従来のホールカットとは異なる機能性の考察。
特徴的なのはホールカットデザイン。一般的には革を贅沢に使うことやシームレスホールカットに代表されるようなハンドクラフトによるスキルで魅せるようなデザインとして浸透しているが、かくいう軍の山岳部隊が使用するブーツにおいて、それらの見た目のデザイン性を重視したホールカットではないと松浦氏は考察する。
「パターン数が少ないこと、地面に接する近い箇所に継ぎ目がないことによる防水性や継ぎ目による足あたりのトラブルを避けるための機能的なデザインでしょう。これが1950年代になると、マウンテンブーツ然としたデザインに変わるのですが、実用性を加味し、ドレスの雰囲気も纏った1930年代の個体に出会うことで創作意欲を掻き立てられました」
木型はこの靴のために新たに製作したつま先がラウンド形状で上面はフラットなFR(Fava-Bean Round)。アッパーには上質な茶芯のホースハイド。着用ごとに刻まれる経年変化も楽しみな至高のワークブーツが誕生した。
1930‘s FRENCH MOUNTAIN TROOPER BOOTS(フランス軍山岳部隊)から着想を得たMILNE BOOTS。ヴィンテージと出逢わせてくれたブーツの取扱店でもあるBurma shaveにて発売 。¥214,500_
【DATA】
BRASS SHOE CO. FLAGSHIP STORE
https://www.brass-tokyo.co.jp
(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)
Photo by Shunichirou 甲斐俊一郎
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