デニムからバブアーまで! 服好きの心をグッと掴むリペアショップ「GOEMON」。

古着の聖地とも言われる千葉県柏市に、ジーンズ専門のリペア店「GOEMON」というお直し屋さんがあるのをご存知だろうか。「長く愛用したデニムが破けてしまった」、「ヴィンテージ・デニムが劣化し穴が空いてしまった」、「気に入った古着のデニムを見つけたが目立つところに穴が空いている」……。長くモノを愛し、ヴィンテージへの愛着も強い皆様なら、きっとそんな経験があるはずだ。「どこで直せばいいか分からない!」とお困りの方に、ぜひ是非オススメしたいのが「GOEMON」だ。今回は、デニムリペアの基本的な知識を学びつつ、GOEMONの魅力に迫ろうと思う。

デニム専用のリペアショップ「GOEMON」とは?

「GOEMON」2004年に設立、今年で19年目を迎え、ご夫妻で営まれている。言うまでもなく、おふたりのリペア技術はベテランの域に達している。古着好き、レプリカデニムファン、お宝級のビンテージデニム所有者からビンテージ初心者など心を掴み続け、無数のリペアを請け負ってきた。創業当時は、デニムリペアという分野が当たり前ではなく、世の中に浸透していない時代。ノウハウは、すべて独学で開拓されたてきたそうだが、いち早く「リペア」という世界に足を踏み入れたことで、豊富な知識やテクニックを兼ね備えている。

実は培ってきたノウハウもYouTubeやインスタグラムで詳しく公開されている。それを知った時には「技術を盗まれるのではないか」とも思ったが、「デニムリペアを探求してきた身として、理屈のある直し方を知って欲しい」という意図があるそうだ。インスタグラムのハッシュタグには、【リペアには関しては、クソ真面目】とある通り、動画の中でも自身のこだわりを細やかに分かりやすく伝えている。また、店主の太郎さんがリペアを施すうえで、こだわっているのは「強度」だと言う。その理由を聞いてみると「リペアという仕事を通して、様々な壊れ方を見てきているので、モノを作っている人たち以上に“どうしたらこの先に壊れないか”を考えるのが大切です。直した後のお客さんの使い勝手までを想像しながら、モノと向き合うのがGOEMONのポリシーです」と太郎さんは話す。リーバイスをはじめとしたヴィンテージデニムのほか、レプリカ系デニムまで網羅したリペア対象の広さもGOEMONの強味のひとつだが、奥様のさくらさんは、一般的な洋服のお直し屋さんが苦手とするTシャツやスウェットをはじめ、バブアーの修理までと幅広い修理を担当されている。チャンピオンのスウェットを中心にヴィンテージのスウェットシャツも価格が高騰中。コンディションの良し悪しに左右されずに欲しいものを購入する際の後押しをしてくれる存在でもある。なによりも洋服全般に渡ってリペアの相談ができるのは服好きにとって嬉しいことだろう。

デニムに穴があいてしまった!
穴あきの塞ぎ方を勉強しよう。

ジーンズのひげ部分は穴があきやすい。GOEMONがどのようにして、この穴をどのようにして塞ぐのかを紹介する。

まずデニムを裏返しにし、緯糸に見立ててしつけ糸を置く。緯糸の色によっては、コーヒーで染めたしつけ糸を使用することもあるそうだ。

置いた糸の上に穴よりも少し大きめに裁断した接着芯を重ね、アイロンで押さえ固定させる。接着芯は、アイロンで熱された後の冷めるときに接着されるため、アイロン後にはこのような鉄のウエイトをあてて冷ますと効果的。

次に穴を塞ぐ経糸の色を選ぶ。この糸選びが一番、時間を要するそう。デニムは、主にグレー系の糸から選ぶのがオススメ。

ここからが縫製作業。デニムを少しずつ横にずらしながら、上下に針を振り、穴を塞いでいく。ここはまさに経験が必要なテクニック。

これにて完成。表裏どちらから見ても綺麗な仕上り。接着芯を厚くしたり、ステッチ本数を増やすと修理箇所がより固い仕上がりとなる。そのため着用を繰り返すうちに周りの部分に負荷がかかり、穴があきやすくなることもあるが、GOEMONでは修理後の着用のことも考えている。そのため、強度が高くリペアした周りからも破けにくい【レギュラーリペア】、早くて安い【クイックリペア】、強度ではレギュラーリペアに劣るがリペアした所が目立ちにくい【オリジナルリペア】の3種類から選ぶことができる。ユーザーの求めるリペア方法や、修理後の着用のことも考えながら提案している。

デニムのリペアだけではない!
人気再燃中のバブアー修理だってお任せ。

ジーンズだけでなく、難易度の高いバブアー修理も受けているのが、GOEMONの特徴。ファッションとしての着用だけでなく、実用服としてハードな着用をされているブランドであり、人気の上昇も手伝って、依頼はかなり増えているとか。修理内容で多いのは、圧倒的に「破れ」。ポケットフラップ付近、フロントボタン周辺、袖先が依頼トップ3という。また、年代が古い物や破れ、劣化が激しい個体はバブアーが公式に推奨している修理店でも断られるケースがあるといい、そういう困った人たちの多くがGOEMONに辿り着くのだという。

GOEMONでは、ユーズドのバブアーを解体した生地を修理用としてストックしている。

さらには、新品のブリティッシュミラレーンのオイルドコットン生地も常備している。強度の弱くなったユーズドの生地ではなく、近似色の新しい生地を使って目立たないように破れを補修することも可能だ。

実はGOEMONでは長年に渡り「FRITTER」というリメイクブランドを手掛けている。そのため様々な色を組み合わせたパッチワークも得意としており、それを知るお客様からは「あえてカラフルに修理したい」という要望も最近では増えている。その実例が以下である。

生地自体があまりにも劣化している場合は、直した後も繰り返し有償修理が必要になる。その他のリスクも含めて、丁寧に説明することを心掛けているので、お客様には納得してもらった上で修理を承っている。バブアーに関しては、暖かくなった今からの時期がメンテナンスのオススメ時期だという。バブアー特有の「オイル入れ」を検討しているなら、暖かい時期の方がオイルが浸透しやすいからだ。また、穴あきなどの修理対応は現状、3カ月ほどを納期として設定しているため次のバブアーの着用シーズンに備えて、早目にオーダーすることをオススメしたい。

もしもクローゼットにリペアが必要な洋服が眠っているのなら、是非GOEMONに相談して欲しい。きっと洋服好きのお客様の要望に寄り添ってきたのも、GOEMONが長年愛されている理由なのであろう。筆者も服好きの端くれとして、こういうプロに大事な洋服を託したいと思う。

SHOP DATA
Jeans Repair GOEMONgoemonのお直し
千葉県柏市千代田1-1-34 小溝第一ビル2F
TEL:04-7167-9125
営業時間 9:00-19:00(日祝祭日は、10:00-18:00)
定休日:木曜

デニムのリペアなら「ジーンズリペアゴエモン」
https://jeansrepair.ocnk.net/
https://www.instagram.com/jeansrepair_goemon/

洋服全般のリペアなら「ゴエモンのお直し」
https://goegoe.ocnk.net/
https://www.instagram.com/goemon_onaoshi/

この記事を書いた人
黒野 智也
この記事を書いた人

黒野 智也

ブレザー偏愛家

1985年生まれ、神戸出身。J.PRESS&SON'Sの立ち上げから携わり、現在はショップディレクター。コラボや別注などのほか、マーチャンダイズ、生産管理、企画・バイイング、イベント立案、PR、店頭での接客まで担当。趣味のカメラを活用し、自社ブランドのみならず、他ブランドのルック撮影やイメージヴィジュアルにも携わる。アメリカントラディショナルの普及のため、様々な“ブレザー・スタイル”を啓蒙する@blazer_snapも主宰。
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