【旅とハーレーと日々の風景】Where Racing Live

旅の途中や日々の撮影、アメリカでの経験など、日常で感じたハーレーシーンを自分なりの目線で紹介したい。ロングラン、カスタム、レースなどなど盛りだくさんで走ります!

Episode 122 Where Racing Live

2010年からほぼ毎年8月後半は、「ボンネビルモーターサイクルスピードトライアルズ」の撮影に行っている。雨の影響などでレースが中止になり、行かなかった年もあったが、いつの間にか16年も経ってしまった。

適当な英語しか話せない怪しい日本人と思われていそうだが、ヒロ・コイソのおかげもあって、レースに暖かく迎えてもらっている。特に今回のレース期間は楽しく過ごさせてもらった。

今年は「スピードウイーク」にも参加。7月後半に「シウンクラフトワークス」の松村さんや「酒井ボーリング」の高橋さんとカリフォルニアに入ってレースの準備、バイクの受け取りなどに同行し、その後、ユタに移動してレース本番。いつも行っているスピードトライアルズと違って“ホットロッドの祭典”という雰囲気が楽しい。

レースが始まると「フォーク」の長谷川さんたちやドラッグレースでおなじみの合屋さんグループ、ハーレーメカニックの先生的な内藤さんにワタナベさんが合流して賑やかになった。誰もが松村さんをバックアップしようと、遥々日本から訪れている。松村さんが走り、最高速の記録を出すことを、自分のことのように喜んだり嘆いたりできる人たちばかり。職業的に外側から見ていることの多い僕でさえ、同じ思いで同行している。結果的に世界記録は獲得できなかったものの、彼にとって得たものは大きかったのではないだろうか。

2週間ほどしてラスベガスのヒロの家へ。翌日には「サードプレイス」の堤さん、「ヒルシティサイクル」の窪田さん、「カクタス」の井上さんが日本から到着。こちらは慣れ親しんだ仲間たちだ。5人でピックアップトラックでトレーラーを引きボンネビルへ。夜中に到着して仮眠、明るくなって起きると、知った顔ばかりがソルトフラッツの入り口でレースが始まるのを待っているという、いつもの光景に安心する。

スピードウイークの時点では、コンディションのよかった塩の状態だが、乾燥しすぎてヒビ割れたり隆起したりしている。ウエットでは走れないが、乾燥しすぎるのもよくない。翌日のレース初日にヒロが走ってみると、滑りやすくラフも多かった。ちょっとだけ雨が降ればいいのに、なんて話をしたせいか、深夜に大雨が降ってコースは水浸しになり、翌日のレースはキャンセル。ランドスピードレースは、ボンネビルという過酷な場所の自然に左右されるレースなのだ。

年に1回のレースウイークで、1日キャンセルされて焦ったりイライラしたりする人もいるだろうが、ヒロは余裕で“のんびりすればいいよ”という感じで、家族とホテルのプールで遊んでいる。この余裕があるから毎年、自分の限界を軽々と超えられるのだろう。それを支える家族や友人たち。アメリカのレースっていいなぁとつくづく思う。改めてヒロが作ってくれた環境に感謝したい。

フォトグラファー・増井貴光|二輪メディアを中心にマルチに活躍するフォトグラファー。アメリカ・ユタ州のボンネビルで開催されるランドスピードレースに通い出して14年。2017年に写真集「bonneville」をbueno!booksより出版

Hiro Koiso Racing’s crew

ヒロ・コイソ・レーシングのクルーは、ヒロの長年の友人であるジェフ・ベイツをはじめミキオ、ヤス、イノの全員がメカニック。ギアが破損するトラブルでも1時間ほどでミッションを下ろして交換してしまう。ヒロがボンネビルを走るのをバックアップするためだけに毎年日本から集まってきている。

The fastest man in the world

2008年から最高速記録を更新し続けるヒロ・コイソ。ナーバスになるところを見たことがない。常に笑顔で最高速に挑戦している。そんな彼でも自然には勝てない。雨や強風でレースのコンディションが変わるのはボンネビルならではだろう。ランドスピードの面白さでもあり辛さでもあるのだろう。

Once again on the salt

2017年から8年の時を経て再びボンネビルを走った松村さん。彼が製作したソルティボニーⅡは、ホットロッドの要素が強いスピードウイークの中でもその美しさが際立っていた。残念ながらレコードは獲得できなかったが、いつかまた真っ白な大地で最高速に挑戦する姿を見せてほしい。

The friends who supported him

松村さんが走ると聞いて日本から応援に駆けつけた友人たち。ここに写っていないたくさんの人たち、日本で応援した人たち、たくさんのバックアップを受けて松村さんはレースに挑戦できた部分も大きい。アメリカのレースの中で日本ならではのスピリッツが輝いている。そんなシーンがまた見たい。

(出典/「CLUB HARLEY 2025年12月号」)

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ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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