顧客のオーダーが製品化されて誕生! 至高のペニーローファー「ジョンロブ」のロペス【名作ローファーブランド図鑑】

トラッドスタイルにおけるマストアイテムとして欠かすことのできないローファー。1930年代に誕生し、いまでは世界各国様々なブランドがこの形の靴をリリースしている。そんな数あるローファーにおいて、2ndが考える名作の中の名作を厳選した。

「John Lobb」のLopez(ロペス)

由緒正しき高級紳士靴メーカーとして世界にその名を轟かせ「ジョンロブ」。彼らが生み出す革靴には“至高”といった言葉がよく似合う。そんな同ブランドの最定番として君臨するストレートチップ[シティⅡ]に
次ぐアイコンとして存在するのが1950年に1足のオーダーシューズから派生して誕生したペニーローファー「ロペス」だ。英国靴特有の重々しい雰囲気はなく、どこか軽やかなムードを醸し出している。この“無国籍”ともいえる洗練されたデザインが時代を超えて愛され続ける所以なのだ。

アイコニックな楕円形のサドルデザインや太過ぎず細過ぎずなシルエット、そしてハンドステッチによるモカの表情など、無駄のない洗練されたデザインから愛され続ける「ジョンロブ」のシグニチャーモデル。今年で生誕70周年を迎える。ビスポークのブティックとして開業した同ブランドがひとりの顧客からのオーダーを受けて製作したローファーが起源となっており、聖地・ノーザンプトンにて190の工程を経て作られる。26万9500円(ジョン ロブ ジャパンTEL03-6267-6010)

ロペスが名作たる5つの理由

顧客のオーダーが製品化されて誕生

1866年に創業した「ジョンロブ」はビスポークブティックとして名だたるハリウッドスターや政治家のビスポークを手掛けてきた。いまではブランドの定番にして多くの革靴好きから支持を集める[ロペス]は、ひとりの顧客のビスポークオーダーが元になっている。その後、1982年に既製靴ラインをスタートした際には定番として製品化されて現在に至る。ビスポーク靴と聞けば真っ先に名前が挙がる「ジョンロブ」らしい製作秘話である。

他とは一線を画す独特なシルエット

やや細長い形状の独特なシルエットは他のブランドにはない[ロペス]の特徴のひとつ。採用する「4395」ラストはウエストのシェイプが強過ぎず、太過ぎず細過ぎずの絶妙なルックスを生み出している。この洗練された佇まいこそが名だたる著名人や世界中のウェルドレッサーに愛される最大の要因だ。良い意味での“中庸さ”を携えており、ドレスからカジュアルまであらゆるスタイルにマッチする抜群の汎用性を誇る

革靴の聖地・ノーザンプトンで製作

「ジョンロブ」の既成靴は革靴の聖地・英国はノーザンプトンにて製作される。高品質のカーフレザーを使用し、190もの工程を経て、熟練の職人により数週間をかけてハンドクラフトによって作られる革靴の品質は折り紙付き。無論、[ロペス]も同様だ。サドルを除くパーツのすべては一枚革で仕立てられており、フロントには手間暇のかかるハンドステッチが施されている。このふたつの製造方法により履きこむごとに所有者の足を包み込むようにフィットし、極上の履き心地を実現しているのだ。

アイコニックな楕円形のサドルデザイン

[ロペス]の最大の特徴は、このオーバル形(楕円形)のサドルデザインだ。サドルの切れ込みは一文字や三角形などの直線的なカッティングが施されるのが一般的だが、この丸みのあるデザインは柔らかなムードを演出してくれる。この切れ込みのデザインやサドルの細やかなステッチも、熟練の職人によるクラフトマンシップの賜物だ。このアイコニックなデザインは、「ジョンロブ」のシグネチャーモチーフとして他のモデルにも使用されているのだとか。

独自の発展を遂げて世界各国のエッセンスを吸収

左の写真は、1900年代初頭の「ジョンロブ」のショップカード。下部に記されているようにビスポークのアトリエはフランス・パリに拠点を構えている。1899年にはパリに1号店をオープンしており、フレンチの香りもほのかに感じられる[ロペス]の控えめな佇まいは、パリのカルチャーとの密接な関係も多分に影響しているといえるだろう。愛用者からは「英国、フランス、アメリカのテイストが共存している」と評されることも。

(出典/「2nd 2025年6月号 Vol.212」)

この記事を書いた人
みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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