ハーレーらしさを求めるならソフテイルがベストの選択なんだ」サンダンスエンタープライズ代表柴崎“ZAK”武彦

「リジッドフレームに見えて、リアサスを備えるソフテイルの登場は当時、朗報だったよね。リジッドの旧車のフォルムは確かにイイんだけど乗り心地には正直、ウンザリしていたんだ。Tバーやスプリングマウントのシートを付けても、どうしても衝撃を受けてしまうし、実際に自分もリジッドに乗っていて椎間板ヘルニアになった経験もある。それだけの負荷が車体にも掛かるということだよね。やはりソフテイルが発売されたことは歓迎すべきことだったよ」

ハーレーの伝統を受け継ぐシャシー構成こそが要

1982年に東京で創業し、それ以来、我が国のハーレー・シーンを牽引してきたといって過言でないショップ、サンダンス。その代表であるZAK柴崎氏に84年当時にソフテイルが登場したときのこと問いかけてみると、彼は当時を回顧し、冒頭の言葉を語り始めた。

サンダンスの創業とソフテイルの登場……その時系列を見れば、当時として画期的なフレーム構造をもつハーレーの誕生から現在まで彼、ZAK柴崎氏は見つめ続け、カスタムの手を施してきたことがわかると思うが、数あるハーレーを触り、知り尽くしたからこそ『ソフテイルこそが伝統的なハーレーの本流であり、王道』ともいう。

「ラバーマウントモデルをことさらに否定する気はないけど、アレはもともと“ハーレー否定派”というべきユーザー層を取り込むために開発されたものだからね。振動がなく、快適性を追求して……けれどもその代償に〝鼓動感〟もスポイルされてしまったことは否定できない。でもハーレーというバイクの本来の魅力を味わうには、やはりナックルから続く空冷OHVの45度Vツインをソリッドマウントで車体に搭載したソフテイルに軍配が上がると思うし、シャシーそのものの性能にしてもウチの足まわりが証明するようにイジれば、かなりの実力を秘めている。ダイナやFXRを遥かに超える性能。しかもエンジンが車体剛性を担うストレスメンバーとしての役割をもつソフテイルの方が安定感もある。過去にショベルやパン、ナックルを乗り継いできた経験からもハーレー本来の魅力を味わうにはソリッドマウントこそが本流だと思うし、スタイルと実用性を考えればソフテイルフレームが必然の選択になるんだ」

こう語るZAK柴崎氏の言葉……確かにそれを証明するようにサンダンスではさまざまなソフテイルベースのマシンを生み出してきた。旧車の姿を現在の技術で再現したレトロモッド、アメリカン・マッスルのトルクとパワーを感じさせるコブラスタイル、そして自らが単独でアメリカ大陸を4万6000㎞以上走らせ、その経験が息づくトランザムなど、ソフテイルでもさまざまなバリエーションを手がけてきたが、その中には一貫した決めごとが自らの流儀の中にあるという。

「サンダンスがすべてのカスタムでこだわっているのが、あくまでも”ハーレーらしさ”を残すことであり、このマシンがもつ魅力を最大限に強調するということ。エンジンがパワフルで、なおかつ味わい深い。つまりは”飽きない”という部分に重きを置いているんだ。ハーレーらしい〝鼓動感〟を味わうにはエンジンそのものが重要なのはもちろん、フレームにしても譲れない部分だよ」

怪物的なパワーとトルクをダイレクトに受け止めるコブラスタイルにしても、旧きよき時代の車両を現在の技術で蘇らせたレトロモッドにしても、そして究極のツアラーたるトランザムにしても求めるのは安全の上に成り立った”ハーレー”らしさ……ゆえにサンダンスはソフテイルを選択する。

定番のコブラスタイル、その起点

最初のコブラスタイル1号機は1992年に製作。ワンオフのテールやスポークホイールなど、確かに現在との相違点が随所に見れる。

過給機を備えるNEWコブラ1号機

EMC社製スーパーチャージャーを搭載するこの車両がNEWコブラスタイルの起点で、試作機らしくタンクはFRP仕様。1999年製作ということが、にわかに信じがたい高い完成度を誇る。

漆黒のクロコダイル・レザーを纏うサンダンスの最高峰

車体にリアル・クロコダイルレザーを纏うルックスが絶大なインパクトを放つ“ゲーター”は数あるトランザムの中で最高峰と呼べる存在。当初はZAK柴崎氏、自身の愛車として製作された2030㏄スーパーXR -TCのパワーとトルク、機械としての絶大なる安心感と優れた空力による快適な走行性は掛け値ナシに究極だ。

ワイルドとジェントルを両立する鈍色の光りを放つ戦闘機

2030㏄スーパーXR-TCの中でショートストローク&ロングロッドとなった“シルバーファントム”も、実はソフテイルがベース。あらゆる速度域で官能の走りを実現する。

ソフテイルフレームにショベルモーターを搭載する1台

ショベルをソフテイル化した上でゾディアック製ビレットヘッドを搭載したこの車両は2003年に製作。ハイテックな装いだが基本の仕様は一連の“レトロモッド”と同じだ。

SHOVEL STYLE REAR-END CONVERSION KIT

ソフテイルを2本ショックスイングアーム化し、ショベル時代のスタイルを再現するコンバージョンキットは2017年に登場。ルックス的な変化はもちろん、性能的にも高い効果を発揮する。

TRAKTEK “ROAD-HOLDING” SOFTAIL REAR SHOCK SPRING

既存にある他社製ソフテイル用ローダウンキットが性能を犠牲にするのに対して、車高を下げつつ、高性能ショック並みの足まわりを実現する“ロードホールディング”Rショックスプリングは2014年に登場。純正サスの片側スプリングを入れ替えるのみという構造もうれしい。

SUNDANCE-KYB TRAKTEK SHOCK ABSORBER FOR 2018~SOFTAIL MODELS

適切な減衰やバネレートを追求することでM8ソフテイルに一段上の走りを与えるRショックアブソーバーは新型ソフテイルと同時期の2018年に登場。イニシャル調整ダイヤル付きのハイグレードタイプとレンチでイニシャルを変更するスタンダードの2種類を用意する。

スプリンガーソフテイル用TRAKTEKダンパーを開発中!

構造上、フロントまわりにさまざまな問題を抱えるスプリンガーソフテイルのウイークポイントをダンパー部にあると捉え、KYBと共同でパーツを開発中。換装後はテレスコに劣らない性能を発揮する。

(出典/「CLUB HARLEY 2024年10月号」)

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ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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