ナイキのクラシックキックスの市場価格を調査してみた【2019年版】

  • 2021.10.18  2019.09.19

エアジョーダン1にエアフォース1、そしてダンク──。アメカジ世代なら誰もが一度は憧れた、ナイキのクラシックキックスを代表する3銘柄。今なお作り続けられるその名作たちの市場価値とはいかに? スニーカーショップ「S k i t」プレジデント鎌本勝茂さんにお聞きした。

CONTENTS

ナイキのバスケットボールシューズを代表する3銘柄。

AIR FORCE 1 HIGH(エアフォースワンハイ)/約 6 万円(箱付・未使用)/★★★★★☆☆☆☆☆

1982年、’ 8 0 年代当時の最新技術、ナイキエアを搭載した世界 初のバスケットボールシューズとして 登場したエアフォース1。現代におい ても、常にナイキの売上ベスト10に 入るベストセラーモデルだ

’70年代後半から全米でNBAの人気が高まり、’80年代に入ると主要なシューズメーカーは当時の最新技術を落とし込んだバスケットボールシューズを開発。その潮流の中でナイキは’82年に同社が誇る、ナイキ エアを搭載したエアフォース1を市場に投入。当時のバスケットボールシューズでは最先端の機能を誇っていた。

ナイキは更なるシーンの拡大を狙い、今でも人々の記憶に残る2つのアプローチを試みる。

DUNK HIGH(ダンクハイ)/約15万円(箱付・未使用)/★★★★★★★☆☆☆

人気の“ 紺× 黄” 配色のミシガン大学モデル。エアジョーダン1と共に名作と言われるダンクは1985年に登場。アメリカの大学バスケットボール界で主だった 大学を中心に、大学別のカラーリングを展開し人気を博す

そのひとつは’85年に登場したダンク。全米大学バスケットボールリーグで活躍する主だった大学のスクールカラーをアッパーに配色したカラバリを展開。白ベースのシューズが主流であった時代に、カラフルなダンクの登場はインパクトを持って受け入れられた。

AIR JORDAN 1 (エアジョーダンワン)/ 約30万円( 箱付・未使用)/ ★★★★★★★★★☆

今なお色褪せないキングオブスニーカー。伝説のNBAプレイヤー、マイケル・ ジョーダンのシグネチャーモデルとし て、1985年に登場したエアジョーダン1。その当時の紙タグ付きデッドストック で、シカゴ・ブル ズのアウェイカラ ーを落とし込んだ “ブレッド”

もうひとつはシグネチャーモデルの投入──それは誰もが知っているレジェンドNBAプレイヤー、マイケル・ジョーダンとの契約に他ならない。“エア”のニックネームを持つマイケル・ジョーダンのために、エアジョーダン1を開発。ナイキもNBAの規定で着用を禁止された赤×黒の配色をジョーダンに履かせ、毎試合5000ドルもの罰金を払い続けて話題となった。

この3銘柄は、令和元年を迎えた現代でも当時の輝きを失わず、スニーカー人気を支え続けている。

過去に巻き起こったローテクブームの現在。世代を超えて支持され続けるクラシックキックス。

過去に巻き起こったローテクブームで人気を集めたエアジョーダン1やエアフォース1、ダンクはどのような立ち位置なのか?

「現在ではローテクという概念はなくなり、むしろその3足は、常に最新で新しいものというのが、現在のスニーカーシーンの常識です。SNSを通じて様々な年齢の人たちが同じものを見ることで市場は一気に広がり、市場を支える10代20代の若年層がローテクという概念を持っていないので、その3足は現在も市場で大きな影響力があるモデルとなっています」

それでは今後の市場はどのように変化をしていくのだろうか?

「スニーカー市場はまだ大きくなると思いますが、プレ値市場はもう天井が見えている感じです。SNSやメルカリ、ヤフオクで簡単に売買ができる時代ですが、偽物が相当数増えているのも問題です。その結果、直営店か正規店で、定価で買うという人が昔に比べて格段に増えています。また毎週のように良質なモデルが販売されるので、今買い逃しても次があるという事も昔との大きな違いです。今後も良質なモデルが毎週リリースされて、過去の名作が定期的に復刻され、さらにはスマートフォンで今よりももっと簡単に買える市場に変化していくので、さらに進化した市場になっていくと思います」

AIR JORDAN 1 RETRO HIGH “BANNED”(エアジョーダンワン レトロハイ「バーンド」)/約20万円(箱付・未使用)/★★★★★★★★☆☆

NBA規定違反のA J1をシニカルに復刻。2011年11月にアメリカのファクトリーストアに て、B GRADE扱いでリリースされた、いわくつきモデル。1985年10月18日にNBAデビュ ーした日付と、BANNED(禁止)を意味する ×を落とし込んだ。

AIR FORCE 1 LOW RETRO “COJP/COCOA”(エアフォースワン ロウレトロ コンセプトジャパ ン ココア)/約2.5万円(箱付・未使用)/★★★★☆☆☆☆☆☆

スネーク柄を落とし込んだ 日本企画モデル。2001年と2006年に、“COJP(コンセプトジャパ ン)” からリリースされた、通称“白蛇” の復刻版。つま先からヒールにかけてスネーク柄のプリントが施された人気モデル。

DUNK HIGH PRO SB “UNKLE”(ダンクハイプロSBアンクル)/約20万円(箱付・未使用)/★★★★★★★★★☆

ストリートカルチャーを体現した意欲作。ヒップホップ界から絶大な支持を得て いるUNKLEことジェームス・ラヴェルのレーベルMO’WAXとのコラボモデル。アッパー全体のグラフィックは巨匠Futuraが手掛けた。

近年“プレ値”が付いた、人気モデルの市場価値を知る。

発売から年数が経過して世の中にそのモデル自体が流通していない、または単純に販売数が少ない事でプレ値がつく。そんなスニーカー市場で話題となり価値を高めたモデルを紹介しよう。

1.THE TEN :AIR JORDAN 1 “OFF-WHITE”/約15万円(箱付・未使用)/★★★★★★☆☆☆☆

2 0 1 7 年に販売されたプレミアムモデル。ヴァージル・アブローがデザイナーを務めるOFF-WHITE(オフホワイト)とナイキのコラボレーションモデル。エアジョーダン1の概念を覆した歴史的モデル。世界のスニーカーファンを唸らせるフットウェアして価値を持つ。こちらはマイケル・ジョーダンの母校ノースカロライナ大学にオマージュを捧げた“UNC” モデル

2.AIR JORDAN 1 RETRO 1 HIGH”KAWHI LEONARD PASS THE TORCH”/約20万円(箱付・未使用)/★★★★★★★☆☆☆

シルバーに輝くカワイ・レナードモデル。NBAで活躍するカワイ・レナードの功績を称えたモデル。カワイ・レナードがニューバランスに移籍してその後2018-2019NBAチャンピオンに。さらにはこのモデルに入った自身のロゴの著作権問題があり、ここ数カ月で異常なプレ値に。

3.DUNK LOW PRO SB “TOKYO”/約40万円(箱付・未使用)/★★★★★★★★★☆

希少性の高さから超プレミアム価格に。2004年1月18日〜2月1日に南青山でナイキ主催のエキシビジョン「WHITE DUNK TOKYO」で202足だけ販売された日本限定モデル。このイベントでは真っ白いダンク・ハイに25名の日本人アーティストが自由に作品をクリエイトするという内容であった。

4.AIR FORCE 1″UENO-SAKURA”/約15万円(箱付・未使用)/★★★★★★★★★☆

上野の桜を落とし込んだ日本限定モデル。2005年3月26日に上野地区だけで500足のみ発売された上野シティーアタック。デザインはMITA SNEAKERSの国井さんとSNEAKER WOLF。レーザー加工によって桜の花びらを落とし込んでおり、販売時は木製ボックスに収納されていた。

5.AIR FORCE 1 “FRAGMENT DESIGN 2008″/約8万円(箱付・未使用)/★★★★★★★☆☆☆

シックな印象にまとまったクロコダイル柄モデル。藤原ヒロシ主催のFRAGMENT DESIGNとのコラボレーションモデル。クロコダイル柄を型押したアッパーは、当時は斬新で現在でも高い人気を誇っている。

 

今回は「Skit」における市場価格を調査した。これからも、コラボや限定など、どんなワクワクさせてくれるスニーカーが登場するか楽しみですね。

【DATA】
スニーカーショップSkit 東京・吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-18-1 D-ASSET 吉祥寺1F
TEL0422-47-6671
営業/11:00〜20:00
休み/なし
http://www.k-skit.com

※掲載情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2019年9月号」)

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