今回は、「やはり良いデザインは、時代を超えて残り続けるもの。私の物選びの基準の一つでもある。軍モノの世界は、そんなマスターピースと呼ばれるい逸品だらけだ!」とミリタリー愛を語る、ライトニング編集部のミリタリー&ストリート担当・ADちゃんがお届け!
寒冷地用フライトジャケットがルーツです。
私はヴィンテージのミリタリアが大好き。過去から現代まで繋がる、軍装品の歴史に胸が踊る。そのプロダクツがどんな理由で誕生し、どんな使われ方をして現代に残っているのか。それは考古学に近い考え方なのかもしれない。
ちょっと前の話だが、深夜番組でチャールズ・リンドバーグとフランクリン・ルーズベルト大統領のドキュメンタリーを見た。リンドバーグといえばニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に世界で初めて成功した人物。この彼の業績は当時かなり衝撃的な出来事で、彼の人生そのものが航空産業発展のきっかけになり、かなり波瀾万丈の人生を送ったようである。ちなみにリンドバーグは米空軍(※その関係は米陸軍航空隊から)にて、最終的に1954年に准将にまで昇進する。
そんなわけで、米陸軍航空隊の飛行機乗りが愛用していた寒冷地仕様の飛行服をルーツに持つ逸品をご紹介。ジェラードが今冬発売する「CBー9」というモデルは、’43年から’44年の1年間のみ生産された、保温素材にダウンを使用したタイプBー9をベースにしたシビリアンモデル。インナーにプリマロフトゴールドを採用しており、完全な寒冷地に対応させる現代的な仕様となっているのだ。
またカスタムプリントの意匠も興味深い。アメリカ北部ノースダゴタ州とミネソタ州の境に流れるレッドリバーの護岸管理を受託した、民間企業のパークレンジャーの制服をイメージしており、ネイティブアメリカンが存在したこのエリアをモチーフとしたロゴデザインとなっているのだ。そんな設定こそ、軍装品好きをキュンキュンとさせるエピソードである。
【問い合わせ】
ジェラード
TEL03-3464-0557
https://jelado.com/
(出典/「Lightning 2022年12月号 Vol.344」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章