ごま塩の雰囲気や遣れた色、ウールの質感が好き。
ファッションにおいて、古着がブランドになりつつある現在。古着というだけで、他人とは少し異なった自身のファッションへのアイデンティティを求める流れは年々増えてきているように感じられる。もとは古いものだから好きというわけではなく、10代の頃、安くてオシャレが出来るということが、古着を買いだしたきっかけだと話す辻田氏。
「アメリカでヴィンテージを見ていた’90年代初めころ、Brown’s Beach Jacketはたまに見かけていましたが、古着店のバイヤーは誰も見向きもしない存在でした。ボクはその頃から、いわゆるごま塩と呼ばれる生地やウールの質感と服としての雰囲気が良いなと思っていました。コーディネイトに合わせやすいし、動きやすいし、暖かいし、そしてオシャレに見える。
縁あって、Brown’s Beach Jacket本家を引継ぐことになり、ブランドをリスタートさせるにあたって、ヴィンテージの珍しいアイテムなども改めて探し、研究して商品化するようになりました。このグリーンもその際に手に入れたもので、マイサイズだったこともあり、よく着ていました」
about 1940-1950s Brown’s Beach Jacket|縁あって引き継いだブランドの、希少なスポーツジャケット。
「基本的1パターンしか存在しないはずのスポーツジャケットの中で、これはそのパターンに該当しておらず、恐らくどこかの別注、もしくはOEMものなのかもしれません。普通のグリーンの染料で染めていたらこんな色の落ち方はしないと思うんです。恐らく顔料のようなもので染めているので、芯まで染まっておらず、デニムと同じような色落ちも好きです」
(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)
Photo by Kansuke Ihara 井原完祐 Text by CLUTCH magazine 編集部
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