ブレザーで構築する“不良スタイル” 。
早野 海さん(INDIVIDUALIZED SHIRTS JAPAN DIRECTOR)
スタイリングのテーマは、“不良性”。それは、言い換えればダブルブレストのブレザー本来のかっちりした着方から、逸脱することを指す。キャンプカラーのシャツをインナーで合わせたブレザースタイルだ。この時期になるとネイビーのブレザーは、少し重たく感じる。そのためシャツとパンツはリネンかつ爽やかなライトカラーで、足元はサンダル。重い印象を和らげる工夫を見せてくれた。J.PRESS ORIGINALSのニューポートブレーザーも、肩パッドが薄いものを使用しているので、盛夏に向けて着崩すのには、バランスが取りやすかったと早野さんはコメントしてくれた。
ベージュブレザーでしか成し得ない柔和なニュアンス。
髙梨 祐人さん(USONIAN GOODS STORE DIRECTOR)
ベージュのブレザーの色に合わせてボトムにブラウンをチョイスし、ナチュラルな雰囲気でまとめてみせた。早野さん同様にシャツ、ボトムはリネン素材。個人的に上手だと思ったのが足元の表現だ。愛用しているランコートのクリームカラーのボディとブリックソールのブラウンが、ブレザーやボトムの色を絶妙に拾っている。また、ラフなロールアップに素足でシューズを履くところも大人の余裕を感じさせる。ブレザーを脱ぐと、シャツの個性的なディテールが目をひいた。Willis&Geigerのブッシュシャツをモチーフにしたデザインで、タッタソールをリネン素材に落とし込んだシャツだ。ディープレッドにゴールドという配色も髙梨さんがお気に入りポイント。
マドラスチェックがポイントの王道アメリカントラッド。
手塚 章吾(USONIAN GOODS STORE STAFF)
手塚さんは、王道のアメリカントラディショナルを体現。主役はマドラスチェックのボタンダウンシャツ。アメリカントラッドの名著『TAKE IVY』に掲載されていた一葉をソースとして、柄や色使いをインディビジュアライズドシャツが独自に開発した素材だ。ボトムはやや太めのチノスラックスを、くるぶしが覗く程度のやや短めの裾丈でスッキリ見せている。ブレザーはINDIVIDUALIZED CLOTHING製。メタルボタンにも関わらず、4つ穴ボタンという珍しいディテールに気づいた人はいるだろうか? オーセンティックなアイテムの組み合わせの中にも、ディテールでの遊びやシルエットに変化をつけた手塚さんのセンスが光るスタイリング。
今夏に向けてオススメしたいインディビの新作。
ブレザーという定番中の定番アイテムを主軸にしつつも、これほどまでに幅の広いスタイリングを提案できるのはシャツの個性あってこそ。そこで、インディビジュアライズドシャツジャパンディレクターの早野氏に、これからの季節にぴったりの商品をうかがった。
60年代のアメリカントラディショナルを現代の気分に落とし込んで提案したいという思いから企画したマドラスチェックのポップオーバーシャツ。インディビではプルオーバータイプのシャツのことを、ポップオーバーと呼び、素材も当時の書籍などを参考に別注で復活させた。インディビジュアライズドシャツでは、ユニバーシティボタンダウンという定番の襟型が代表ではあるが、こちらは襟先も短く、台襟も低いカジュアルな雰囲気の襟に仕上げている。当時のようにラフにシャツを外に出して、今のシーズンだったら、ホワイトデニム。真夏だったらチノショーツにサンダルなんかで合わせて当時のアイビースタイルを体現して欲しい。また、4つボタンで深めの前立てというデザインはタックインした際にもポロシャツほどカジュアル見えしないこともポイントだ。
今回ご紹介した、インディビジュアライズドシャツの魅力は一部に過ぎない。前回の記事でも書いたようにカスタムオーダーができるのがインディビの魅力でもある。私もこの記事を書き終えたら、ゆっくりとシャツをオーダーしに店へ行きたい。この記事を読んでくれたあなたが心底愛せるアメリカ製のシャツを見つけるお手伝いができたなら嬉しく思います。
USONIAN GOODS STORE
by INDIVIDUALIZED SHIRTS
東京都渋谷区神宮前2-19-16
営業時間 12:00〜19:00
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