ポルシェのオフローダー! 個性的なビジュアルが最高にカワイイ!

四角くてゴツゴツしたオフロード車が定番のなか、走破性もスピードも楽しみたい人が選んだのはなんとポルシェ。リフトアップと肉厚タイヤで武装すれば、都会派オフ車が完成する。ロサンゼルスで見つけた、ちょっと風変わりでカワイイ、オフローダーなポルシェを紹介!

1987 Porsche911|ポルシェをベースにオフロード仕様にカスタムされた異形モデル。

オフロードやアウトドアスタイルのクルマの代表格といえばいわゆる4WDやSUV、ピックアップやバンといったと
ころが定番。でもアメリカにはもっと自由な発想があった。

ここで紹介するマットの愛車はポルシェをベースにオフロード仕様にカスタムされた異形モデル。ロードカーのイメージが強いポルシェだけど、ポルシェ自身も過去にラリーなどに出場していた歴史もあるだけに、実は非常に縁が深い。でも多くの人は車高を下げて、エアロパーツや大径ホイールにロープロファイルのタイヤなどでカスタムするだけに、このスタイルは斬新。

オーナーのマットはクルマ関係のライターをしていると聞いて納得。多くのクルマを見てきたからこそたどり着いたのがこのスタイルだった。だから一般的ではなく、玄人好みなチョイスになるってわけだ

「ロサンジェルスは意外と路面が傷んでいるところがあるから、こういうクルマがうってつけ。あくまでデイリーユースのクルマとして手に入れたんだ」という。

カスタム先進国のアメリカらしい自由な発想のオフローダーだ。

カスタムをチェック!

これはプロレーサー、レー・キーンのプロジェクトとして生まれたサファリ仕様のカスタム911。ポルシェが’84年に20台だけ生産したラリー仕様の911 SC/RSをイメージしている。日本ではあまり馴染みのないスタイルかもしれないが、アメリカやヨーロッパではポルシェをベースとしたサファリスタイルのカスタムには濃いファンが存在する。

肉厚なタイヤを装備しているだけでなく、ショックによって4インチのリフトアップをしているので、いわゆるポルシェとは明らかに違うイメージになっている。ジープなどのオフロードカーほどスパルタンではなく、本来のスポーツカーとしてのイメージを残しているので、走破性を高めつつもしっかりとスピードも楽しめるイイトコ取りのスタイル。リアビューはウイングを装備しているが、タイヤハウスにマッドガードを装着してオフロード車のイメージを高めている。

アルミのスキッドガードや4連のフォグランプなど、フロント周りはラリーカーの出で立ち。いわゆるポルシェ然としたフロントマスクの印象は皆無。

ホイールは16インチで、フロントが7J、リアが8Jとレーシングカー並み。装着するタイヤは扁平率60のBFグッドリッチのオールテレーンをチョイス。

エンジンは250馬力を発生する3.2L空冷フラット6。ファンをボディカラー同色のカシスレッドに塗るなど見えない部分もディテールアップしている。

レー・キーンのサインが入ったプロジェクトのプレートが付く。内装はシティバスにも使われる耐水性、耐久性の高い素材で張り替えられている。

6連ゲージを装備するインパネはポルシェのアイデンティティ。ステアリングはレーシーなモモのプロトティーポに換装したやる気仕様である。

サイドミラーはボディ同色の小さなタイプに換装してスポーティなルックスに。多少視認性が悪くなるけれど、実用よりも見た目でチョイスする。

(出典/「Lightning 2019年6月号 Vol.302」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

Pick Up おすすめ記事

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...