愛称の可愛さとは裏腹にスパルタンな走りで魅了。
つぶらな瞳、コンパクトなボディ、かつ「マルニターボ」というなんとも可愛らしい愛称とは裏腹に、いざコックピットに座るとバケットタイプのシートに小ぶりのハンドルが、スポーツカーらしいフィーリングだ。操縦するとスパルタンな走りで、さらにモーターファンたちを魅了してきたBMW 2002TURBO。最大の特徴は、市販車初のターボチャージャーを標準装備して販売されたモデルであること。当時、シボレーコルベアが、唯一オプション設定にてターボを採用した程度。
デビューは’73年。2ドアセダンとしての実用性が高く、優れたハンドリング性能を持つ2002に、より強力なエンジンを搭載するのは、魅力的だった。しかしオイルショックの影響をもろに受け、デビューから2年、わずか1600台ほどで生産が打ち切られてしまう。また外装の大きな特徴であるオーバーフェンダーのビス留めも日本の運輸省では、ボディの付加物として認められず、わざわざパテ埋めを施しての販売に至ったという悲しい過去。もちろん当時から高級車。コンディション良好を保ったままの個体に出逢う可能性があるだけで心躍るものである。
1974 BMW 2002 TURBO
市販車にターボを搭載したことで、クルマ業界にとってエポックメイキングなモデルとなった通称「マルニターボ」。ノーマルのインジェクションモデルよりも3割近くパワーアップし、1.9L/4気筒OHCエンジンで170馬力という驚愕の数字を叩き出した。レカロ製のスポーツシートのほか、スポイラーやボディにデカールされた「turbo」の文字も強烈なインパクトを放っている。
【DATA】
VINTAGE SHONAN
Tel.045-300-3750
http://www.vintage-shonan
(出典/「CLUTCH2022年6月号 Vol.85」)
Photo by Masahiko Watanabe 渡辺昌彦 Text by Tamaki ITakura 板倉環
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