【コルベット】スポーツカー、“新型”アメリカ車と“旧車”欧州車を比べてみた。【ポルシェ】

アメリカを感じられる新旧のクルマが競演。アメリカ車を代表するトラディショナルな車両と、時代も生産国も異なるクルマを「4WD」「トランスポーター」「スポーツ」といった3つのテーマで比較していく。新旧のクルマを並べることで、各車両が持つ強烈な個性が浮き彫りになるため、お互いの魅力がより明確になってくる。決してクルマ専門誌では実現しない(!?)雑誌ライトニングならではの夢の競演企画をお届けしよう。

今回は、誰もが認めるアメリカ車を代表するスポーツカー「コルベット」とスポーツカーの代名詞ドイツ生まれの「ポルシェ」が競演する。世界に2台目の自動車が誕生した瞬間から、自動車レースは始まったといわれている。自動車の性能進化は、すなわちスポーツカーの進化の歴史でもあるのだ。そこで新旧スポーツカーのそれぞれが持つ魅力を探ってみよう。

【アメリカ代表】世界に誇る最強のV8搭載車「2018 Chevorlet CORVETTE Z06(シボレーコルベットZ06)」

2018 Chevorlet CORVETTE Z06

現行モデルは’13年にモデルチェンジを果たした7代目のC7(取材時。2020年に8代目が発売)。ホットモデルのZ06は、スーパーチャージャー付き6.2リッターV8を搭載し、標準ボディより拡幅されたワイドボディを持つ。撮影車両はオプションのZ07パッケージを装着している。スペックは以下の通り。

  • 全長×全幅×全高/4515×1970×1230㎜
  • ホイールベース/2710㎜
  • 車両重量/1610㎏
  • エンジン/V型8気筒
  • 排気量/380cid(約6.2L)
  • トランスミッション/8速フロアAT
  • 乗車定員/2名
  • 車両価格/1375万円(税別)

コルベットは常にGMで最もパワフルなエンジンを最初に搭載し、最も速いクルマである宿命を背負っている。現在リリースされている最も速いコルベットは、LT4型スーパーチャージャー付き6.2リッターV8を搭載するZ06。標準モデルよりも拡幅したボディに、650馬力を発生するパワフルなエンジンを搭載。

伝統の丸目四灯テールは、C7型でついに四角い四灯テールにデザインが変更となった

特にZ07パッケージと呼ばれるオプションを装着した車両は、カーボンブレーキローターや、リアに最大で136㎏という巨大なダウンフォースを持つリアスポイラーを装着。アメ車といえば直線番長と思われがちだが、コーナリング性能も世界的スーパーカークラス。実際に昨年7月にはドイツのニュルブルクリンクで7分13秒9という世界の市販車トップ10に入るタイムを記録しているモンスターだ。

シートはマグネシウムフレームとレザーを使った専用の軽量バケットシートを採用。ホールド性も非常に高い。シンプルなダッシュは初めてでも判りやすく運転しやすいデザイン。スピードメーターはなんと360㎞/hスケールとなる。コンパクトなV8エンジンをフロントミッドシップに、トランスミッションはリアに搭載するトラスアクスル方式を採用。フロントクォーターに備わるスリットに、スーパーチャージャー装着を主張するZ06のエンブレムが備わる。特徴的なセンター4本出しのエグゾーストパイプを採用。排気音は設定でコントロール可能で、普段は驚くほど静粛だ。Z06専用のホイールは前19、後20インチの前後異径を採用。Z07パッケージではミシュランPSCUP2タイヤを履く
コルベットのクロスフラッグエンブレムは、一方がチェッカーフラッグ、そしてもう片方がシボレーのボウタイエンブレムと、フランス王家の紋章であるフルール・ド・リスがあしらわれている

Z06の魅力はここ!

1.最新LT4エンジンの圧倒的なパワー。
2.スーパーカーとしては破格の値段設定。
3.アメリカンV8を代表するフラッグシップモデル。

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2023年07月24日

【欧州代表】まるで時計のように精巧といわれたピュアスポーツ「1970 Porsche 911T(ポルシェ911T)」

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1970 Porsche 911T

’63年に356の後継モデルとしてデビューした911は、その後現在まで同社のフラッグシップとして君臨し続けているロングセラー。’73年までの初期型は、トレッドの狭いボディから「ナローポルシェ」と呼ばれ、世界的に人気も高い。スペックは以下の通り。

  • 全長×全幅×全高/4163×1610×1320㎜
  • ホイールベース/2268㎜
  • 車両重量/1095㎏
  • エンジン/水平対向6気筒
  • 排気量/2195cc
  • トランスミッション/5速フロアMT
  • 乗車定員/2+2名
  • 車両価格/770万円(税別)

空力に優れたボディデザインと、後輪にトラクションを生み出すリアエンジン、リアドライブレイアウトを採用したポルシェは、エンジンの重心を下げるべく水平対向6気筒エンジンを採用。デビューした’63年当初としては世界的にも運動性能の優れた市販車だった。

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フェンダーが大きくフレアした後のモデルに比べて、車幅の狭いボディは、「ナロー」と呼ばれる

この’70年モデルは、ポルシェ911史上、初めて排気量アップを行なったモデルで、ボアを拡大し、2195㏄となった。エンジンのチューニング度合いなどの違いで、T、E、Sという3種類のモデルが存在し、E及びSモデルがボッシュ製燃料噴射装置を装着する中、最もベーシックな911Tは、ゼニス40TINキャブレターを装着し125馬力を発生した。

フロントシート後部に2名分の座席を設けるが、かなり狭い。背もたれを前方に倒すことで、ラゲッジスペースとなる。視認性の高い大きな5個のメーターが並ぶコックピット。ステアリングは中央にパッドが備わる4本スポークを採用。エンジンはリアに水平対向6気筒を搭載。911Tはゼニス製キャブレターを搭載し低速でも扱いやすくなった。ホーングリルやウインカー周囲にクロームメッキされたトリムが備わるのは翌’71年モデルまでの特徴。左右二分割のバンパーやテールランプもナロー時代の大きな特徴。テールパイプは、左後方からの一本出しとなる。ホイールはアルミ軽合金を使った軽量な通称ポルシェアロイを採用。ラグナットまで純正でアルミ製と軽量化は徹底している
中央に馬が描かれたシュトゥットガルト市の紋章を、その背景となる鹿の角とストライプはバーデンビュルテンブルグ州の紋章を、さらに黒、赤、黄(金)というドイツの国旗色を使ったエンブレム

911Tの魅力はここ!

1.伝統の水平対向6気筒をリアに搭載。
2.約50年前のクルマながら今でも色褪せない魅力。
3.現代のポルシェにはないスマートなボディライン。

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2023年02月21日

世界の市販車トップ10に入るタイムを記録しているモンスターカー「コルベット」。そして、48年前の車両ながら、今でも人気を誇る「ポルシェ911T」。その精巧さ、そして色褪せない魅力に、いつの時代も私たちは心を奪われるのだ。

(出典/「Lightning 2018年5月号 Vol.289

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ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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