しかし、である。編集者になってライトニングに携わるようになり、口を酸っぱくして「革の保管には気を遣え」と言ってきたのに、いざ自分のこととなると、案外できてない。でも少なくとも革ジャンに関しては、しっかりしたハンガーを使って保管しているが、いざブーツとなると……ほぼ放置。
いかん。こんなことでは、逆に革のほうからそっぽを向かれてしまう。もちろん、いままでブーツ用と謳ったシューツリーを使ったことはあるが、数パーツに分かれていて立体パズルみたいだったし、なんと言っても高額で何個も買えないので、一握り(というか1足)の“正室”にしか使えない。数十足のワークブーツが並ぶ“大奥(という名の下駄箱)”を持っている俺には、そんなことは到底できない。大奥とうまく付き合うコツは、「皆を平等に愛してやること」。そうしないと、革だって拗ねるし嫉妬するし、挙句にカビてしまうのだ。
俺のすべてのブーツにコイツを突っ込みたい。
で、こいつである。ブリガのブーツ用シューツリー。ブリガというブランドにあまり馴染みがないかもしれないが、母体は実は昔から商社としてあらゆるものを扱ってきた歴史のある会社。このシューツリーも新製品なのだという。まず驚いたのがその使いやすさ。どんなブーツにもスムースに一発ではめられるのには驚いた。そしてリーズナブルな価格。約1万円なら、数足分は買えるでしょ?
聞けば、誰もが知るブーツ界の重鎮も開発に携わっており、その性能は折り紙付きなのだ。こいつがあれば、愛するブーツたちも拗ねることなく、俺に履かれる日を健気に待つに違いない。ブーツラバーの皆さん、これマジでおすすめですよ。俺はコツコツとこいつを買い集めようと思ってます。
ディテール紹介
かかと部分に付けられた微妙なラウンドにより、装着時にツリーのかかとが自然に浮いてくるのを防ぐ。
ポイントはつま先の反り。これにより、履き馴染んで反り上がったつま先を戻しすぎないよう配慮している。
着脱は簡単。まずつま先部分をシャフトから入れセットし、最後にかかと部分をはめる感じ。楽ちんです。
エンジニアにはこんな感じで装着。シューツリーを抜くときは、引手を引っ張るだけでスポっと抜ける。
【問い合わせ】
エス・アイザック商会
TEL03-6410-7265
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※掲載情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2019年11月号」)
撮影/桑山章
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