伊藤 蘭、デビュー50周年ツアーがスタート! 伝説のキャンディーズ曲を多数披露

『昭和40年男』の最新号、7月11日発売号の第二特集「タイムトラベル1973」で登場いただいた、伊藤蘭さん。今年、キャンディーズのレコードレビューから50周年を迎えること、そしてニューアルバム『LEVEL9.9』をはじめとする、ご自身の音楽活動についての話をうかがったのですが、その蘭さんの待望のコンサートツアーが8月19日の横浜公演からスタートしました。その模様を、『昭和40年男』のライターでもある、馬飼野元宏さんがレポートします。

「HELLO CANDIES」から「春一番」でスタート

PHOTO:吉原朱美

ついにこの日がやってきた。

2023年は、伊藤蘭のデビュー50周年に当たる。1973年の9月1日、キャンディーズの一員として「あなたに夢中」で歌手デビューしてから半世紀の月日が流れたのだ。すなわち、キャンディーズのデビュー50周年でもある。そして、この夏から秋にかけ、『伊藤蘭 50th Anniversary Tour〜Started from Candies〜』が全国6ヵ所、7会場で開催される。その初日、横浜のKAAT神奈川芸術劇場 ホールでの公演をレポートする。

会場入口では、お揃いの自家製法被姿に身を包んだ往年のファンたちが集い、50周年とあってキャンディーズ時代のシングル・ジャケットが展示されたブースで記念撮影するファンの姿も。グッズ売り場でもキャンディーズTシャツなどが販売され、いつもとは違う50周年の祝祭ムードに溢れている。1200人と満席の観客は、今か今かと開演を待ちわびているかのよう。

開演前のBGMに70〜80年代のソウル、AORが流され、ステージ背面に大小様々の正方形のブロックがデザインされたセットも、洗練されたムードを演出する。客電が落ちると、バンド・メンバーの入場に続き、軽快な16ビートのディスコ・チューン「HELLO CANDIES」からスタート。ステージ中央からグレーと黄色の軽やかな迷彩柄のワンピース、黒のロングブーツに身を包んだ伊藤蘭が現れると、観客は一斉にペンライトを振って「ランちゃん」コールで迎え入れる。続いてキャンディーズ時代の名曲「春一番」のイントロが始まると、いきなり会場は総立ちに。2019年より歌手活動を再開した伊藤だが、折しもその後コロナ禍に突入、観客も声を出せない状態での応援が続いていたが、そのストレスから開放されたかのように、熱いコールを届ける。

充実のニューアルバムで現役感をアピール

PHOTO:吉原朱美

「すごい声援を久しぶりに聞くことができました! 本当に嬉しいです」と最初のご挨拶。前年のツアーに続き、ここ横浜で初日を迎えられたことに感謝を述べ、「このたびとうとう50周年らしいんですよ!」「お互いおめでとう、という気持ちでいいんじゃないでしょうか」と率直な心境を語った。

前半は、今年7月19日に発売されたばかりの3rdアルバム『LEVEL 9.9』からのナンバーが続く。中でもディスコ調の「Dandy」、シティ・ポップ風の「Shibuya Sta. Drivin’ Night」と、今回のアルバムでも印象深い、都会的なナンバーが続く。赤や紫、あるいはレインボー・カラーの照明も、都会的な雰囲気を演出。そして、変わらぬキュートで愛らしいヴォーカルもまた、大人のシンガー伊藤蘭の新たな魅力に満ち溢れたものだ。最新アルバムの楽曲も、実際にステージ上で披露されると、新たな魂を吹き込まれたかのように瑞々しく「今の伊藤蘭」の魅力を届けてくれる。

トータス松本&奥田民生の提供作「春になったら」、売野雅勇作詞の80sマインド溢れる「明日はもっといい日」に続いてはバンド・メンバー紹介へ。音楽監督の佐藤準(Key)をはじめ、そうる透(Dr)、江渡大悟(G)、笹井BJ克彦(B)、竹野昌邦(Sax)、コーラスの渡部沙智子と高柳千野に加え、今ツアーでは新たにパーカッションnotch、トランペット鈴木正則が加わり、より分厚くグルーヴィーなサウンドを聴かせる。

自身の作詞による「FUNK不肖の息子」を歌い終えた伊藤が下手にハケて、バンドメンバーも退場すると、ステージ中央よりスクリーンが降り、ちょっとしたサプライズ演出が。そして、ここからはお待ちかねのキャンディーズ・ゾーンに突入する。

ソロキャリアがキャンディーズと地続きになっている

今回のツアーのセットリストは、いつもより多めにキャンディーズ・ナンバーが登場するスペシャルな構成。往年のファンにはお馴染みの、キャンディーズ応援ソング「SUPER CANDIES」のイントロが流れると、観客も待ってました!とばかりに、真っ赤に彩られたペンライトを振って「C・A・N・D・I・E・S!」のコール。そして、赤いミラーが付いたワンピース姿の伊藤が現れると、怒涛のキャンディーズ・パートへ。「その気にさせないで」「年下の男の子」など大ヒット・ナンバーが次々に繰り出され、途中のMCでは、1978年4月4日、後楽園球場での『ファイナル・カーニバル』の思い出も。また、今回のツアーではファイナル・カーニバルのセット・リストを意識して組まれたことが語られると、会場からはちょっとしたどよめきが起きた。そして「この曲の譜面をもらった時の、ときめきと胸の高まりは忘れられません」と語り、デビュー曲「あなたに夢中」を、ソロになってから初披露した。

ソロとしてコンサート・ツアーを始め4年になる伊藤蘭だが、今回のステージは例年にも増して力強い。あの時代、高いライブ・パフォーマンスでファンを熱狂させたキャンディーズのパワフルでアクティヴなステージングが、50年近い時を経て、再び横浜のステージに蘇ったかのようだ。ソロになって初めてライヴを体験する者、キャンディーズ時代からの熱烈なファンなど、それぞれが思いを噛み締め、50年の時を経ての邂逅に感激を隠せない。

かつて、後楽園球場を紙テープの乱舞にした「哀愁のシンフォニー」、そして「微笑がえし」など伝説の名曲が続き、本編最後は前回のツアーでも披露された「美しき日々」で締めくくった。ソロ作に挟まれたキャンディーズ時代のナンバーも、「今の楽曲」として生き生きと蘇っており、伊藤蘭のソロ・キャリアがキャンディーズ時代と地続きになっていることを証明するステージとなった。

アンコールでの伊藤はピンクのロングコートに、インナーは今回のツアーTシャツをデザインしたハートマークのキュートなTシャツ姿。キャンディーズ時代のファンにとっては実に感慨深いナンバーを立て続けに歌い、観客を煽り、エキサイティングなステージを終えた後、「皆さん今日は素敵な思い出を本当にありがとう」と、何度も客席に向かって深々と頭を下げ、ツアー初日は無事に幕を下ろした。

10月21日(土)の日比谷野外大音楽堂まで続く今回のツアー、次回は8月26日(土)のトークネットホール仙台 大ホール(仙台市民会館)での公演、そして50周年記念公演となる9月2日(土)東京国際フォーラム ホールAに続き、9月7日(木)は名古屋・愛知芸術劇場大ホールでの公演と続く。まさに50周年のメモリアル・イヤーに相応しい、2023年の伊藤蘭の「今」を感じさせるコンサート・ツアーの開幕となった。

【ツアー概要】伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~

東京・50周年記念公演
伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~ Celebration day!
9月2日(土)東京国際フォーラム ホールA [開場]17:00/[開演]18:00
問)ディスクガレージ
050-3668-5023(平日12:00〜15:00)

名古屋公演
9月7日(木)愛知県芸術劇場 大ホール [開場]17:30/[開演]18:30
問)サンデーフォークプロモーション
052-320-9100(12:00~18:00)

大阪公演
9月9日(土)フェスティバルホール [開場]16:00/[開演]17:00
問)キョードーインフォメーション
0570-200-888(11:00~18:00※日祝除く)

福岡公演 SOLD OUT!
9月30日(土)キャナルシティ劇場 [開場]16:45/[開演]17:30
問)キョードー西日本
0570-09-2424(月〜土11:00〜15:00)

≪特別追加公演≫
祝・ 日比谷野音100周年
伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~ 特別追加公演
10月21日(土)日比谷野外大音楽堂 [開場]16:00/[開演]17:00
問)ディスクガレージ
050-3668-5023(平日12:00〜15:00)

伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~
https://www.diskgarage.com/feature/ito-ran/

この記事を書いた人
昭和40年男 編集部
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昭和40年男 編集部

1965年生まれの男たちのバイブル

『昭和40年男』は、昭和40年(~41年3月)生まれの男性のための情報誌。誌面では同年齢の活躍を紹介したり、そろそろ気になってくる健康面をサポートする記事の他、かつて夢中になったあれこれを掘り下げる記事を多数掲載!「故きを温ね新しきを知る」──本誌は、昭和40年生まれのための温故知新を提供できる存在になるべく、「ノスタルジックな想い出が呼ぶ共感」を「明日を生きる活力」に変えることを命題に誌面づくりに奮闘中!!
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