【TYPE N-3B】とはどんなフライトジャケットなのか?
フライトジャケットは、昔も今も着用する環境によって選ぶべきモデルが分別されている。その目安のひとつが温度帯だ。分類は主に5つ。ベリーライトゾーン(30〜50度)、ライトゾーン(10〜30度)、インターミディエイトゾーン(10度〜マイナス10度)、ヘビーゾーン(マイナス10〜30度)、ベリーヘビーゾーン(マイナス30〜50度)だ。
第二次大戦中など、航空技術が未発達だったころは、飛行する高度や、その地域の気候などの影響をダイレクトに受けるため、機内の環境はかなり劣悪だった。そんな中で開発された米軍のジャケットは、様々なシチュエーションに対応できるように、ゾーンごとに仕様の異なるジャケットが開発された。
その中でもヘビーゾーン以上の極寒モデルは、選定する素材、縫製の仕方、デザインの規定まで、幾度となく開発とやり直しが繰り返され、最終的に“ミルスペック(軍がクリアした仕様)”というパッケージを生み出すまでに至る。
米軍の制式なコントラクターだった「AVIREX(アビレックス)」の【N-3B】
米軍の制式なコントラクターだったという背景を持つ「AVIREX」では、こうしたミルスペックをベースにしたタウンユースモデルを40年間にわたり生み出してきた。歴史的背景をベースにしながら、普段着にも適応する能力、そしてデザインの魅力が詰まっているのが特徴。
写真は、極寒仕様のヘリ用フライトジャケットとして誕生したN-3Bが、「ARCTIC CIRCLE」をモチーフにモディファイされたモデル。同系色のカモフラージュを用いたボディが特徴的で、ファスナーはメタリックメッキを使用。随所にD.E.W.のワッペンが配される。
「BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)」のスレンダータイプ【N-3B】
【N-3B】は飛行服の中でも最も材料やパーツをふんだんに使い、1着のジャケットを構成している。その理由は寒冷地での機能性を追求した結果であり、多くの研究と改良が重ねられたことに他ならない。当時、軍の正式納入メーカーはその機能美溢れる飛行服を正規品とは別に民間用としても流通させていた史実がある。
このN-3Bは、コントラクター(正式納入業者)のバズリクソンズが民間向けにオリジナルスペックでリリースしたという幻のモデルである。正規品と同様の材料とパーツを使い、型はよりフィット感のあるスレンダータイプに落とし込んでいる。
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