工業的マテリアルに10 アイヴァンの美的センスを投影。
納得のいくプロダクトができるまでコレクションを発表しない〈10 アイヴァン〉が今季はふたつもトピックスを用意した。まずは新素材。チタン製のシートメタルを用いて、2年ぶりのコレクションを完成させた。素材から見直し、「圧延」と呼ばれる加工を行うことで、コンマ数ミリ単位で圧縮。密度を上げることで質感や表面の美しさをアップデートしている。
さらに表面加工にもこだわり、無機質な物質に有機的な印象を与えているのも10 アイヴァンらしい美的感覚と言えよう。ふたつ目は、4年ぶりの新型オーバルの登場。天地の浅いシェイプは数年前より散見するが、このオーバルは圧倒的に柔らかい。ややもすれば、ナードに振れ過ぎてしまうスタイルを、ギリギリでモードに落とし込み、なにより今回のシートメタルとの相性の良さは計り知れない。
筆者は思いがけず、このプロダクトに1990年代のバーニーズ・ニューヨークやDKNYの広告のようなモノクロームの世界を想起した。クールな都会の喧騒に有機的な人の交わり。グレースーツを纏ったジェントルマンの目元にはきっとこのアイウエアがお似合いだ。
1 no.1 V
リム幅を持たせたクラシックなウェリントン。シートメタルにIPメッキで施した「黒」にきめ細やかなヘアライン処理は素材の風合いを残しながら奥深い印象に。9万9000円
2 no.9 V
レンズの天地が浅いオーバルは4年ぶりの新型。チタン製シートメタルの素材感と相まって、どこか90年代のアメリカを彷彿とさせるミニマリズム。9万9000円[10月発売予定]
3 no.5 V
バイオレットのカラーレンズとイエローゴールドの組み合わせが目元に色気を付与する。シルバー925のカシメ飾りやエンドチップとのコントラストも美しい。9万9000円
4 no.3 V
クラシックカーの塗装などに用いられる技法でシートメタルでは珍しいサンドベージュカラーに。硬質な印象を絶妙に和らげクラシックフレームを新鮮に昇華。9万9000円
【DATA】
アイヴァン PR
TEL03-6450-5300
https://10eyevan.com/
(出典/「2nd 2024年9月・10月合併号 Vol.207」)
Photo/Tetsuya Maehara Styling/Nobuyuki Ida Hair&Make/Katsuyoshi Kojima Model/Yoshiaki Takahashi
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