ヴィンテージの風合いを生かす、ワークブーツのメンテナンスのポイントを伝授!

手入れの行き届いた靴は周囲に好印象を与えるだけでなく、自分のモチベーションまで高めてくれる。それは革のエイジングを楽しむワークブーツでも同じこと。ところが、靴の作りや素材などには一家言あっても「ケアにはイマイチ自信がない」という人は少なくない。

お気に入りのブーツを長くきれいに履き続けるためには、どんなメンテナンスが必要なのだろうか? そこで靴修理・カスタム店「BRASS(ブラス)」代表の松浦稔さんに教えてもらった。

ヴィンテージの風合いと型崩れは別物!

02松浦さん1
「ブラス」代表・松浦稔さん 靴修理・カスタム店「BRASS(ブラス)」代表。靴のリペアはもちろん、ブーツブランド「クリンチ」も手掛ける。ヴィンテージや修理、リビルトに関しては天下一品。

無骨なデザインとガシガシ履けるタフさが魅力のワークブーツ。シワや色の濃淡など、履きこむほどに深まる革の表情がなんとも愛おしい。しかし、そんな「ヴィンテージの風合い」と「型崩れやヘタリ」とは似て非なるもの。長きにわたって愛用するには、まずサイズの合ったよい革のブーツを選び、正しく履くことが大事なのだそう。

「サイズの大きいブーツは靴が足にぶら下がっているような状態。型崩れするし、歩いていても疲れやすい」と松浦さん。そんな時は中敷きや腰裏のライニングで調整できるという。レザーソールのすり減りも型崩れにつながるため、ハーフラバーを貼って防止するのが正解だ。また、ブーツの着脱時に紐を解かず強引に足入れするのも型崩れの原因に。横着は厳禁と肝に銘じておこう。

さて、本題のメンテナンスだが「日頃はブラッシングのみ。しっかりしたケアは夏と冬の年2回くらいで充分」とのこと。お手入れ方法は次項を参考にしてほしい。

革本来の風合いを高めるメンテナンス法

松浦さんオススメのシューケア用品

03ワークブーツ道具のコピー

1. 自然な風合いに仕上がる無色のナチュラルクリームはメイルズシューケアのもの。
2. スウェーデンブランドのイリスに別注した柔らかな山羊毛(右)と白馬毛(左)のブラシ。

基本のメンテナンス法

04プロセス1

1. 白馬毛ブラシで全体をブラッシングする。出し縫い糸やベロ部分なども入念に。

05プロセス2

2. クリームを塗り込む。黒靴の場合は無色のものを。

06プロセス3

3. 仕上げには滑らかな山羊毛ブラシを使用。これにより革本来のツヤ感が増す。

ワークブーツのケア、ここがポイント!

07wa-kubu-tu 1

POINT1. サイズの合ったブーツを選ばないと型崩れの原因に。

POINT2. ブーツ磨きは年2回ほどで充分。

POINT3. 紐を解かない横着な履き方はヒールの芯材を破壊する

POINT4. レザーソールのすり減り防止にはハーフラバーを貼るのが◎。

 

「履き込んで味わい深くなった」のと「履き潰してクタクタになった」のとでは、その見た目は雲泥の差! カッコよく経年変化したブーツを目指して、まずは日々のメンテナンスから始めてみよう。

(出典/「男のこだわりお手入れ術」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...