軍用ヴィークルでキャンプ&アウトドアへ。

ミリタリー好きならば、クルマ選びにもこだわりたい。ミッションによっては道なき道を進み、多くの物資や兵士を載せる軍用車。その機能美溢れる作りを、現代で活かせるのが、アウトドアフィールドである。軍用車で、センスよく外遊びするアウトドアのプロフェッショナルをクローズアップした。

「mountain mountain factory」オーナー・山口慎也さん|ヴィンテージのバイヤーやクルマ関連の仕事を経て、2017年に名古屋でマウンテン・マウンテン・ファクトリーを設立。M16のまとめ役でもある

アメリカにもファンが多い希少な名車、ピンツガウアー。

1975 PUCH PINZGAUER

軍用車だけど、どこかファニーなフェイスデザインと西海岸ライクなカラーリングが光る個性的な1台。日本国内では片手で数えるくらいしか存在しない希少車に乗るのは、名古屋の人気アウトドアショップであるマウンテン・マウンテン・ファクトリーのオーナーである山口さん。このクルマで全国各地のイベントやキャンプに自走で参加するなど、日常の足として使っているというから驚きだ。

「このピンツガウアーは、オーストリアのシュタイアダイムラープフが製造していた軍用車なんです。この企業は、メルセデス・ベンツとともにゲレンデヴァーゲンを開発したことでも有名です。ピンツガウアーは、4輪モデルの710と6輪モデルの712があるのですが、前者に当たります。

上部が幌になったソフトトップはまだ見るのですが、このハードトップの仕様はかなり珍しいんですよ。また軍用車なので、走破性は抜群ですし、ホイールベースが国産車よりも短いので、取り回しもかなり楽なんです。戦地で壊れても自身で直せるように、かなりシンプルな設計なのでメインテナンス性も高くて、かなり故障が少ないのも魅力です。

実はアメリカにのピンツガウアーファンがたくさんいて、アフターパーツも充実しているんですよ。希少性や見た目だけでなく、実用性もしっかりと兼ね備えているのが、ピンツガウアーの魅力だと思います」

ヴィンテージのモトクロスバイクを積むために、後部にはキャリアを装備している
幼少期からオフロードレースに参加しており、今も趣味として続けているそうだ

すべてのデザインに機能美が宿る。

丸目でなんともファニーなフェイスデザインであるが、オリジナルは軍用車のためオリーブカラー。それを前オーナーがオールペイントして、ホワイト×イエローのツートーンに。前後には、この軍用車を所有しているスイスアーミーのプレートが付く。

軍用車らしいヘビーデューティなインパネ周りが実に男臭い。鉄のダッシュボードに、コックピットのような計器類のレイアウトが男心をくすぐってくれる。

なんと車内に搭載しているバッテリーカバーには、ロレックスの軍用時計であるコマンドーが装着されている。その審美眼もお見事。

名作フィールドギアが揃う名古屋の人気アウトドアショップ。

日本の実力派ガレージブランドが集まったM16のまとめ役でもある山口さんのセレクトが人気。トレンドを追いすぎず、いつの時代も愛される名作が多く揃い、お宝探しをするような感覚で楽しめるのだ。

【DATA】
mountain mountain factory
愛知県名古屋市昭和区白金2-14-5
TEL052-881-1006
営業/12:00〜20:00(月・火・水・金)/ 10:00〜19:00(土・日)
休み/木曜
https://mmf.tools/
Instagram:@mmf_tools/

(出典/「Lightning2023年7月号 Vol.351」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...