マニアックなOLD映画にハマったことをきっかけに、無類のコレクターに。
映画から受けた影響をデザインへと落とし込む気鋭ブランドのローチを展開するGOTO さん。そんな彼がハマったのは、自身のルーツでもあるホラーやギャング、コメディといった、マニアックなOLD映画だった。昨年、高円寺にオープンしたGOTOさんの新店舗で話を伺った。
’70年代から’90年代のマニアックな映画好きとして一部関係者の間で有名なGOTOさん。ピックアップしてくれたのは、そんな彼が高校生の頃から集めている映画Tシャツたちのほんの一部だった。
「僕にとっての映画Tシャツは、音楽好きの方が、自分の好きなミュージシャンをレップするために着るバンドTシャツのような感覚ですね。ただ、バンドTシャツほど世の中に数が出回ってるわけではないですし、僕が好きなホラーやギャング、それにコメディ系のものは特に市場での球数が少ないんです。だからこそ、それを探し出す楽しさがあるんですよね。
それに、オフィシャルやブート、生産国のプリント技術やTシャツのボディの違いなどで、同じ映画のジャケットがプリントされたTシャツでも、全く違った見え方がするんですよ。そこも面白さのひとつだと思いますね。
最近のマイブームは、メキシコで売られてる映画Tシャツです。日本やアメリカではすでに枯渇したようなアイテムがまだまだ数多く眠ってるし、プリントの質感も独特で面白い! オススメです」
メキシコで買い付けした、一風変わった雑貨がキモな「KIOSCO」。
GOTOさんは昨年、高円寺の一角にセレクトショップのキオスコをオープンさせた。店内には、自身のカルチャーブランド、ローチに加え、友人が手がける気鋭ブランドなどの商品も並ぶ。さらに面白いのは、GOTOさん独自の目線でメキシコから買い付けてきた一風変わった雑貨たち。
「一度、メキシコへ旅行に行って以来、この国の雰囲気に魅了されたんです。というのも、僕はアメリカのカルチャーに影響を受けて育ったので、今までに色々なものを見たり集めてきました。ただ、この国にあるアメリカンなアイテムは、そのどれもが今までに見たことがない雰囲気なんです。おそらくブートとして出回ってるものなんでしょうけど、作りがチープで未完成な部分が斬新で新鮮に写るんです。数年前から日本で流行っている“ゆるキャラ”とは全く違ったゆるさ。口ではうまく表現できない魅力があるんですよね」
慌しい日々の中でも、こういった雑貨に囲まれながら生活すると、なんだか少しだけゆったりした気持ちになれるのだとか。そんな気持ちを味わいに、お店に足を運んでみてはいかがだろうか。
高円寺の繁華街から少し離れた住宅街の一角にひっそりと佇むキオスコ。友人たちとDIYで完成させたのだとか。そんな店内には、思わず“キュート” と叫びたくなるような個性的な雑貨やウエアが随所に並んでいる。
GOTOさんがデザインを務めるローチのアイテム。どれも幼い頃から好きな映画からインスパイアされた、“見る人が見るとすぐに分かる” 映画好きにはグッとくるデザインがたまらない。キャップ5400円、パーカ1万800円、Tシャツ5400円
【DATA】
KIOSCO
東京都杉並区高円寺北3-31-19
営業/13:00〜20:00
休み/火曜
http://www.newkiosco.com
(出典/「Lightning 2019年5月号 Vol.301」)
Text/H.Kato 加藤寿紀 Photo/H.Funyuu 船生光
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