【お手本にしたい家作り】築40年の廃屋を自分たちで改装したミリタリーテイストの家。

  • 2021.10.21  2020.11.07

不要になった廃材や地元浜松の織物などを素材に生活に密着したプロダクトをハンドメイドで作っているジェットミンミン。彼らの住まう家も、廃屋と化していた建物を自らリノベーションし、リユースしているものだった。建物の良さを活かしながら新しい空間に生まれ変わった自宅にお邪魔してみた。

完璧ではなく、素人っぽさがあるものが好き。

浜松を拠点にミリタリーテイストのプロダクツをハンドメイドで作っているジェットミンミン。2年半前に廃屋同然だったこの家を購入した。

「買ったとき、建物の中も外もちょっと引くくらいゴミだらけだったんです。使えそうなものはほとんどなく、トラックで運んでもらうだけでも結構大変だったんですよ。内装のプランを20個くらい考えて、図面もたくさん描きました。

壁についている線は壁紙の糊の跡。なんとなく気に入ったので、そのままにしている。棚などは自分たちで後から設置したもの

電気の配線やガスなどは自分たちでできませんが、それ以外のことはすべてDIYです。壁やカーペットを剥がしたら糊の跡が出てきたりして、それもなんか面白いから残そうってことになって。雨漏りもスゴかったので、あちこち錆びた部分があるんですよ。それもあえて残しています」

リノベ前には中央に壁があったそう。階段にはカーペットが敷かれていて剥がしたらその跡が。最初は消そうと思ったのだが、いい風合いなので残したそうだ
リビングの壁の絵は、息子さんのルウくんによるもの。「このままずっと描かせていたら、アートっぽくなるかも(笑)。楽しみです」 とジェットさん

ジェットミンミンのプロダクツにも見られることだが、リサイクルやリユースが彼らの暮らし方でもある。それゆえ、インテリアや家具は昔からずっと大切に使っていたり、廃材を使って作ったりしている。

2011年に地デジになりブラウン管のTVが廃棄された頃、そのブラウン管で作ったオリジナルの照明。 キッチンとリビングで使われている

「いま庭造りの真っ最中です。野菜のほかオリーブや果物を植えて、将来的には近所の人たちが自由にもぎって食べられるくらいのフルーツの森を作るのが理想ですね。だから15年後くらいにもう一度取材にきてくださいね(笑)」

キッチンも自作。シンクや作業台などは、東京で暮らしていたときに作って使っていたものを持ち込んだ。レトロな換気扇もポイント
リビングやキッチンには多肉植物などの植物がたくさん置いてある。「いまは寒いので、室内で育てているんです」。プランターもいい風合い
階段を上ってすぐの踊り場に設置した趣味空間。好きな本や音楽、楽器などを置いて寛いでいるそうだ。もちろんこの棚も自作だ

ワークスペースも拝見!

玄関を入るとショップスペースがあり、プロダクツを一望することができる。真ん中の壁は構造上取り払うことができなかったのだが、この仕切りがいい役割をしているようだ。ジェットミンミンの世界観を味わえる空間となっている。

二間をひと続きにしたアトリエ。こちらは縫製を担当しているジェットさんのスペースになっている。

窓にはステンシルが施されていて陽の光で机にその影ができている。

こちらは裁断を担当しているミンミンさんのスペース。

社長も兼任しているため、パソコン作業などもミンミンさんの仕事なのだそうだ。

“住んでいるところに自分を合わせていく。”そんなモットーがにじみ出る屋外スペース。

軒の庇を取り外し、お手製のブランドを設置。緩やかな日射しの中、ルウくんもとても気持ちよさそうだ。

ダイニングキッチンからつながる自作のデッキスペース。椅子はアクリルブームのときに制作したオリジナル作品で、当時かなり人気の商品だったそう。

こちらは廃屋に残されていた一輪車。かなりボロボロだったものをペイントし直し、これ以上錆びないように錆止めを施した。庭造りに役立っている。

近くに浜名湖につながる川があり、そこから浜名湖までカヌーで行くそうだ。ときどきルウくんの滑り台としても活躍。

購入当時、家は蔦だらけだったそうで、2年半経った現在もその名残ある。庭には野菜や果物が植えられ、将来はその果物でジャムなどを作るのだという。一見普通の建売住宅のような雰囲気だが、もともとの素材を生かし自分たちの求める姿へと自然をチェンジしてき、今の姿になったジェットミンミンの家。フルリノベーションという選択もあるけれど、こんな温もりあるリノベーションもなかなか心地よいのだ。

  • area: 静岡
  • name: JETMINMIN 静岡・浜松を拠点に、ミリタリー生地や地元のキャンバス地を使ってトートバッグなどのプロダクツをハンドメイドで制作している人気ブランド。詳しくはhttp://www.jetminmin.comをチェック
  • data: 5DK

「家づくり」の実例をもっと見る

(出典/「Lightning 2018年4月号 Vol.288」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部