ル・コルビジェも愛した仏のワークジャケットを再構築。

レザージャケット=アメリカというイメージが強いが、ヨーロッパでも多くの名作が輩出された。その中でも近年、注目を集めているのが、巨匠ル・コルビジェが着用していたレザージャケット。その愛用品のセンスの良さが今でも評価されているル・コルビジェが愛したレザージャケットは、意外なことに安価な革のワークジャケットだった。そんなレザージャケットに着目し、日本の高い技術で再構築したのが、Aubergeの小林氏である。

国家公務員に支給されたタフなワークジャケット。

1988年に出版された写真家ロベール・ドアノーの写真集。これは’60年代にル・コルビジェのアトリエで撮影されたカット。作業着としてかなり着込まれており、おそらく’40~’50年代のものを着用していたと思われる パターン的には典型的 なワークウエアである

ここ数年で価値が急騰したフレンチヴィンテージ。その中でも人気なのが、コルビジェジャケットと呼ばれるレザーコートだ。その出自は高価ではなかったとAubergeの小林氏は解析する。

「この手のコートはフランスでは定番で、20世紀初頭に飛行服やカーコートとして着用していた写真が確認できます。その後はワークジャケットとしても活用され、公務員などにも支給されていました。写真で見る限り、コルビジェが着ていたのは、このタイプ。雑なラッカー塗装で、品質の高くないが、惹かれるものがあります。この雰囲気を再現しつつ、日本の高い技術と素材で再構築しました」

1966年発表のボブ・ディランの『BLONDE ON BLONDE』のジャケ写で本人が着用
この写真集では、4人の男がカーコートとして着用している写真が確認できる

Auberge Le Corb

当時の剥がれやすいラッカー塗装や大きな成牛ならではのシボなどの荒々しい雰囲気を再現するために、ベジタブルタンニンのマウンテンゴートを使用。特徴的なウールを使った上襟などもしっかりと再現している。’18年のファーストコレクションでリリースし、定番の型として、様々なファブリックで展開している。なんともいい風合いだ。参考商品

フレンチのダブルブレストジャケットの特徴であるボタン付け部分のテープ使いもしっかりと再現。ミリタリーなどでは見ないワークウエアらしい作りだ
裏地にはオリジナルのファブリックを配するなど、ヴィンテージへしっかりと敬意を払いながらも、小林氏らしいモダンなテイストを随所に落とし込んだ
希少なマウンテンゴートにシュリンク加工を施すことで、ヴィンテージ顔負けの荒々しい風合いを表現。ムラ感のある絶妙な表情になっていた

【DATA】
AUBERGE
Tel.03-3770-5931
https://auberge.shop

(出典/「CLUTCH2022年10月号 Vol.87」)

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