18世紀に存在していたかもしれない革製上着。

  • 2022.10.22

2022年AWコレクションよりスタートを切ったThe 2 Monkeys。プロダクツの背景となるのは、約200年~300年もの昔の世界。当時の上流階級の衣服や軍服は残されているものの、労働者や特殊な生活をした人々が着ていた服についての資料はほとんど無い。ゆえに豊かな想像力がデザインの重要な鍵となる。こと革は人類が生き抜くために搾取した食肉の副産物であることから、あながち間違いとも言い切れないプロダクツの面白みは必見だ。

「The 2 Monkeys」Designer・鈴木理也さん

歴史映画を好むデザイナーの鈴木氏。参考文献はもちろん、趣味である映画の世界観から着想を得ることも多いのだとか。ディカプリオ主演の映画『レヴェナント』の時代背景はそう遠くないという。

元ネタに縛られない想像上のワークウエア。

1700年代終わり頃、ヨーロッパからアメリカへ渡った男達が着用していただろう衣服をイラストで表現。特徴的なディテールとして、襟なしデザインでフロントボタンが多く装着されている

Coureur des bois(クーリュール・デ・ボワ)、森を駆ける男達」をテーマに17〜18世紀、北アメリカ内陸部がフランス領だった頃。フランスからその地へ毛皮貿易のために渡った男達が着用していただろうジャケットをイメージしたノーカラーのレザージャケット。レザー・ウエストコートと名付けたジャケットは、表情のあるキャメル色のホースシュリンクレザーを採用。

「銀面に立体的な凹凸やブラッドスポット(血痕)のある革を使いました。当時は未開の地であったアメリカ内陸部で革を鞣したとすると、こんなワイルドなレザーになっていたはずです。もはや、この時代ともなると元ネタはありませんから復刻しようがないですし、自由に発想できるんです」

現在はベストを意味するウエストコートは、オーバーコートの下に着る裾の長い上着を腰丈にし、さらに袖を取ったもの。今季のジャケットは袖があった頃のウエストコートをイメージしたもの

【DATA】
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※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「CLUTCH2022年10月号 Vol.87」)

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