価値あるものも日常で使うカリフォルニア的カーライフ。|「カリフォルニアモーターズ」CEO・関根淳さん

「高いが偉い」ではない。あくまで基準は自分が好きな物か否か。だからこそ、気に入った物が高額な物であることも当然ある。だが、値段で扱い方は変わらない。あくまで日常で使うのがカリフォルニアモーターズのCEO、関根淳のスタイルだ。そんな彼が普段使いしている愛用品と、その生活にクローズアップする。

「カリフォルニアモーターズ」CEO・関根淳さん|音楽活動を経て既存事業のスタイルを確立。カリフォルニアモーターズ以外にも輸入車販売や飲食店を経営。過去にはJEEP正規ディーラーも行う。多様なビジネスを展開するVIRKINグループCEO

愛情をもって、ラフに接する。そして長い時間を共にする相棒になる。

埼玉県三郷市に店舗を構える「カリフォルニアモーターズ」。いわゆる一般的なモータースとは異なり、まるで実際に西海岸のショップにいるような錯覚を起こすほど独特な空気感がある。それはオーナーの関根さんが、20代にミュージシャンとして活躍し、LAを中心としたカリフォルニアカルチャーにどっぷりと浸かってきたからにほかならない。

カーカルチャーも関根さんの大好物のひとつ。愛車はテスラやポルシェなど複数台所有しているが、その中から2台紹介してもらった。

デンゼル・ワシントン主演の映画『トレーニング デイ』に登場したクルマを再現した1979年製のシボレーモンテカルロ。今後は内装外のレストアを行うため、しばらく乗れない日々が続く

1台目が1979年製のシボレーモンテカルロ。悪そうな雰囲気がするが、それもそのはずこのクルマは映画『トレーニング デイ』の劇中に登場したクルマの外装を再現したカスタムカーなのだ。

ハイドロを装備し、ナンバーフレーム、ホワイトリボンタイヤとワイヤーホイールの組み合わせ、斜めに出したマフラーなど、エクステリアのディティールを見事に再現している。このクルマはアーティストのPVにもよく使われるそうで、最近では舐達麻のPVにも登場している。

足元も抜かりなく劇中同様にワイヤーホイールを履く。なお室内のシートだが、劇中ではシングルだが、好みでベンチシートにしている

もう一台がトヨタ ハイラックス。元はオフロードバイクを載せるトランポとしても使っていたが、オールペンして現在のスタイルに。

2001年製のトヨタ ハイラックス。あえてチープな鉄ホイールを履いて、ローダウン。リアバンパーを低い位置にマウントすることで、よりロー&ロングなビジュアルが際立つ

どちらもほどよく味が出ているのが特徴。「どんな物でも日常で使わなければ意味がない」と関根さんは語る。愛情をもってラフに接するのが、関根さんのカーライフなのだ。

野暮ったいサイドミラーは取り外してスムージング。その変わりにクロームメッキされたラウンドタイプのミラーを取り付けてカリフォルニアルックのスタイルにモディファイド
一見するとストック状態のようなクリーンな室内だが、ベンチシートにする大がかりなカスタマイズが施されている

バイクもカスタムは足し算ではなく引き算で、できるだけシンプルに仕上げていく。

モンテカルロと同じ1979年製のハーレー・ショベルヘッド。同じ年代なのは狙ったのではなく、あくまで偶然の引き合わせ。キックスタートでシフトはジョッキーだが、その面倒くささがまた楽しいと語る。

ジョッキーシフトだが、時間がある時はこれで三郷の街を流す。何でも便利な時代だからこそ、これに乗ると自分の原点を思い出すことができる。

小ぶりなヘッドライトにスプリンガーフォーク。カスタムは引き算で、できるだけシンプルに仕上げていくのが関根さんのスタイル。

ヴィンテージモトクロス風にカスタムされたKAWASAKIの250TR。昨今のVMXブームのはるか前に、自身でカスタムした。今もダート走行から日常の足としてまで、冬のシーズン以外は稼働中。

シンプルなメーター周り。オートバイに乗るときの必須アイテムであるサングラスは、ハンドルに取り付けたカラビナをホルダー代わりに使用する。

ヘルメットにはピンストライパーの手で入れられたピンストライプ。経年変化でかすれていい味に。エド・ロスのラットフィンクも描かれている。

お気に入りのギターは安くても、ずっと大切に持ち続けている。

18の時にレスポールが欲しかったがお金がなく買えなかった。そんな時、スタジオの忘れ物で、長期間ほったらかしのこのヤマハのレスポールタイプがもらえることに。ライブで投げたりと手荒な扱いもしたが、他のギターよりも弾きやすく、LAでのレコーディングにも持っていった。このギターだけは手放さずにずっと持っている。

今やジャパンヴィンテージとして高額で取引されているフェンダージャパンのギター。このムスタングは過去に購入したもので、現在まで所有している1本。ほどよくエイジングされたいい状態を維持。

音楽活動をしていた時の機材の多くは売却したが、このマーシャルのギターアンプだけは手元に残している。ヘッドはJCM800。キャビネットは1960AX。

中央にあるBOSSのディストーションはより強烈な歪みサウンドを発生できるよう回路を改造したカスタムエフェクター。トグルスイッチで切り替えを行う。

アップルウォッチを使い始めてから機械式時計をしなくなったが、唯一使い続けているのがロレックスのミルガウス。稲妻の秒針とグリーンのガラスが斬新。

美しいシボ革のエルメス・バーキン。使いやすさとデザインが気に入っており、かなりハードに使っているが、型崩れしないのはさすが。

(出典/「Lightning2023年3月号 Vol.347」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...