エイジングとは? アイテムごとに異なる経年変化の楽しみ方。

エイジングの極意は「使い続けること」だが、素晴らしい風合いの変化をもたらすにはやはり色々と気遣いが必要だったり、ちょっとした裏技やテクニックを使う必要がある。そこで、素晴らしいエイジングにするためのちょっとしたアイデアもお教えしよう。

1.革ジャンとブーツ

革ジャンやブーツは、愛用することでエイジングを楽しめるプロダクツの代表格。ヴィンテージモノのような昔ながらのエイジングの風合いを楽しみたいなら、やはりベジタブルタンニン鞣しの革を選ぶこと。自分の着用した痕がシワになって刻まれ、茶芯の革ならそこに茶色い色合いが現れて美しいコントラストを生む。

革は、水分を含むと乾く寸前のところで革がその形状に落ち着くため、特にシワを付けたい場合は、雨に少し当たったり、霧吹きで水をかけたりするのもいいだろう。あとはとにかく使い込むこと。革が馴染むまでは硬いが、それを超えると素晴らしい景色が待っているので、頑張っていただきたい。

2.真鍮

金属の中でも独特の味わい深いエイジングを楽しめるのが真鍮という素材。うっすらと黒ずんでくすんだ風合いは、非常にカッコイイ。使い込むことで空気によく触れて酸化してくすんでいくが、裏技としては食塩水に浸しておくのもいいだろう。

ヴィンテージさながらの緑青がお望みなら、過酸化水素水(オキシドール)に浸すことをオススメする。金属のエイジングの魅力的な要素をすべて気軽に味わえるのが真鍮という素材の醍醐味だ。

3.ダイバーズウォッチ

ロレックスやチューダーのサブマリナーに代表されるダイバーズウォッチは、その男らしい見た目からエイジングした風合いがよく似合う。クリーム色に焼けたインデックスだけでなく、褪色や変色したベゼルディスクも魅力的だ。

インデックスは日焼けによって少しは変色するが、やりすぎると文字盤にも影響があるので、簡単に変えられるベゼルディスクから始めてみよう。最近はこのディスクだけでも数十万円なんてプレ値が付いているため、意外と普段使いでは社外品に変えて遊んでいる“通” な人も多い。

4.帆布

ダックやキャンバスなどいわゆる帆布の魅力は、頑丈ゆえにガンガン使い込むことができること。生成りの帆布もいいが、エイジングを楽しむならカラーものがオススメ。

使用と日焼けによってどんどん白っちゃけていき、アタリの出たところはより白く色抜けして、何ともいえない独特の味わい深い表情へと変化していく。夏場に強い日光を当て続けると、比較的簡単に褪色するため裏技として使うといいだろう。

5.コットンフランネル

コットンフランネルシャツの擦り切れは、一歩間違うとただ汚く見えてしまうのだが、襟、袖先、裾などバランスよく解れて少しボソボソと破れているくらいなら、全体的に綺麗なコーディネイトをしていれば、逆にアクセントになってカッコイイ着こなしになる。

油分を吸いやすい襟が最も破れやすいため、しっかり洗濯して汚れを落としながら、全体的に着用による擦れによってエイジングさせたい。あとはよく日光に当てて、紫外線で褪色させるのも忘れずに!

6.デニム

デニムはもはや説明不要だと思うが、我々は最近至って普通うな古着のような色落ちに惹かれている。つまり気にせずに穿き、洗剤を入れてガンガンに洗って乾燥機にかける、の繰り返し。これによって深いインディゴ感はなくなるが、リアルなアメリカの古着デニムの風合いに仕上がる。

時にセンタークリースを入れて穿くのもいいだろう。そこだけ白く色落ちした様は、これまたリアルでカッコイイ。でも値上がりが激しいヴィンテージはもったいないので、リジッドや色落ち加工の新品モノをそうやってエイジングさせたらいかがだろうか。

色落ち加工モデルでも穿いていくうちに自分のヒゲが追加され、本当に古着のような色落ちになるので、時短で完成させたい方には色落ちモデルを穿き込むことをオススメする。ちなみに左は色落ち加工を穿き込んだものである。

7.コットンスウェット

スウェットシャツは、褪色させてこそカッコイイ。着用と洗濯を繰り返しても、プリントは擦れてひび割れしていくが、褪色はなかなか難しい。最も友好的なのが日光の紫外線だ。真夏はかなり激しく、メリハリのある褪色になってしまうため、最もオススメなのは春と秋。

肩や胸、背中が褪色して、裾に向かって色が濃くなっていくようなグラデーションになったエイジングが味わい深くてカッコイイので、ハンギングした状態で日光を当てるのがオススメだ。

8.ミラーダイヤル

1960年代後半まで存在したミラーダイヤルは、漆黒のような深い色合いで艶のあるブラックのダイヤルが特徴。それがエイジングすると、艶感が薄れていき、時にブラウンがかった色合いへと変化する。極上コンディションはヴィンテージ的な価値が高いが、最近ではエイジングしたミラーダイヤルの価値も見直され、付加価値が付いている。

どういう原理でエイジングするのか、いまだに解明されていないため、自分でエイジングさせることは難しいが、紫外線はひとつの要因にあるようだ。ヴィンテージを買う際に、エイジングしたミラーダイヤルも候補に入れるといいだろう。これから付加価値はさらに高まっていくことは間違いない。

9.アルミのスーツケース

ゼロハリバートンやリモアなど、アルミ素材を使ったスーツケースは、エイジングを楽しむにはうってつけだ。旅した都市で買ったステッカーを「履歴」として貼るのもカッコイイエイジングには有効で、使っていくうちに凹んだり汚れたりして、全体的に風合いが高まっていく。

かなり使い込んでからステッカーを貼っても雰囲気が合わないので、ぜひ最初からどんどん貼って使い込もう。海外旅行に行く頻度が多いと、国内よりも圧倒的に雑に扱われるため、エイジングが早まるのは間違いない。

10.革小物

革小物は、とにかく触れていることが素晴らしいエイジングになる秘訣だ。手で触るもよし、ポケットにいつも入れているのもよし。触って触って触りまくる。

特に手で触る頻度が多いと、自然と手の油分が革に浸透するため、オイルアップなどこれといったメインテナンスをしていなくても、綺麗にエイジングしてくれる。

(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
この記事を書いた人

ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

Pick Up おすすめ記事

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...