1.スタンドカラー編[着こなし難易度★★★☆☆] [おしゃれ度★★★★☆]
スタンドカラーとは、読んで字のごとく小さい立ち襟のこと。元はレーサーのツナギをぶった切ったものがルーツだが、首周りがすっきり見えてファッション性も高い。また、革ジャンをインナーにして上からアウターを羽織る際は、このタイプは重宝する。
一口にスタンドカラーと言っても、フロントジッパーがオフセットされているモデルもあり、その種類は多岐にわたる。オフセットされているものはモータースポーツのイメージが強く、ファッションで着こなすにはそれなりテクニックが必要となる。
【おすすめ①】ADDICT CLOTHES JAPAN / AD-04 RESISTANCE JACKET
肩と肘に薄めのパッドを配した’70sスタイルのレジスタンスジャケットは、4つのウエストベルトやボールチェーン、ブラウンのジップテープなど、ブリティッシュライダースのクラシカルなディテールを踏襲。ジャケットのデザインの個性が強いだけにシンプルな着こなしを心がけたい。18万7000円
【問い合わせ】
アディクトクローズジャパン
TEL03-5341-4767
http://www.addictclothes.com
【おすすめ②】BILTBUCK / Horsehide TT Riders Jacket
オーセンティックなスタイルのシングルライダースだが、カゼイン仕上げのホースハイドの透明感のある艶がどこか上品な雰囲気を醸し出す。革ジャン初心者にも優しいシンプルなスタイルは、素材のエイジングを味わいやすく、長く付き合いながら色気を増していく過程を楽しめる。19万5800円
【問い合わせ】
アトラクションズ
TEL03-3408-0036
http://attractions.co.jp
2.襟付きタイプ編[着こなし難易度★☆☆☆☆] [おしゃれ度★★★★★]
身頃がシングル合わせで襟の付いた、いわゆる「ブルゾンタイプ」は、非常に着易くファッションにも取り入れやすいので革ジャン初心者にもおすすめ。ポイントとなるのは襟の開きと大きさ。襟の大きいタイプは、全体的にクラシカルな印象となる。
ここでは一括りに「襟付きシングル」と紹介しているが、袖口がカフスのタイプは、1930〜’40年代と比較的年代の古い「スポーツジャケット」、袖口がジッパーのタイプは「モーターサイクルジャケット」と区別される。シャツに合わせてかっちりと着たいなら、スポーツジャケットタイプがおすすめ。
【おすすめ③】LEWIS LEATHERS / #551T DOMINATOR TIGHT FIT
センタージップのドミネーターをベースにタイトなフォルムに仕上げた1着。レザーはタフな渋鞣しのカウハイド。まさに英国製シングルのスタンダードと言える王道のスタイルは、デニムなどのカジュアルな着こなしはもちろん、タイドアップしてきれい目に着こなしても様になる。26万7300円
【問い合わせ】
ルイスレザーズ
TEL03-6438-9215
http://www.lewisleathers.jp/japan
【おすすめ④】BELAFONTE / RAGTIME LEATHER SPORTS JACKET LONG
ハーフコートに近い長めの着丈が特徴的なスポーツジャケット。肉厚なバッファローレザーの表面には細かいシボが現れていて、着込んだ先の力強いエイジングを期待させる。ハットやシャツなど、クラシカルかつきれいめなアイテムと合わせて大人のレザースタイルに挑戦したい。18万4250円
【問い合わせ】
ALTER E GO
TEL03-3478-5804
http://belafonte.jp
【おすすめ⑤】FOUNTAINHEAD LEATHER / ALPHA
1930年代のストア系スポーツジャケットをモチーフに、ヘリテイジ特有の野暮ったさを排除し、美しいシルエットを実現した渾身の1着。1.5㎜厚の茶芯の馬革を採用し、特殊な工程を施しているため独特の風合いを醸し出している。クラシカルな太めのパンツと合わせるのもアリ。17万6000円
【問い合わせ】
マスファルト
TEL03-6383-4006
http://www.masphalto.jp/
【おすすめ⑥】SCHOTT / SPECIAL HORSEHIDE TRUCKER JACKET
定番のトラッカージャケットをベースにオリジナルレシピで生産される茶芯のホースハイドを使用した直営店限定モデル。袖口が内リブなのでバイク乗りにも優しくタウンユースでも着こなしの幅が広い懐の深い1着だ。着込むほどに茶芯が現れるエイジングこそこのジャケットの真骨頂。18万5900円
【おすすめ⑦】SCHOTT / SINGLE BREST RIDERS
2ポケットのクラシカルなシングルライダース。癖のないシンプルなデザインは合わせるアイテムを選ばず幅広いコーディネイトに対応する。ラムレザーは伸縮性が高く身体にフィットするので、始めから馴染みやすいのが魅力。フロントはダブルジップなのでバイク乗りにもオススメ。7万7000円
【問い合わせ】
Schott Grand Store TOKYO
TEL03-3464-1913
http://schott-nyc.jp
3.ライダースジャケット編[着こなし難易度★★★★★] [おしゃれ度★★☆☆☆]
ライトニング読者の中には「革ジャン=ダブルライダース」と思っている人も多いのではないだろうか? それほどダブルライダースの見た目のインパクトは大きい。
そもそも1920年代頃、複葉機などのオープンコックピットで操縦していた飛行士のために作られた「アビエイタージャケット」から派生し、地上でスピードに挑むライダー用へと進化したのがルーツ。スピードによる風圧から身を守るよう、フロントはダブル合わせで遮風性を高めている。ただ、かなり「不良」のイメージも付きまとうので、女性ウケは必ずしも良くはない。
【おすすめ⑧】ADDICT CLOTHES JAPAN / AD-06 HIGHWAYMAN JACKET
エポレットやハーフベルト、ポケットの配置など、アメリカの影響を受けた’50s〜’60sのブリティッシュライダースがイメージソース。襟ボアは取り外しできるので、合わせるアイテムや気候に合わせてスタイルを変化させることが出来る。ワイルドさと気品を併せ持つ贅沢な1着だ。18万7000円
【問い合わせ】
アディクトクローズジャパン
TEL03-5341-4767
http://www.addictclothes.com
【おすすめ⑨】LEWIS LEATHERS / #441T CYCLONE
人気モデル、サイクロンのタイトフィット。ホースハイドのヴィンテージターコイズは色のインパクトが強いだけに上級者向けと言える。しかし、着こなしが難しそうに感じるが、他のアイテムを落ち着いた色でまとめるだけでOK。肝心なのはカラーレザーに挑戦する勇気だ。19万2500円
【問い合わせ】
ルイスレザーズ
TEL03-6438-9215
http://www.lewisleathers.jp/japan
【おすすめ⑩】SCHOTT / 613UST ONESTAR RIDERS TALL
ショットのアイコンと言える613 ワンスターのシルエットをモディファイしたモデル。着丈を1インチ長くして、ボディと肩まわりを絞ることで、スタイリッシュなイメージに。ワンスターらしいデザインは崩さずに、通常のワンスターよりも今っぽい雰囲気を演出できる。11万9900円
【問い合わせ】
Schott Grand Store TOKYO
TEL03-3464-1913
http://schott-nyc.jp
【おすすめ⑪】WESTRIDE / BLOCK VALLEY
ダブルブレストのスポーツジャケットをモチーフに、素仕上げのゴートスキンを使用するBLOCK VALLEY。2.2㎜の極厚レザーだが伸縮性に優れ、馴染みやすいのが特徴。変形Dポケットやサイドレースなど個性的なディテールを備えているのでシンプルに着こなしたい。18万4800円
【問い合わせ】
ウエスタンリバー
TEL025-526-2415
http://www.w-river.com
【おすすめ⑫】TROPHY CLOTHING / RANGER W RIDERS JACKET
ブランド初となるオールレザーのダブルライダース。肉厚なレザーを使用したワイルドなスタイルだが、エポレットがないため肩が張らずスッキリとしたシルエットになるのがポイント。バイク走行時はクラシカルなチンストラップを使い襟を上まで閉めて防風性を高めることができる。21万4500円
【問い合わせ】
トロフィージェネラルストア
TEL03-6805-1348
http://trophy-clothing.com
4.スポーツジャケット編[着こなし難易度★★★☆☆] [おしゃれ度★★★☆☆]
前述のダブルライダースとかなり近いデザインを持っているが、こちらはライダースと比べ、どことなく柔らかい印象を受けないだろうか? こちらは一般的な革ジャンの分類では「スポーツジャケット」と分類されるタイプ。簡単に言えばライダースに進化する以前のモデルで、袖口がジッパーではなくカフスである場合が多い。ライダースに比べて襟が大きいのも特徴で、コーディネイトの幅も広い。「ダブルは欲しいけど、まだ踏み切れない……」という人は、是非ダブルのスポジャケにチャレンジしてみては? 牛や馬だけでなく、ゴートスキンのモデルもある。
【おすすめ⑬】EIGHT LEATHERS / 8JK-15
あえてミーリング(空打ち)を行なわず、馬革本来の張り感を味わえるレザーラバー垂涎の1着。非常にシンプルなデザインを持ち、前立ての幅もシャープなので、フロントを開けても様になる。ダブルなのにハードになり過ぎないので、1着目のダブルブレストとしても最適だ。15万1800円
【問い合わせ】
ジーパンセンターサカイ
TEL047-334-6225
http://eight-g.net/
【おすすめ⑭】TENJIN WORKS / SPORTS JACKET JW03
‘40年代のスポーツジャケットの意匠をベースに、キップレザーで再構築。ステアハイドに比べキメが細かく柔らかいので、驚くほど着易いのが特徴だ。「革ジャン=硬い・着にくい」と信じて疑わない人に、一度は羽織ってもらいたい。エイジングも折り紙付き。18万1500円(カラーオーダー別途)
【問い合わせ】
天神ワークス
TEL03-3870-8658
http://www.tenjinworks.com
5.その他編[着こなし難易度★★☆☆☆] [おしゃれ度★★★★☆]
ここでは、これまでのタイプに当てはまらないその他のモデルを紹介する。昨今人気のGジャンタイプや、1920年代の野外作業用衣料としても使われていたA-1タイプのスポーツジャケットなど、ファッショニスタに支持されるモデルも多く存在する。
ライダース系はホースハイドやステアハイドが多いが、このカテゴリーのモデルはシープやゴート、キップなど、あらゆるレザーを使ったものが存在するので、愛好家も多い。「革ジャン=男くさい」「革ジャン=怖い」といったイメージを払拭したいなら、ちょっと変化球のレザージャケットに挑戦するのもおすすめ。
【おすすめ⑮】BILTBUCK / Lambskin A-1 Jacket
肉厚なラムスキンを採用したA-1ジャケット。ラムスキン特有のしなやかさや軽さを残しながらもタフな質感を味わえる。一見玄人好みなA-1だが、ボタン留めのレザージャケットはライダースのようなハードさがないので、「ゴリゴリなのはちょっと……」という人にもオススメ。20万6800円
【問い合わせ】
アトラクションズ
TEL03-3408-0036
http://attractions.co
【おすすめ⑯】SUGAR CANE / “HORWEEN” HORSEHIDE LEATHER JACKET
アメリカ最古のタンナー・ホーウィン社にて特注で鞣した「ホースハイド・クロムエクセル」を採用したサードタイプモチーフのジャケット。油脂分を多く含んだ0.9㎜厚の馬革で、しっとりとした質感と重厚感が特徴。裏地はネル生地で、カジュアルに着こなせる。Made in U.S.A.(19万5800円)
【問い合わせ】
シュガーケーン
TEL03-3632-2321
http://www.sugarcane.jp
ここで紹介したのはごく一部。約40種の今季新作&定番革ジャンを掲載した「Lightning 2020年11月号 Vol.319」をチェックしてみてほしい。
(出典/「Lightning 2020年11月号 Vol.319」)
Text/T.Ogawa 小川高寛 Photo/A.Kuwayama 桑山章
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