今回は久しぶりのアメリカ出張でこのボーントートを持ってマンハッタンの街を歩いていたら、3人くらいの人から「クールなバッグだね」と声を掛けられた、革ジャンの伝道師・モヒカン小川がお届け! 「ボーンの威力、マジハンパねぇっす」
いつまでも「憧れ」のままでいて。
久々にアメリカに行った。いやぁ楽しかったな。いつもはアメリカ入国から二日くらい経つと、もうハンバーガーに飽きて日本食や韓国料理を探し始めるのだが、今回は全日程アメリカ料理で過ごせた。だって本当に久しぶりなんだもん。
今回は、姉妹紙クラッチマガジンの取材で、まさしく「革三昧」のアメリカ旅だった。まずLAに入り、そこからカナダ・トロントでヒメルブロス、ミネソタでレッドウィング、ニュージャージーでショット、そしてマサチューセッツでバンソン。収穫多き今回の旅だったが、中でもバンソンのファクトリーに行けたのは嬉しかった。
いままで、いろんな革ジャンを着てきたし、ライトニングで紹介する有名どころのブランドの革ジャンは、ほぼ“制圧”したと言っていい。個人的に大好きなブランドも数知れず。でも「憧れのブランドは?」と問われると、答えは一つしかない。やっぱりバンソンなのよね。渋谷のセンター街が俺の文化の中心だった学生時代、バンソンは高嶺の花だった。「買いたくても買えない服」、それが俺にとってのバンソンだった。
あれから30年余りが経ち、バンソンよりも高い革ジャンを何着も手に入れた。でも若い頃の憧れは、いくら歳をとっても変わらない。マサチューセッツ州フォールリバー。1898年に建てられたという元紡績工場が、現在のバンソンのファクトリーだという。エントランスというにはあまりにもぞんざいなドアを開けると、そこには昔欲しくてたまらなかったバンソンの革ジャンが、今も変わらずずらりと並んでいた。震えたね。俺にとってのセンター街が、マサチューセッツの小さな港町にあったのだから。
バンソンのファクトリーショップで、革ジャンは買わずに、このボーントートを買った。楽しみは次に取っておく。これが大人の、「憧れ」との付き合い方なのだよ。
vanson Leathersのボーントート
肩に掛けるとこんな感じ。ストラップも長めで、革ジャンを着ていても肩掛けが可能。それにしてもすごいインパクトじゃない?
両サイドには二室の仕切りがあり、ジッパー付きのポケットも装備され、使いやすい。サイドの仕切りにはペットボトルがすっぽり収まる。
お気付きだろうか? 表面には鎖骨が、そしてこちらの背面には肩甲骨がデザインされる。こうした細やかな遊び心が楽しい。
(出典/「Lightning 2022年10月号 Vol.342」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章
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