2ページ目 - 30、40代の紺ブレは、まだまだ遊びたい気分。着道楽たちはどんな紺ブレを選ぶ?

この世代にとって紺ブレは定番品を選んで崩すっていうのが共通項なのかも

西野 もうトラッドの空気感を思い切り打ち消しちゃいたいなって。でもだからこそ紺ブレ自体には王道の空気感を纏っていてほしい。それもあって、今回色々試着しまくって一番ときめいたのが、この「サウスウィック」のダブルブレザーでした。

ミウラ うわ、それ俺もめっちゃ迷いました! 見映えも着用感も本当にデキがいいですよね。メイド・イン・USAっていうのも大きいし。

川辺 たしかにそれはデカい。服好きにとっては米国製ってだけで特別感があるんですよね。間違いなく気分が上がる。

西野 そうなんですよ。生産背景も含めて超王道。生地もメタルボタンも米国製にこだわっているところに萌えます。しかも実際に羽織ってみたらサイズ感、ちょうどいい。タイトでもワイドでもない。誤解を恐れず言えば“ごく普通”。でもそれがいいなって。

ミウラ ベーシックだからこそ自分色に染めやすいと。

西野 そうそう。今日みたいな上下デニムを合わせたバリバリのアメカジに羽織っても、そんなに違和感ないでしょ?

川辺 たしかにこれくらい大胆に遊んでも奇抜に見えないのは、“サウスウィックのダブル”っていう安心感があるからこそかもしれませんね。

西野 あとは純粋にシングルより身幅にゆとりがあるのも、体型が気になり出してる30代~40代には嬉しいかも。着丈が長くてヒップまですっぽり覆ってくれるのも嬉しいし。

ミウラ 体型補正的な意味合いでもダブルはいいのかもね。実は僕も今回試着した中で一番惹かれたのが、「ポロ ラルフ ローレン」のダブルだったんです。なんかちょっとカブるみたいで言いにくかったんですけど(笑)。

西野 ダブル被りだ(笑)。

ミウラ そもそも自分の基本のブレザー像は、ダブルのサイドベンツ。これはまさにその理想像にピッタリだったし、ピークドラペルの広さなんかも結構ワイドめで自分好み。本来はかなりエレガントなアイテムだと思うんですけど、最近は今日みたいに古着のうえにサラッと羽織りたいから、これくらい威厳のある紺ブレのほうがバランスがとりやすいのかなって。

西野 たしかに似合うなぁ。色合いがちょっと明るめのネイビーなのも抜け感がある。

ミウラ ただ僕も西野くんと同じで、これに惹かれたのは変に編集しすぎてないからなんですよね。しっかり王道のアメトラ顔に仕立てられてるからこそ、崩しても成立する。

川辺 うわぁ、なんだかこの流れでかなり言い出しにくいんですけど(笑)、実は僕が選んだベスト紺ブレもダブルなんです。しかも「ポール・スチュアート」の。

西野 みんなアメトラの名門のダブル! なんか話し合って決めたみたいですね(笑)。

川辺 しかも理由も結構似ていて、これならしっかりアメトラ風味は残しつつ、自分流に崩しやすいのかなって。

ミウラ 金ボタンじゃなくてコッパーボタンってところがヒネリを感じていいですね。

川辺 構築的に見えるんですけど、腕とか胸周りの内蔵物はかなり軽くされていて、ワンサイズ大きめを選べばラフに羽織れそう。以前敬愛するパリの名店「ハズバンズ」の創業者、ニコラ・ガバールさんにお会いした時、ちょうどこんな感じのダブルブレザーにヒールの高いブーツを合わされていて、それがとてつもなく洒脱で。その残像が残っていて、このブレザーならマネできそうだなって。

西野 全員老舗のダブルを選ぶとは(笑)。もしかしたらこの世代にとって紺ブレは定番品を選んで崩すっていうのが共通項なのかも。

ミウラ まだ落ち着かずに遊んでなんぼってことね。

西野さんチョイス「意匠も背景もとことん正統だからこそ思い切って遊べる一着」

西野さんの古巣であるブルックスの製品作りを長年担ってきた名門の定番モデル[パクストン]。ナチュラルショルダー、ピークドラペル、サイドベント、袖の並び4つボタン、ラペルの約7mmステッチと、伝統的な意匠が凝縮。Southwick 14万8500円(シップス 銀座店TEL03-3564-5547)

ミウラシュランさんチョイス「真面目だけど抜け感もあってアレンジする楽しみがある」

重厚になりがちなダブルにあってモダンにも映るのは、幅広ながら鋭利なピークドラペルや浅めの打ち合いなど、独自の感性が落とし込まれているからこそ。ボタンを外してもバランスよく見えるように設計されているのもさすが。POLO RALPH LAUREN 7万2600円(ラルフ ローレンTEL0120-3274-20)

川辺さんチョイス「色気と遊びのバランスが秀逸。ワンサイズ上げて崩して羽織りたい」

数量限定のコレクションラインから展開された力作。ワイドラペルと深めのVゾーンでエレガンスを追求しつつ、胸や肩回りの内蔵物を極力軽くして心地いい着用感に。しなやかなのにハリもある尾州産ウール地も白眉。Paul Stuart 13万2000円(ポール・スチュアート青山本店TEL03-6384-5763)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年12月号 Vol.200」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

Pick Up おすすめ記事

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...