年月と共に“付加価値”を高めた古着って何? いま注目すべき新ヴィンテージ。【前編】

’80年代〜’90年代のファッションウエアが、時が流れて価値を持ち始めている。当時人気のヴィンテージウエアが、時代と共に枯渇化してさらに価値を高めていることも。そんな、注目すべきある種の懐かしさも感じさせる、“付加価値” が高まった次なる新しいヴィンテージ。ここではTシャツやジャケットなどのファッションアイテムを中心に一挙にお見せする。

1.懐かしのTシャツ

「あー、当時そんなのあったよね♪」と思った読者諸兄姉、いい意味で年齢をだいぶ重ねているとお見受けする(笑)。若かりし頃に何気なく着ていたTシャツが、やっぱり時代を経て価格が高騰しているのだ。そんなわけで既存のヴィンテージTシャツとは若干異なる趣が魅力の、懐かしのTシャツを集めてみました!

’80年代のNIKE製。懐かしさを感じるジョーダン×スパイク・リーのグラフィックTはジョーダン3発売時の企画モノ。2万5190円(ベターTEL03-6450-8399)

1988 年のマイケル・ジャクソン“BAD TOUR “時の1枚。1万5400円(ミスタークリーン TEL090-2206-1755)

トイストーリーT。2万2000円(ステップアヘッド原宿2 TEL03-6427-5150)

2.オールドGAP

一昔前なら、レギュラー古着と呼ばれあまり価値を持たなかったアメリカの大手衣料品チェーンストアブランドであるギャップ。しかし数年前から’90年代製の正方形ネイビーネームが付くのギャプが多くのユーズドショップで扱われ始めた。昨今の古着市場におけるヴィンテージカテゴリーのなかで、“ ’90年代” が主軸になってきた現状では、そのプライスも高騰しているのだとか。これぞニューヴィンテージというべきアイテムだ。

(左上)モックネック×ハーフジップのプルオーバースウェット。’90年代らしいデザインである。7480円(ピグスティ 原宿店 TEL03-6438-9969)(右上)ロングスリーブのコットンポロシャツ。今の時流にマッチするビッグシルエットは’90年代の特徴だ。8690円(バド TEL03-3401-7246)(左中)左袖にマリンテイストなグラフィックをデザインした’90年代製ナイロンアノラック。1万4080円(グレース TEL03-6416-3457)(右中)’90年代らしいボーダーデザインを落とし込んだプルオーバージャケット。フードは襟に収納可能。1万7380円(セーラーズ TEL03-5306-6887)(下)コットンニットのカーディガン。ブラックウォッチ柄は、’90年代でも2023年の今でも人気の柄。1万790円(ベター TEL03-6450-8399)

3.オールドBANANA REPUBLIC

ここ最近、ハンティング系などの落ち着いたカラーリングのアウトドアアイテムがファッションシーンで人気を集めており、その影響で再注目されているのが’80〜’90年代製のバナナ・リパブリック。中でもその当時のサファリスタイルは、昭和世代には懐かしく映るシロモノだ。

(左上)フライトジャケットのA-2タイプのレザージャケット。アンティークレザーのような表情も’80年代らしいアイテムの特徴だ。2万1990円(ボストック TEL03-3470-2221)(右上)レモンクリームのようなカラーリングのハンティングジャケット。襟がレザーで切り返されている。’80年代の香港製。1万4190円(デザートスノー 千葉TEL043-225-9600)(左下)右肩部分にガンパッチがデザインされ、ハンティング要素をミックスしたサファリジャケット。7700円(サントラップ TEL03-5378-3260)(右下)’80年代の香港製フィッシングベスト。別名カメラマンベストと呼ばれ、ジャーナリストなどが愛用していた名作。デッドストック。9900円(ダメージドーン TEL042-725-9946)

4.FFA(通称農協ジャケット)

’80年代末〜’90年代初頭にかけてトレンドとなったヴィンテージブーム。その当時でも人気を集めていたのが青いコーデュロイ生地のFFA ジャケット(アメリカの農業を学ぶ学生たちの連盟)、通称農協ジャケットだが、昨今の若者たちからも再注目を集めている。ちなみに背中の刺繍がイケてる州名と地域名だと、そのプライスも高騰するのだとか。

1928年設立の米農業学校クラブ連盟のユニフォームであるFFAジャケット。現在でも流通するジャケットである。旧い物は米国製だが、近年物は国外生産物(これはベトナム製)となる。1万780円(ピグスティ 原宿店 TEL03-6438-9969)

5.ペーパージャケット

米国のグランジロックバンドであるニルヴァーナの故カート・コバーンが着用していた地図柄ペーパージャケット。その影響で古着市場で人気を集めたアイテムだ。様々な柄があるアイテムだが、古着店へ行けばたくさんありそう? なんて思っていたのはいつの事か。今では探すと意外ともう見つからないのだ。

(左上)ペーパージャケとは豊富な柄が出回っているのが魅力。こちらは気球柄。6380円(アネーム TEL03-3311-6995)(右上)1930年に米パラマウント映画にて銀幕デビューを飾ったベティ・ブープ。彼女がモンロースカートを穿いた姿が総柄でデザインされる。’90年代製。5390円(ハリーアップ TEL03-5378-8525)(左中)一番人気の地図柄。1万4080円(コモン TEL04-7166-5433)(右中)まるでレザートランクに貼られた旅先のステッカーのような総柄。6490円(ハリーアップ TEL03-5378-8525)(左下)キャットフードブランド「アイムス」の総柄。4290円(ハリーアップ TEL03-5378-8525)(右下)この馬模様のように動物の総柄も多い。9790円(スリフティー コーヒー TEL03-5432-9146)

6.ヴィンテージ“セサミ”

’80年代の古着ブーム期からすでに人気だった“黒シャン” と“セサミスウェット”。そして2000年代に入ってから一大ブームとなって価格高騰したブラウンズビーチ。どれも「セサミ」や「ゴマシオ」なんてあだ名で呼ばれていたルックスが近いアイテムたち。これらのアイテムはヴィンテージ古着店で最近とんと見かけなくなってきた。

(左上)2000年代初頭に古着シーンにて一大ブームを巻き起こしたブラウンズビーチ。これは’50年代製のベスト。8万3380円(コモン TEL04-7166-5433)(右上)セサミやゴマシオのあだ名で呼ばれていた、’50年代製のVネックスウェットカーディガン。今ではめっきり見かけなくなってきた。6万5780円(コモンTEL04-7166-5433)(左下)ヴィンテージブームの頃、ブラックシャンブレー。奇跡のヘラクレス製’40年代デッドストック。10万7800円(ジャム TEL042-723-8284)(中下)襟付きのスウェットカーディガン。ストアブランドのペニーズ製で’50年代のデッドストック。23万9990円(スパイク TEL03-6407-0123)(右下)銘柄不明ながら’40年代製の黒杢パンツ。デッドストック。10万7800円(ジャム TEL042-723-8284)

7.ピーターマックス

’60年代から’70年代にかけて活躍したポップなイコノグラフィ(図像)で知られる美術家がピーターマックス。’90年代の古着ブームの頃は、ピーターマックスのグッズで彩られたお店が結構あったけど、今では稀だ。この迸るサイケデリックなテイストは、やっぱり今見てもグッとくる。特にラングラーとのコラボ物は年々少なくなってきている。

(左上)’70年代製のWrangler×PeterMaxのクレイジーパターンパンツ。当時のコラボ物は年々数が少なくなってきておりその価値が高まっている。3万9000円(デザートスノー ガーデン店 TEL03-5761-6390)(右上)こちらも’70年代製のWrangler×PeterMaxのCPOシャツ。肉厚なウール生地と独特な配色で人気が高い。3万6190円(ジャンピン ジャップ フラッシュ TEL03-5724-7170)(左下)’70年代の7upの店頭用ステッカー。ピーターマックスによるデザインで看板なんかもある。6500円(サウンズグッド TEL03-5433-3758)(右下)’70年代製のスカーフ。ピーターマックスの作品として額装するのもアリ。5990 円(コズミックジャンパー TEL042-726-0610)

8.総柄アイテム

古着の総柄はパターンが多くド派手な物が多い。そしてよく見ると有名な企業名やキャラクターが落とし込まれた広告塔的なデザインだったりする。’90年代の古着ブームの頃も人気を博していたが、それから25年以上経った現代では、人気が再燃して価格も高騰。昔は古着店でよく見かけた総柄のベットシーツ生地も、今では探しにくくなっている。

(左上)’70年代製の総柄コットンジャケット。モチーフは米国の食品加工会社ゼネラル・ミルズ社のグリーンジャイアントとリトルスプラウト。3万580円(コモン TEL04-7166-5433)(右上)米国のエンジン添加剤STP。ボディは’60年代のARTEX製。8万8000円(ドロップ TEL03-3463-6086)(左下)’68年の米国大統領選挙に共和党候補者として出馬したのリチャード・ニクソンの総柄。恐らく’70年代以降に巾着に仕立てられたと思われる。9790円(コモン TEL04-7166-5433)(中下)昔よく古着店で見かけた総柄ベッドシーツ。これは忍者タートルズ。2200円(リカー TEL03-5305-5103)(右下)’70年代製クアーズの総柄ハット。おそらく販促用? 5390円(コモン TEL04-7166-5433)

9.グレイトフルデッド

’60年代ヒッピー文化の象徴であるグレイトフルデッド。そのリードギタリストであるジェリー・ガルシアが、’95 年8 月9日に鬼籍に入ったことと、日本で’90年代半ばに巻き起こったゴアトランスブームがリンクし、国内で再びグレイトフルデッドが注目を集めた。その潮流は2000 年代初め頃のサイケデリックトランスブームに繋がっていく。

(左)’93年の著作権表記が入ったグレイトフルデッドのタイダイ染め長袖Tシャツ。3万690円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)(中)こちらも同年代の1枚。グレイトフルデッドのオフィシャルTシャツのボディはリキッドブルーのものが多い。3万2780万円(セーラーズ)(右)こちらは’79年のツアーラグランTシャツ。2万1780円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)

(左)元々は「Bear’s Choice」のアルバム・ジャケットに使用されたアートワークだったデッドベア。そのビーンベアは現在でも人気だ。ブルー/1650円、トラ柄/ 1100円(共にデザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)(右)グレイトフルデッドのマスコット、デッドベアが刺繍されたウールキャップ。’90年代製。1万3200円(リカー TEL03-5305-5103)

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)

この記事を書いた人
ADちゃん
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ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
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