが衰退。クラウンローヤルが有名。
カナディアンクラブ蒸溜所
カナディアンウイスキーの中で最も知名度が高い銘柄。すっきりした味わいで飲みやすく世界中にファンがいる。
キトリング・リッジ蒸溜所
フォーティークリークを開発した蒸溜所で“カナディアンウイスキーの革命児” と呼ばれている。
カナディアンウイスキーは カクテルに最適!
軽やかでソフトな味わいのカナディアンウイスキーは、カクテルのベースとして使われることが多い。1880年代には、アメリカ東部の人々の間で人気を博したカナディアンウイスキーを使った「ニューヨーク」など楽しみたい。
Illustration/H.Yoshimoto 吉本穂花
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