オーナーの菊地さんは現在ヴィンテージ生地の買い付けに夢中!!
ファッションとして我々が愛用している帽子は、欧米が発祥のものがほとんど。つまり洋服の文化の中で生まれたものである。そのため、帽子のカタチは一緒でも、実は作る工程や縫製仕様などに日本製のものと欧米製のものでは細かな違いが存在するという。
そんな細かいディテールまでも追及し、欧米の老舗ブランドが作った、昔ながらの帽子作りにこだわり続けるファットハッターが、新たなプロジェクトをスタートさせた。それが『FACTORY&CO.』というレーベルだ。
これは、入手困難なヴィンテージ生地、時にはヴィンテージのウエアやストールなどを解体して生地にし、それを自社アトリエにて職人が裁断から縫製まですべての工程を行って帽子に仕上げるという、画期的なプロジェクト。菊地さん曰く、海外でこのような取り組みをしているブランドは稀に存在するというが、日本で帽子ブランドが手掛けるのは初の試みになるそう。
デッドストック生地を使ったレギュラー企画は、生地選びからオーダー可能だが、希少性の高いヴィンテージウエアなどを解体した生地を使うスペシャル企画は、オーダー不可で生地を見つけては不定期に数量限定でリリースする予定。ダニー・ハサウェイに由来する”ヒルビリー”と名付けたキャスケットを軸に展開する。一点モノとしての価値も高く、目が離せない存在になるはずだ。
熟練の職人がすべての工程を自社アトリエでひとりで行うため生産数は超限定!
こちらは希少なブルキナファソのモシ族のインディゴ染めストールを使ったキャスケットを制作中。8枚のパーツを接いでクラウンに仕上げていく工程の一葉。
あまりに希少な生地のため、無駄の内容に丁寧にパターン取りして裁断。それをひとつずつミシンで縫製していくのだ。
キャスケットのツバに入れる芯材もアトリエでハンドメイドするこだわりよう。見えない部分も抜かりなく追及するのがファットハッターの流儀。
「スベリ」と呼ばれる帽子の被り口の裏部分のレザーを、欧米式の” Iステッチ”で縫製している一葉。この縫製をできるのは、日本ではファットハッターだけ。
こうして出来上がった、「FACTORY & CO.」のヴィンテージのように一点モノとしての価値もある逸品。
“ヒルビリー” と名付けられたこのキャスケットが、FACTORY & CO.のアイコン的な存在だ。ブルキナファソのインディゴ染めストールのような希少価値の高いヴィンテージ生地を使ったスペシャル企画は4万6200円、デッドストックの反物を使ったレギュラー企画は、生地選びからオーダー可能で2万4000 ~ 3万円で展開。
ダニー・ハサウェイを彷彿とさせる大きめのクラウンが特徴的なキャスケット、HILL BILLY。
スベリ部分はレザーを使用。モデル名やブランド名などが奢られている。
実はツバとクラウンのフロント中央にスナップボタンが隠れている。4つ割れのヴィンテージ仕様でエイジング加工済みで、ヴィンテージ生地との風合いも抜群。
バックサイドには、FACTORY & CO. のドッグタグが付く。この縫製を外すとキーホルダーのようにも使うことができる。こちらもエイジング加工済み。
【問い合わせ】
THE FAT HATTER
TEL03-6450-6506
https://thefathatter.com/shop/
(出典/「Lightning 2023年5月号 Vol.349」)
Text/T.Miura 三浦正行 Photo/N.Hidaka 日高奈々子
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