新世代ハーレーの正装。伝統と新しさを両立したナイトスターの印象を問う。

新世代の水冷V ツインエンジンを搭載したナイトスター。その注目モデルに熱い視線を送るモトのディレクター・本池作人さん。伝統と新しさを両立したナイトスターの印象を問う。

デイリーにも気兼ねなく使いたい、進化したナイトスター。

50年以上の歴史を持つモトのディレクターを務める本池さん。創業者の本池秀夫さんのアーツ&クラフトの精神を継承しつつも、モダンな感覚で斬新なレザープロダクツを展開している。父親が大のハーレー好きであり、ナックルヘッドやWLAを乗っている影響で、作人さんもダイナに乗っていた。そんな経験があるからこそ、このナイトスターの進化に驚いたと第一印象を語る。

水冷エンジンになっても、その造形にはハーレーならではの美しさが宿る。作人さんは、同じ作り手としてデザインのモダンさに感銘を覚えていた

「エボリューションエンジンのダイナに乗っていたことや周りのバイク乗りの影響もあって、ハーレーはゴツくても重いというイメージが強かったので、跨いだ時の軽さやコンパクトなサイズ感にまず驚きましたね。そしてその期待通りのスポーティな走りに感動しました。視線を向けた先にリニアに動くから運転が楽しくて、撮影のことを忘れて首都高に乗ってどこかツーリングに行きたくなってしまいました(笑)

もちろん本来のトルク感があるワイルドな走りも魅力的ですが、この新世代の空冷エンジンはまた違った印象。もちろん伝統的なハーレーらしい個性はありますが、スポーツバイクらしい軽快で滑らかな回り方は新鮮で楽しい。3種類のライディングモードがあって、レイン、ロード、スポーツとそれぞれに特徴があって、シーンによって使い分けられるのもおもしろいですね。個人的な感想だと、気軽にデイリーユースできる感覚がいいなと。やはりハーレーって『今日は乗るぞ!』って気持ちが多少なりとも必要になりますが、ナイトスターは日々の足としても気兼ねなく使いたいですね」

モーターのダブルブレストのスポーツジャケットをメインにしたコーディネイト。インナーにシャツを合わせるなど、都会的な印象のスタイルだ
オリジナルのレザーグローブを着用。レザーのスペシャリストなので、適材適所でうまくレザープロダクトを使い分けている。ここでのグローブは薄い革でフィーリングを重視
履いていたのは創業者の本池秀夫さんが手掛けるモーターの編み上げブーツ。バイクに乗った際にストレスを感じないように設計されている
車両の雰囲気に合わせて、モノトーンのコーディネイトでライディングしてくれた本池さん。ライダースジャケットを着用しながらも、ハードにならない上品さを残す

MOTOのスタイルにも通じる、新旧織り交ぜたデザイン。

新開発された水冷エンジン『レボリューションマックス』を採用する3番目のモデルとしてリリースされたナイトスター。最初に登場したパンアメリカとスポーツスターSは1252ccエンジンだったが、このナイトスターは初となる975cc。エクステリアに関してはローアンドロングなシルエットやアイアンフェンダー、フロント19インチ、リア16インチという空冷スポーツスターの意匠をうまく散りばめており、新旧を絶妙に織り交ぜている。

Harley-Davidson Nightster

「王道のスポーツスターのイメージを継承しつつも、未来的な樹脂パーツやダミーとなったピーナッツタンク風のエアクリーナーボックスなど、斬新なエクステリアもあって、スタイリッシュな印象を受けます。もちろんデニムにライダースジャケットのような往年のバイカースタイルも合いますが、今日の僕みたいにシャツを着たデイリーなスタイリングでも違和感なく乗れるのがおもしろいと思いますね。見た目や乗り味もヨーロッパのテイストもあるから、ちょっと上品なスタイリングの方が相性はいいかもしれない。

MOTOはアメリカンカルチャーに多くの影響を受けていますが、イタリアの彫金技術やレザークラフトなど、ヨーロッパの製法がルーツです。僕は小さな頃から革人形作家の父親の影響もあって、レザーが身近にあり、遊び道具でもありました。レザーが持つ可能性を様々な手法でアプローチし、欧米のカルチャーや自身がベースとする東京らしさを新旧問わずミックスさせているのが、MOTOの基本的なスタイル。そう考えるとMOTOとナイトスターってどこか通じるものがありますね」

Specification:
全長:2250㎜
全幅:836㎜
ホイールベース:1545㎜
シート高:705㎜
エンジン:RevolutionMax975T
排気量:975㏄
車両重量:221㎏
価格:195万4700円~

【DATA】
MOTO
東京都港区北青山3-10-2
TEL03-3407-5836
営業/12:00~19:00
http://www.motostyle.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年1月号 Vol.345」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

Pick Up おすすめ記事

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...