オイルドキップがもたらす“予測不能”な未来。天神ワークスのC’MAN FISHTAIL COAT FJ02

欲しいモノが尽きないライトニング編集部員が、いま気になるモノから実際に購入しちゃったモノまで、ジャンルに限らず何でも紹介!

今回は、革ジャンの伝道師・モヒカン小川がYouTube「モヒカン小川のレザーチャンネル」第一回で一目惚れして即オーダー、遂に先日手元に届いたアイテムを紹介。その模様もレザーチャンネルで配信中なので観てみてね!

このフィッシュテールパーカの描く未来を想像してみて。

「バタフライ効果」という言葉をご存じだろうか。これは「非常に小さな出来事が、最終的に予測不能な大きな事態を招く」という現象を意味する言葉。ちなみにこの言葉は、気象学者エドワード・ロレンツが行った講演のタイトル「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすか?」に由来している。ちなみに日本の「風が吹けば桶屋が儲かる」も、それと近い意味を持つことわざ。風が吹く→土埃が立つ→目を傷めてしまう人が増える→三味線で生計を立てようとする→三味線がよく売れる→三味線には猫皮が必要なため猫がたくさん捕らえられる→ネズミが増えて桶が齧られる……というわけ。

で、話は変わって俺が今回手に入れた天神ワークスのフィッシュテールパーカ。Mー65パーカをモチーフに、オイルドキップレザーで再構築した、まさに意欲作なのだ。俺は、このオイルドキップという素材に、無限の可能性を感じている。

そもそもキップとは、生後6カ月〜2年の仔牛の革。それに油脂分を多く含ませたのがオイルドキップだ。きめの細やかさ、しなやかさ、薄く漉いても丈夫な銀面、心地よい軽さ、気持ちのいい肌触り、その長所を挙げればキリがない。この素材はきっと革ジャン界を変えるに違いない……とまぁ、ここまでは誰もが想像つく“予測可能”な未来。でも、この素材の力は、そんなものではない。

オイルドキップが流行る→女性にも人気が出る→雑誌「a〇a〇」で特集される→オイルドキップを着てる男性
に抱かれたい→その頃には俺のパーカはクールにエイジングしている→俺、モテモテ→巷にオイルドキップを着た男性が急増する→Aー1GPが世界的なコンテストになる→世界大会で優勝するのは俺→パッキャオのような存在になる→徹子の部屋に呼ばれる……う〜ん、確かに予測不能な、輝ける未来が待っていそうな予感。オイルドキップがもたらすバラ色の未来を夢想しながら、ガンガン着込んでいこうと思う。

天神ワークスのC’MAN FISHTAIL COAT FJ02

渋鞣しのキップレザーにオイルを多く染み込ませた「オイルドキップレザー」を0.6㎜に漉いて作り上げた渾身の一着。オリジナルの持つドレープ感をレザーで見事に再現している。各部のディテールもヴィンテージファン納得の完成度。25万3000円

ライニングもいろいろ選べるのがオーダーの楽しいところ。モヒ小川はワインレッドをチョイス。時折ちらりと見える赤がクールでしょ?

オリジナルではカフスにゴムが使われているが、強度的に問題があるため、しっかりと革で留める仕様に変更されている。嬉しい配慮だ。

M-65らしいシルエットとサイズ感を実現したFJ02。オイルドキップは全8色からカラーオーダー可能。モヒ小川は渋いオリーブオーダーした。

【問い合わせ】
天神ワークス 
http://www.tenjinworks.com

(出典/「Lightning 2022年11月号 Vol.343」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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