春から初夏まで、大人のシャツ&デニムコーデ13選。シャツはインする? 羽織る?

シャツとジーンズという普遍的な組み合わせは王道だが、その着こなしは千差万別。ちょっとした違いが、見慣れた装いに新しい空気を吹き込む。まずは2ndが太鼓判を押す洒落者たちのスナップから、定番を自分らしく着こなすヒントを探っていこう。

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上品さと気負いのなさが交差するフレンチスタイル|トゥモローランド/バイヤー 川辺圭一郎さん

「『アン ヴラック パリ』は『エルメス』でテキスタイルやアクセサリーのデザインに20年ほども携わったマリーナ・ナレ・バラベスが『自分の描いたオブジェを好きな服に載せてみたらどうだろう』と考えて始めたブランド。今作はブルーのストライプが入った『ランバン』のヴィンテージシャツにマッチボックスのシルクスクリーンプリントが手刷りで入っています。太いシルエットで〝スラックス見え〟する濃紺デニムのパンツもパリを拠点とするブランドから届いたものです。シャツをタックインしながらボタンを4つ開放し、白Tシャツをのぞかせることで春らしい抜け感を演出してみました。白と青をカラーリングの基調としながら、足下の赤いスウェードでエスプリを効かせたのもポイントです」

シャツ6万8200円/アン ヴラック パリ(スーパー エー マーケット 青山 TEL03-3423-8428)、デニムパンツ7万9200円/エーディーエヌ パリ(トゥモローランド 丸の内店 TEL03-5220-2391)、Tシャツ/ヘインズ、靴/J.M.ウエストン、サングラス/フレンチヴィンテージ(すべて本人私物)

いま着たいものを重ねながら正統を少しだけひねる|J.PRESS & SON’S 青山/ショップディレクター 黒野智也さん

「2000年代初頭のアメリカ企画の『J.プレス』のBDシャツに、『リーバイス』の[684]を合わせました。フレアのデニムは他にもいくつか持っているのですが、いまは[684]の形が気分です。あとは個人的にギンガムチェックのシャツも気になっていて、いま着たいもの同士を合わせた感じですね。ただ、直球のコーディネイトよりも、少しクセやひねりのある着こなしの方が好みなので、自然と選ぶアイテムも個性的なものが多くなります。その分スタイリングもややクセが強くなりますが、そこは気分次第で楽しんでいます。いまはウエスタンなどトラディショナルなアイテムにも惹かれていて、どう組み合わせるかを考えるのが楽しいですね」

シャツ/J.プレス、パンツ/リーバイス、シューズ/ユケテン、ベルト/エースウェスタンベルツ×マクシズ(すべて本人私物)

東の品に西の土っぽさを足し少しだけラフに着崩す|ユーソニアングッズストア/店長 高橋康平さん

「この春は少し着崩したい気分です。店ではBDシャツがスタイルの軸なのですが、あえて開襟を選びました。薄いストライプもコットンリネンの軽い素材感も、いまの気分にピッタリ。いわゆる東海岸の白オックスにデニムみたいなパリッとした合わせではなく、西側のインディアンジュエリーや『オルテガ』を足して、少し土っぽさも出しています。それを象徴するアイテムが『ポロカントリー』のデニムです。トラッドと着崩しの間にちょうどハマるのでよく穿いています。古い『ラルフローレン』が持つ、東海岸とニューメキシコのカルチャーが混ざるあの感じを、意識したスタイリングです」

シャツ/インディビジュアライズドシャツ、デニム/ポロ・カントリー、ベスト/オルテガ(すべて本人私物)、シューズ9万3500円/ランコート、ベルト1万9800円、眼鏡4万9500円/アメリカンオプティカル(すべてユーソニアングッズストア TEL03-5410-1776)

別注で蘇った1枚をいまの気分とバランスで|アーチ/ジェネラルマネージャー 原祐輔さん

「[ビッグラクルシーシャツ]はもともと『ケイシーケイシー』の定番だったのですが、今は廃盤。個人的にどうしてももう一度欲しい! という思いで別注復刻しちゃいました。なので今季は世界でもアーチでしか買えない1枚です。何が魅力かというと着られる時期も幅広く、着回しも効くところ。少し細身の『ボンクラ』の66モデルに合わせると、オーバーサイジングのシャツとのバランスが絶妙で、すごく気に入っています。足元は約20年選手となる『ユッタニューマン』の[アリス]を合わせましたが、ラフにビーサンくらいでもよさそうですね」

シャツ8万8000円/ケイシーケイシー、パンツ4万9500円/ボンクラ、サンダル8万2500円/ユッタニューマン(すべてアーチ南青山 TEL03-6434-1203 )、Tシャツ/メルツ・ベー・シュヴァーネン、時計/ロレックス、眼鏡/ヴィンテージ(すべて本人私物)

新品と年代物のミックスをカラーリングに気遣いながら|メイデンズショップ/ディレクター兼バイヤー 牧野真也さん

「3月7日にメイデンズショップ神保町が新たにオープンしました。このシャツは、神保町店のオープン記念で『アンスナム』に別注したものです。『アンスナム』には欧州の牛飼いシャツを原型にしたプルオーバーシャツがあるのですが、それを前開きの仕様に。素材にはイタリアの生地屋さんから出てきたデッドストックを使っています。柄は茶と緑のギンガムチェック。神保町店が入った昭和43年築のビルの外装に茶のレンガと緑のタイルが使われているのとリンクしています。合わせたデニムは、『キー』の50sのペインターパンツ。10代から20代にかけてペインターパンツをよく穿いていたのですが、今また気分なので。帽子や靴下、スウェード短靴にまでシャツの色を拡散させました」

シャツ8万2500円/アンスナム、Tシャツ1万9800円/ダナリーブラウン、靴17万3800円/オールデン、キャップ8800円/スタジオアニマルズ、ソックス4950円/コーギー(メイデンズショップ神保町 TEL03-5801-6123)、スエット/ヴィンテージ、デニムパンツ/ヴィンテージ(本人私物)

普遍性と独自性の調合を自分流の見極めで謳歌する|マクシズ東京/オーナー 近谷忠信さん

「高密度な織りのペーパーコットンを使用したシャツは、生地も縫製もフランスメイド。マクシズ東京が『シェ・ビダレン』に別注しています。多くのメゾンブランドも起用するキルバー社の生地を使ってボタンホールを手かがりするなど、こだわりが詰まった上品なシャツの胸にパッチポケットを付けることで、カジュアルダウンを狙いました。もともと洗いのかかったラフな表情で自然に纏うのが似合うシャツですが、胸元を開けて裾のボタンも多めに外し、フロントにX型のラインを生み出して着ています。1937年製の『リーバイス』の[501XX]は、腰周りからワタリにかけふっくらとしたシルエットが特徴です。この味わい深いヴィンテージをオーバーで穿きながら、足下にはウエスタンブーツを合わせました。白いシャツ×デニムパンツという合わせ自体は普遍的ですが、男らしさと上品さ、豪快さと繊細さを盛り込み、自分らしいバランスで楽しんでいます」

シャツ10万7800円/シェ・ビダレン、タンクトップ9900円/ワイス、シルバーネックレス7万4800円/ワークスタッド ミュンヘン(マクシズ東京 TEL03-3292-7415)、デニムパンツ/ヴィンテージ、靴/ワイス、サングラス/カトラー&グロス(すべて本人私物)

トップで崩し、ボトムで締める定番を、バランスで新しく|ビームスF/ディレクター 西口修平さん

「『ブルックスブラザーズ』のポロカラーシャツは自分の永遠の定番であり、昔からよく着ています。17ハーフというオーバーサイズを選び、首や肩周りにかなり余裕を持たせ、ふわっと膨らみのあるシルエットを意識。対してボトムはジャストサイズの[517]を合わせました。トップスで崩したバランスをボトムで調整した、独特なプロポーションが気に入っています。またブルーストライプのポプリンシャツは、ドレスシャツのような雰囲気も持ち合わせていて、[517]が自然とドレスアップした見え方になるのも面白いですね。足元のカウボーイブーツは、もともとはワーク寄りですが、エキゾチックレザーはドレスの要素。クロコのベルトも含め、今回のミックススタイルを引き締める小物として申し分なしです」

シャツ/ブルックス ブラザーズ、パンツ/リーバイス、シューズ/ジャスティン、ベルト/ザソール、Tシャツ/ヘインズ、時計/パテック フィリップ(すべて本人私物)

フレンチ的なミックス感をいまの価値観で表現してみました|オーベルジュ/デザイナー 小林学さん

「パナマシャツ[マルコ]は、白と黒の2色展開なのですが、それぞれ白ワインと赤ワインをテーマにした新作です。1800年代後半から1900年代初頭に流行したアール・ヌーヴォーの図案からヒントを得たブドウの刺繍を前身頃に施しました。2種類の糸を使った細かい柄で、かなり手間がかかっています。デニムは[ボウ]というモデルで、クラシックなフレンチワークのシルエットと、旧きよきアメリカのガシッとした生地感を融合させました。『フレンチの気分でデニムを穿く』を、いま表現するとこうなるかなと。インナーのボーダーTを半袖シャツから出す着方は、90年代の渋谷・原宿で見かけたストリートのスタイルが原風景です」

シャツ5万8300円、ジーンズ3万8500円、カットソー3万1900円、帽子2万6400円、シューズ11万5500円/すべてオーベルジュ(スロウガンTEL03-3770-5931)

歳を重ねるとともに変化するスタイリングの妙|マークメーカー/ブランドディレクター 柳雅幸さん

「昔はBDシャツに坊主で帽子、みたいな決まったスタイルが多かったんですが、そろそろデニムにシャツみたいな合わせもいいかなという気分になっています。だけどあえてストレートにまとめないという意味で、[501]ではなくカットオフした[517]をセレクトしました。あとはグリーンのTシャツを選ぶ少しナードなスタイリングも、自分の体型の変化に合わせて徐々に増やしていきたいです。そういうちょっとズレた着こなしで、らしさを出すのが40歳を超えた僕のファッションテーマかなと思っています」

シャツ/ペイデイ2万900円(マークメーカー https://payday.m-shop.jp/)、パンツ/リーバイス、カーディガン/ジエルダーステイツマン、Tシャツ/ユーズド、シューズ/トリッペン、ソックス/ノダル×ロフトマン、眼鏡/ジャックデュラン(すべて本人私物)

セオリーを裏返し天邪鬼にフレンチを香らせる|コミュニケーションプランナー 安武俊宏さん

「シャツとデニムがテーマということで、ちょっと天邪鬼にシルクシャツとホワイトデニムでコーディネイトしました。ゆるっとしたオーバーサイジングのシルクシャツは、黒地にドットという少しフレンチっぽい雰囲気が気に入っていて、それを主役に全体をまとめました。パンツは10代の頃から買い足し続けている『リーバイス』[501]のホワイトデニムをセレクト。ここでも少しフレンチ感を意識しています。大きめのトップスは細身のパンツで引き締めるイメージですが、セオリー通りなら色の濃淡は上下逆ですよね。そのあたりも天邪鬼です」

シャツ6万6000円/トーナイ(トーナイ info@tohnai.jp)、パンツ/リーバイス、シューズ/ジェイエムウエストン、ソックス/インターナショナルギャラリービームス、ニット帽/キジマタカユキ、眼鏡/バディオプティカル(すべて本人私物)

テーラードとカジュアルのあいだを素材でやわらかくつなぐ|鎌倉シャツ/エリアマネージャー 庄子晃功さん

「デニムとシャツの着合わせでも、コテコテのヴィンテージには振らずに、テーラードとカジュアルのミックスを意識しています。その中で大事にしたのが素材感で、デニムに合わせるならざっくりとしたリネンシャツがいいですね。あとは普段アイビーやトラッド寄りのスタイルが多いんですが、オールドギャルソンのジャケットを軸にフレンチをミックス。エスプリを効かせた柔らかい雰囲気になるようにレギュラーカラーのシャツを選びました。タイもレジメンタルではなくニュアンスカラーにして、いわゆるアイビーとは少し距離を取っています」

シャツ1万6500円/鎌倉シャツ(メーカーズシャツ鎌倉 TEL03-5449-7647)、デニム/リーバイス501、シューズ/ポールセンスコーン、ソックス/メゾンエボヤージュ、ジャケット/コムデギャルソンシャツ、タイ、チーフ、ベルト/すべて鎌倉シャツ(すべて本人私物)

シルエットは気楽に細部で引き締める|スマートクロージングストア/マネージャー 姫野賢次さん

「シャツは普段からゆったりしたシルエットのものを選ぶことが多いですが、今日着ているモノも身幅の広いボックス型。暖かくなって外を歩くことも増えてきたので、動きやすくて脱ぎ着もしやすい、気楽なアイテムとして重宝します。合わせたペインターパンツもライトオンスなので、これからの時期には穿きやすく、シャツと合わせた時のバランスも程よいです。シャツを羽織るとき、基本的にインナーは無地のTシャツ。特にネックの開きは気にしていて、全体のスタイルに合わせて少しゆるいものを選び、リラックスした印象にしています。あとはネックレスを足すなどアクセサリー類で、ルーズになりすぎないようバランスを取るようにしています」

シャツ2万900円、パンツ2万9480円、Tシャツ8580円/すべてフェローズ、シューズ11万円/ヴァスコ、ネックレストップ5万6980円/フェローズ(すべてスマートクロージングストア原宿店 TEL03-3406-0012)

デニムはスラックスで西海岸をさりげなく|シップス/プレス 伊藤誠さん

「トレンドの5ポケットのワイドシルエットデニムではなく、あえてデニムスラックスを軸にコーディネイトしました。もともとパンツ専業のブランドの1本だけあってシルエットがものすごく綺麗。オンスが軽いので落ち感もいいですね。そこにウエスタンシャツとチマヨベストをサンプリングしたスウェードベストを重ね、モカシンやベルトでもネイティブアメリカン要素をプラス。コスプレっぽくならない、あくまでファッションとしての西海岸スタイルを楽しみたいです」

シャツ1万9800円/シップス、パンツ3万9600円/イカイ×シップス、ベスト14万3000円/チンクアンタ×シップス、ベルト3万7400円/アルベルトルティ×シップス、シューズ3万9600円/ポルペッタ×シップス、スカーフ1万2100円/マルセル ラサンス(すべてシップス インフォメーションセンター TEL0120-444-099)

(出典/「2nd 2026年6月号 Vol.218」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
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