レッドウィング(RED WING)の「ベックマン」ってどんなブーツ? ベックマンフラットボックスとの違いは?

レッドウィングのブーツのなかでも愛用者の多い「ベックマン」。レッドウィング創業者の名を冠した、100年前のワークブーツの表情を今に伝える逸品だ。クラシックドレスとして確固たる人気を誇る「ベックマン」の魅力と種類、おすすめコーディネイトまで紹介します!

創業者の名を冠した「ベックマンブーツ」は、ワークブーツと一線を画すドレスシューズ。

創業者であるチャールズ・ベックマンは19世紀後半にドイツよりアメリカに移民してきた。タンナーで働いた後、靴屋を始め、成功するも本当に良い靴が少ないという不満を持つようになる。そして店にあるどの靴よりも良い靴を自分で作るしかないと考えるようになり、1905年レッドウィング・シュー・カンパニーを創業。

そんな彼が活躍していた1910年代を彷彿させる、優雅でクラシックなスタイルをイメージして開発されたモデルがベックマンブーツだ。高品質なフェザーストーンレザーもこのモデルのみに作られるのが特徴となっていた。

日本でも人気のある定番モデルであったが、現在は生産を終了。その名をレッドウィングのECサイトでも確認することは叶わない。だがしかし、ヴィンテージで手に入れることは可能。長年多くのユーザーから愛された名品だけあって、バリエーションも豊かだ。

カラーは4色。圧倒的人気色だったのはブラックチェリー!

生産が終了する際に販売されていたカラーは全4色。どれも原皮の中から5%程度しか見つからない特にスムーズな銀面を厳選したフェザーストーンレザーを使用しているため、非常に美しい輝きだ。

1.Beckman boots 6″Round-toe 9011

Beckman boots 6″ROund-toe 9011

創業者の名を冠するこのベックマンブーツは、20世紀初頭のレッド・ウィングが手掛けていた紳士用の6インチ丈のドレスシューズをベースに、現代の厳選された素材を使い再構築されている。100年以上前の趣を味わえる、クラシック・ドレスのマスターピースなのだ。なかでもこのブラックチェリーのベックマンはエレガントで、上品な印象を与えてくれる。

  • レザー:ブラックチェリー「フェザーストーン」
  • 製法:グッドイヤー・ウェルト
  • ソール:レザー・アンド・ラグ
  • ラスト:No.8

2.Beckman boots 6″Round-toe 9013

Beckman boots 6″Round-toe 9013

見事な栗色の9013は他のモデルに比べ、少しライトな印象のカラーリングがハイライト。伝統的な雰囲気の中にもどこか柔らかさを感じ取れる一足に仕上がっている。

  • レザー:チェスナット「フェザーストーン」
  • 製法:グッドイヤー・ウェルト
  • ソール:レザー・アンド・ラグ
  • ラスト:No.8

3.Beckman boots 6″Round-toe 9014

Beckman boots 6″Round-toe 9014

レッド・ウィングの中でも特に人気の高いベックマンブーツ。このブラックのフェザーストーンレザーを使用した「9014」は、他のブーツとは一線を画すクラシカルでスマートなフォルムと上質なレザーを持つベックマンの存在感がより一層引き立つ。

  • レザー:ブラック「フェザーストーン」
  • 製法:グッドイヤー・ウェルト
  • ソール:レザー・アンド・ラグ
  • ラスト:No.8

4.Beckman boots 6″Round-toe 9016

Beckman boots 6″Round-toe 9016

シガーの色合いをイメージしたカラーリングのフェザーストーンレザーを使用したベックマンは、エレガントな雰囲気を醸し出し、クラシック・ドレスを体現している。

  • レザー:チェスナット「フェザーストーン」
  • 製法:グッドイヤー・ウェルト
  • ソール:レザー・アンド・ラグ
  • ラスト:No.8
  • ドレッシング:シュー クリーム

ちなみに、それぞれ後継モデルがあり、94XXとなっている。

ベックマンソール

使用しているソールが「レザー・アンド・ラグ」から「ベックマンソール」に変更されたタイミングで、品番が変更になり、後継モデルとしてそれぞれ「9411」「9413」「9414」「9416」になっている。

ベックマンソールはレッドウィングの創業時のシューズをイメージして作られたベックマンブーツのために開発されたクラシカルなソール。当時、主流だったレザーソールの雰囲気を残しつつ、ビブラムの半張りとロゴ付きのヒールがセットされる。

ベックマンの経年変化をサンプルでチェック!

Beckman boots 6″Round-toe 9013の経年変化、いい味出てます。横に入ったシワが美しく、全体的に艶っぽさが増したように感じる。

Beckman boots 6″Round-toe 9016の場合はこんな感じ。カラーによってまた雰囲気が違って味わい深い。

アッパーとラストもベックマンと一緒の「ベックマン フラットボックス」に注目!

ベックマンブーツが事実上廃番となったいま、「もうベックマンはヴィンテージじゃないと履けないの?」という声が聞こえてきそうだが、実は「ベックマン」には先芯を入れない「フラットボックス」仕様のものがある。

自動車が普及しておらず未舗装が多かった1900年代初頭に重宝された道端の土埃や泥から足を守ることができる6インチ丈のブーツ。その多くは先芯を入れないフラットボックス仕様であり、爪先まで柔らかく履きやすいもの。この時代の先芯なしタイプをベックマンで再現したのが「Beckman Flatbox(ベックマンフラットボックス)」、品番では「9060」になる。

従来のベックマンが先芯が入っていることで型くずれがしにくいのに対し、履き続けることでつま先が自在に反り返ることによって独特な形状になっていく。アッパーとラストは通常のベックマンと同じものを使用している。

  • 価格 5 万5550
  • レザー ブラック「クロンダイク」
  • ソール グロコード・メダリオン
  • 製法 グッドイヤーウエルト
  • ラスト8 番
  • ワイズD ワイズ
  • サイズUS6.0(約24.0 ㎝)〜US11.0(約29.0 ㎝)
  • 生産国 アメリカ
この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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